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少年法52条(相対的不定期刑)について

少年事件で、検察官送致、実刑判決となる場合の話です。少年法52条には 第1項 少年に対して長期三年以上の有期の懲役または禁錮を持って処断すべきときは、その刑の範囲内において、長期と短期を定めてこれを言い渡す。(以下但し書き略します) 第2項 前項の規定によって言い渡すべき刑については、短期は五年、長期は十年を超えることはできない。 第3項 (略します) とありますが、第1項の不定期刑は必ずどの案件にも適用されるというわけではないのでしょうか。 現に、5~7年程度の量刑の場合、不定期刑が適用されているのを結構見ますが、懲役10年を超えるような量刑の場合、あまり見受けられない(特に、マスコミ報道に取り上げられるような殺人事件)のですが、条文の解釈の仕方がいまいち分かりません。第2項の「長期は10年を超えられない」ということなのでしょうか。

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回答No.3

要するに、 1)とりあえず少年ということは忘れて、刑を決めてみる。 2)決めた刑が有期の懲役・禁錮で、上限が三年以上だったら不定期刑。 ということです。そして、 3)決めた刑の上限が十年を超えていたら、十年に引き下げる。 4)決めた刑の下限が五年を超えていたら、五年に引き下げる。 という処理をして、その範囲内で不定期刑を宣告するわけです。 > 懲役10年を超えるような量刑の場合、あまり見受けられない(特に、マスコミ報道に取り上げられるような殺人事件) 「あまり」ではなく「全く」ないのです。少年に対して言渡せる刑を簡単にまとめると、 1.犯行時18歳以上 死刑、無期刑、最長十年の不定期刑 2.犯行時18歳未満 無期刑(51条1項で死刑を緩和)、十年から十五年の定期刑(51条2項で無期刑を緩和)、最長十年の不定期刑 となります。したがって、十年を超える刑を言渡しているのは、「本当なら無期刑だけど18歳未満だったから緩和」というケースです。 #少年法の改正で、犯行時18歳未満で無期刑相当の事案の場合、51条2項の適用は裁判所の裁量となったので、2.で無期刑となるのは死刑を緩和した場合だけでなく、無期刑相当で緩和しなかった場合も含まれます。 ちなみに、 > 無期刑が相当の事案である場合は、 > 犯行時14歳~17歳の場合・・・無期刑を科すか少年法51条2項を適用して> 有期の定期刑を科すかを裁判所が判断(酌量減軽を施す場合は不定期刑) > 犯行時18歳~19歳の場合・・・無期刑(酌量減軽を施す場合は不定期刑) 酌量減軽を施すのであれば、その事案はそもそも有期刑相当の事案です。括弧内の記述は不要でしょう。

RUMI95
質問者

お礼

ありがとうございます。 意味が理解できました。実際は「犯行時18歳未満で無期刑相当」の案件なんですね。「無期刑相当であるので(懲役十余年を言い渡した)」という部分は聞かないので、疑問でした。 それにしても少年事件の場合、保護処分だったり、懲役十余年だったり、処分の差が激しいですね。検察官送致されるかされないかに寄ると思いますが。

その他の回答 (4)

  • youhei59
  • ベストアンサー率58% (14/24)
回答No.5

>それにしても少年事件の場合、保護処分だったり、懲役十余年だったり、処分の差が激しいですね。検察官送致されるかされないかに寄ると思いますが。 凶悪事件、特に原則逆送事件(故意の犯罪行為により人を死亡させた16歳以上の者のか事件)であっても、動機や犯行態様、事件の背景、精神状態、性格、年齢、反省状況、被害者との関係、関与の程度(主従関係)などにより、刑事処分以外の措置が相当と認められる場合は、検察官送致ではなく、少年院送致等の処分にできるとされていますからね。 ただ、最近では、被害者に落ち度が見られなかったり、凶悪者が際立つ事案では多くが検察官送致になっていますので、逆送されれば、明らかに長期刑が予想される事案では保護処分になることはほとんどありませんね。そういう意味である程度の線引きはできていると思いますし、保護処分と検察官送致の分水嶺というのも存在すると思います。 家族内の事件の場合、逆送されることは少ないようです。 ただ、裁判所によって判断は異なります。 たとえば最近ですと、奈良の家族放火殺人事件の16歳は中等少年院送致で、同じような事件である板橋両親殺害事件の当時15歳は懲役14年(51条2項による緩和)。また、札幌の姉殺害事件の19歳は中等少年院送致で、千葉の父親放火殺人事件の19歳は検察官送致になっていたりします。 原則逆送事件で、どのような事件がどのような処分(逆送後の処分も含む)になっているのかについては、法曹会から出版されている「改正少年法の運用に関する研究」という本を参照になればよく分かると思いますので、興味があればお読みください(といっても、大きな書店にしか置いていませんが)。

  • youhei59
  • ベストアンサー率58% (14/24)
回答No.4

年齢超過により、懲役10年余の定期刑が言い渡されることもありますよ。 少年に10年余の定期刑が言い渡されるのは51条2項による緩和の場合に限りますが、元少年に対しては、有期刑相当の事案で10年を超える定期刑が言い渡されることもあります。 ニュースの記事で、「少年に懲役15年」などとあれば、それは51条2項による緩和です。 「元少年に懲役15年」などとあれば、それは51条2項による緩和のほかに、年齢超過の可能性も考えられます。

