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山岸涼子さん「雨の訪問者」について(ネタバレあり)

山岸涼子さん(涼は正しくは二水ですね)の「雨の訪問者」が先年、「白眼子」のコミックに同時収録されました。 昔、従姉の家で読んで以来、ずっと読みたかった作品だったので、すごくうれしかったです。 ところで、内容に矛盾する大きく部分があると思い、その点が気になります。 ベルちゃんは、主人公の久仁子さんが晩婚で結婚した相手の姪っ子ですが、 久仁子さんは相手の方の庭付きの家に住むようになりましたよね。 でも、ベルちゃんがいつも寝ている部屋と指したのは、久仁子さんの独身時代のアパートの寝室ですよね。 まったく野暮な質問だという自覚はあるのですが、この作品が好きな皆さんがどう解釈していたのか知りたいです。 結婚後にご主人が亡くなってしまい、久仁子さんはベルちゃんとともに元のアパートに戻ったとか? きっと、この矛盾は度外視してこの作品を味わうのが正解だと思うのですけど、 皆さんはどう思われます?

質問者が選んだベストアンサー

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  • Parismadam
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回答No.2

はじめまして。 山岸涼子は大好きな漫画家なので、思わず投稿させていただきました。 おまけにご質問の漫画を探し出して、再読したりしてしまって、、、。単純です、、、。 今再読しても、最初にこの漫画を読んだ時と同じ解釈になりましたが、姪の鈴子ちゃんとベルちゃんは同一人物ではないと見ています。 ベルちゃんは、地味だけど地道にまじめに生きている久仁子さんに、幸せを運ぶキューピッドとしての役割があったのだと思います。久仁子さんが独身時代、アパートでべルちゃんと過ごした日々は、久仁子さんが発する「明るい生のオーラ」、久仁子さんの家族の「久仁子さんを守る愛のオーラ」がもたらした、幸せへの道しるべ(プレリュード)だったのだと思います。 ですから、2歳の鈴子ちゃんがもう少し大きくなっても、同じ性格になったり、同じことをしたり、同じ癖をもったりするかは、定かではありません。ベルちゃんと鈴子ちゃんは同一人物ではないからです。ただ、顔も名前も似ているので十分連想させます。しかし、連想の段階で終わっていて、同一人物だと決定するのは、久仁子さんの主観だと思います。 久仁子さんが最後のコマで、鈴子ちゃんを抱き上げて「そういうことだったの!」と言っていますが、この「そう」が指しているのは、「ベルちゃんが未来から、遊びに来てくれていたのね」という、久仁子さんの「主観的な判断」「確信に近い想像」だと思います。 言い換えれば、 「ベルちゃんにはまた会う運命だったのね」 「ベルちゃんは私の幸せを運んでくれたのね」 と、久仁子さんの中ではいろいろ主観的な解釈が交錯していると思いますが、第3者の一読者としては、鈴子ちゃんが=ベルちゃんではないと感じています。恐らく作者も、「さて、あなたはどう解釈しますか?」と読者に疑問を投げかける気持ちで、このような結末にしたのではないでしょうか。 と、薀蓄が長くなってしまいましたが、以上のような理由で、幸せを運ぶ一人のエンジェルが、久仁子さんのそばにいればいいわけですから、当時は彼女のアパートに出没していただけだと思います。一方、新居の家で遊ぶことになる鈴子ちゃんは、鈴子ちゃんとしてこれから久仁子さんと生活していくので、ベルちゃんがまた戻ってくるわけではないのです。 と、断定的に終わりましたが、私の感想は決定的なものでないので、各読者が独自の解釈をされればいいと思っています。ちなみに、最近の彼女の作品の中では、「鬼」が印象的でした。少し前だと、「ハイド・パイパー」「負の暗示」などなど、他にも多数、、、、。彼女のことをフェミニズム漫画家と呼んでいます。 以上ご参考にまでに、、、、、。

noname#72618
質問者

お礼

回答ありがとうございます。 >鈴子ちゃんを抱き上げて「そういうことだったの!」と言っていますが、この「そう」が指しているのは、「ベルちゃんが未来から、遊びに来てくれていたのね」という、久仁子さんの「主観的な判断」「確信に近い想像」だと思います。 そういう考え方もありますね! 各読者がそれぞれの解釈を楽しんでいるのでしょう。 私が山岸作品の中でもっとも解釈できずにいるのが「夜叉御前」です。 今手元にないのでどの点を矛盾に感じたか忘れましたが、 「どういう解釈になるのかな、気になる~!」って思った記憶があります。

その他の回答 (4)

