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黒鉛とダイヤモンド

chan008の回答

  • chan008
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回答No.1

黒鉛もダイヤモンドも炭素の結晶型なのですが、原子の結合のし方が異なります。わかりやすいように簡単に説明しますと、一つの炭素原子は最大で4つの隣り合った原子と結合をすることができます。すなわち、隣の原子とくっつくために、4つのフリーに動ける電子がある、と考えてください。ダイヤモンドは一つの炭素原子のまわりに4つの炭素原子が正四面体の配置で結合をしています。このときの結合状態はシグマ結合といい、互いの原子に含まれる電子をその原子間で共有しています。ですから、電子はその原子間以外のところを動くことはできません。(動かすにはかなりのエネルギーが必要となります)ですから、ダイヤモンドは通常は電気を流しません。黒鉛では、炭素原子は隣り合った3つの炭素原子とはダイヤモンドの場合と同じ結合をします。その結果、六角形が沢山つながった網のような平面の構造になります。で、その平面が沢山積み重なった格好になっています。そうすると、のこりの1個の「手」が余りますよね?この一個の手はくっつく相手がいないので、平面の上下に宙ぶらりんになっています。その結果、平面に含まれる炭素原子の全ての余った手が束になって、パイ結合と言うくっつき方を作り、まるで平面上に電子の雲を作ったようになります。したがって、この結合に含まれる電子は六角形の平面中をどこでも自由に動き回れるので、黒鉛は電気が流れるわけです。なお、平面同士の積み重なりは一種の静電気のような力でくっついています。したがって、電気は平面にそった方向では非常によく流れますが、積み重なり方向ではあまりよくは流れません。したがって、トータルでの電気伝導度は、金属よりは小さくなる、というしくみになっています。 もし、演習問題などの解答として必要なら・・・、 「ダイヤモンドは一つの炭素原子の周りに4つの炭素原子が正4面体配置をした、sp^3共有結合をしており、その結果、各原子中の電子が動ける範囲は隣同士の原子間に限られるため電導性は低い。これに対して、黒鉛は、一つの炭素原子の周りに3つの炭素原子が正三角形の形で配置し、sp^2結合を有した六角網面層の積層構造を形成している。その結果、網面上のパイ電子は層面の中を自由に動くことができるので、電導性がある。」

gon73
質問者

お礼

大変詳しい説明ありがとうございます。良く分かりました。ありがとうございました。

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