RUMI95
質問者

お礼

ありがとうございます。 長い間の疑問でしたので、解決できて良かったです。 実際報道を見ていますと、凶悪事件でも(特に学校や家庭内事件の場合)中等(あるいは医療)少年院送致の決定であったり、そうかと思えば、懲役14年(など)の判決が出ていたりと、そもそもどの事件が無期刑相当なのか分かりにくい部分がありましたが、だいたい分かりました。ご丁寧な回答ありがとうございました。

  • youhei59
  • ベストアンサー率58% (14/24)
回答No.2

#1を少し修正です。 不定期刑は、基本的に、処断刑(法定刑に刑法上の加重減軽を加えたもの)が有期懲役刑であるときに言い渡されます。 もう少し平たく言うと、成人であれば有期の定期刑が相当である事案であるときに言い渡されます。 たとえば、傷害致死罪ですと、成人であれば、酌量減軽などがない限り、3年以上の20年以下の範囲内で「懲役○年(たとえば懲役6年、懲役10年、懲役15年、懲役20年など)」という有期の定期刑が言い渡されることになりますが、少年に対しては、「懲役○年~○年」という不定期刑が言い渡されます。 また、その短期は5年を超えてはならず、長期は10年を超えてはならないと規定されておりますので、少年に対しては、「懲役3年以上4年以下」、「懲役4年以上7年以下」、「懲役5年以上10年以下(=不定期刑の最高刑)」といった刑が言い渡されます。 強盗致傷罪や殺人罪などで有期懲役刑を選択する(相当とする)場合も同様です。 ただし、不定期刑は、「少年に対して」という文面が示すとおり、刑の言渡しのときにも20歳未満である者に対して言い渡されますから、判決時に既に20歳を超えている場合は、不定期刑ではなく、「懲役○年」という定期刑が言い渡されます(※ただし、この場合でも犯行時少年であったことは有利な事情になり得ます)。 なお、上記の年齢超過の場合を除いて、少年に有期の定期刑が言い渡されるのは以下の3通りです。 (1)無期懲役相当の事案で、少年法51条2項(無期刑の裁量的緩和)を適用する場合 (2)刑の執行を猶予するとき (3)処断刑の長期が3年未満である場合(法定刑が「1年以下の懲役」、「2年以下の懲役」などとなっている罪) で、質問への回答ですが、 >必ずどの案件にも適用されるというわけではないのでしょうか。 「成人であれば、有期の定期刑が相当の事案」に適用されます。 無期刑が相当の事案である場合は、 犯行時14歳~17歳の場合・・・無期刑を科すか少年法51条2項を適用して有期の定期刑を科すかを裁判所が判断(酌量減軽を施す場合は不定期刑) 犯行時18歳~19歳の場合・・・無期刑(酌量減軽を施す場合は不定期刑)

参考URL:
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9B%B8%E5%AF%BE%E7%9A%84%E4%B8%8D%E5%AE%9A%E6%9C%9F%E5%88%91
  • youhei59
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回答No.1

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9B%B8%E5%AF%BE%E7%9A%84%E4%B8%8D%E5%AE%9A%E6%9C%9F%E5%88%91 ↑の記事を参照下されば、大体ご理解頂けると思いますが、 不定期刑は、基本的に、処断刑(法定刑に刑法上の加重減軽を加えたもの)が有期懲役刑であるときに言い渡されます。 もう少し平たく言うと、成人であれば有期の定期刑が相当である事案であるときに言い渡されます。 たとえば、傷害致死罪ですと、成人であれば、酌量減軽などがない限り、3年以上の20年以下の範囲内で「懲役○年(たとえば懲役6年、懲役10年、懲役15年、懲役20年など)」という有期の定期刑が言い渡されることになりますが、少年に対しては、「懲役○年~○年」という不定期刑が言い渡されます。 また、その短期は5年を超えてはならず、長期は10年を超えてはならないと規定されておりますので、少年に対しては、「懲役3年以上4年以下」、「懲役4年以上7年以下」、「懲役5年以上10年以下(=不定期刑の最高刑)」といった刑が言い渡されます。 強盗致傷罪や殺人罪などで有期懲役刑を選択する場合も同様です。 ただし、不定期刑は、「少年に対して」という文面が示すとおり、刑の言渡しのときにも20歳未満である者に対して言い渡されますから、判決時に既に20歳を超えている場合は、不定期刑ではなく、「懲役○年」という定期刑が言い渡されます。 なお、上記の年齢超過の場合を除いて、少年に有期の定期刑が言い渡されるのは以下の2通りです。 (1)無期懲役相当の事案で、少年法51条2項(無期刑の裁量的緩和)を適用する場合 (2)刑の執行を猶予するとき で、質問への回答ですが、 >必ずどの案件にも適用されるというわけではないのでしょうか。 「成人であれば、有期の定期刑が相当の事案」に適用されます。

参考URL:
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9B%B8%E5%AF%BE%E7%9A%84%E4%B8%8D%E5%AE%9A%E6%9C%9F%E5%88%91

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