  • Parismadam
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回答No.5

No.2、4です。補足質問にお答えします。 ご質問1: <あれは”間もなく精神病院に入れられる”(この表現は現代においては適切でありませんが、作品発表当時の考え方として使いました)ということを示唆しているだけなのでしょうか?> ご想像の通りだと思われます。彼女は近親相姦の問題をたまに描きますが、中でも非常に奇異に思われるのが、被害者が被害者と思っていない少女が登場することです。そんな少女が世の中にいるのかな???と。 この作品も主人公がまさに、そういう人物です。被害者という自覚がないところは、精神が正常でないということでしょうね。先天的なのか後天的なのかは、作品から知る由はありませんが、、、。お母さんのいるところ=精神病院行きということになるでしょう。 ご質問2: <それと、何でお母さんが押入れに?とか、妻が押入れから見ているのを何で夫は気が付かなかったのか?とか。 まあ、この辺は蛇足ですが。> 彼女押し入れ好きですね(笑)。考えられるのは、 1.妻が知っていることを夫は本当に知らなかった 2.妻が知っていることはうすうす気付いていたが、知らぬふりをした 3.妻が知っていることはうすうす気付いていたが、妻の別れたくないという弱みにつけこんだ でしょうが、いずれも普通の浮気に通じる男の心理ですね。ま、彼の場合は犯罪になりますが、、、。あとは、読者の想像如何でしょう。個人的には、相当おバカそうな男ですから、1かなと思いますが(笑)。だから押し入れにいるのさえ、気付かなかったでしょうね、トロそうだし、、、。 ご参考までに。

noname#72618
質問者

お礼

解釈をどうもありがとうございました! とても楽しいです。 >彼女押し入れ好きですね(笑)。 子供の頃、押入れは怖かったです。何か出てきそうな雰囲気が。 山岸さんもそれを感じていたのでしょうか。 >彼女は近親相姦の問題をたまに描きますが そういえばそうですよね。 「星の素白き花束の…」「スピンクス」、あとタイトルはあやふやで自信がありませんが「狐火」「籠の鳥」なんかがそうですね。 「星の素白き花束の…」の少女は自分が被害者とは微塵も感じていませんね。

  • Parismadam
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回答No.4

No.2です。お返事を有難うございました。 夜叉御前、内容を覚えていますし、本棚にもあります。 また、疑問点を思い出されましたら、このご質問とは別に、 別途質問をご提示下さい。見かけると思いますので、その時 お返事できれば、回答差し上げたいと思います。

noname#72618
質問者

お礼

ありがとうございます! 夜叉御前について、一生懸命思い出してみました(笑) 今の時代においては一部はばかられると思われる表現を含むので、別質問を立てずにここで聞かせてください。 (記憶にあいまいな部分もあります。) あれは「主人公の女性(確か典子でしたか)が実の父と関係を持ち、実母が夫を殺し、典子も殺されそうになる。典子が生んだのは実父の子」ということを暗示したお話ですよね? 最後に確か「お母さんは毎日泣いたり笑ったりして暮らしているそうです。お祖母ちゃんは『もうすぐお母さんに会わせてあげる』と言います。」のような部分があったと思います。 しかし、自分を殺そうとした母に「会わせてあげる」は変ではないかなと感じていました。 あれは”間もなく精神病院に入れられる”(この表現は現代においては適切でありませんが、作品発表当時の考え方として使いました)ということを示唆しているだけなのでしょうか? それと、何でお母さんが押入れに?とか、妻が押入れから見ているのを何で夫は気が付かなかったのか?とか。 まあ、この辺は蛇足ですが。 よろしかったら解釈をお聞かせください。

noname#50811
noname#50811
回答No.3

そういえばそうですね。気づきませんでした・・・! 久仁子さんが何らかの縁を旦那さんの家族にもたらした結果、鈴子ちゃんが生まれたのかなぁ?と思いました。 もともとは久仁子に縁のある子供の魂か何かが、ずっと一緒にいたんじゃないかな とか。 ちょっとコワイ。 とはいうもののなんだかよく分からないですね(笑)

noname#72618
質問者

お礼

>もともとは久仁子に縁のある子供の魂か何かが、ずっと一緒にいたんじゃないかな とか。 >ちょっとコワイ。 これも山岸さんっぽいですね。 ちょっとコワイところも(笑) 回答ありがとうございました。

  • sinjou
  • ベストアンサー率13% (492/3662)
回答No.1

妊娠中に初めて出会った訳ですから、アパートで正しいのでは? 人間として出会うのは、結婚後の新居でしょうけんど。魂同士の出会いは、現在進行形で彼女のアパートって事では? 白眼子って、去年買ったのですが、山岸さん最高傑作に思いました。なんかいいですよね・・

noname#72618
質問者

お礼

回答ありがとうございます。 お礼が遅くなり申し訳ありません。 独身時代の久仁子さんがベルちゃんにであった時期は、後の義妹が妊娠してる時期だったのかもしれませんね。出産間近くらい? その辺の時間の経過ははっきり描かれているわけじゃありませんし。 山岸作品は心惹かれるものばかりです。

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