• 締切済み

s軌道1個、p軌道3個、d軌道5個… となる理由は?

s,p,dなどの軌道は、(半径方向以外の)ノードの数によって分類されているようですが、ノードの数が同じならばエネルギーも同じと見てよいのでしょうか? また、ノードなしのs軌道やノード1個のp軌道はまだ分かりますが、ノード3個のd軌道が5つしかない理由がよく分かりません。 4つ葉型の3つはxyzに対し対称ですが、残りの2つは対称形になっていません。線形結合すれば同じになりそうな気もするのですが、だとしたらなぜ4つ葉型は3つあるのにこちらは2つで全範囲をカバーできるのでしょうか? ノードの形はこの5つの他に考えられないのでしょうか?

みんなの回答

回答No.2

疑問に思われていることのほとんどは、構造化学(あるいは量子化学)の最初に「これ化学じゃなくて物理か数学だよ」という感想を抱きながら習うところの内容ですね。 ひょっとして、大学では有機化学や生化学の講義ばっかりで、量子化学の講義が無かったのでしょうか? 角運動量量子数、独立な波動関数(波動ベクトル)の数、波動関数の形状、極座標表示は全て量子化学で習う内容です。 ちなみに波動関数の数式は実際には極座標表示されます。 これは質問者さんも私も、動径方向(rの関数)と、角度方向(シータ、ファイの関数)を別々に扱っていることからも、明らかではないかと思いますが。 独学で理解するのは大変かもしれませんが、物理学や数学で微分方程式とその解法を習得されているのなら、自分で教科書を読むこともできます。 古い本ですが、裳華房の基礎化学選書12 量子化学 原田義也 をおすすめしておきます。 総合的な物理化学の教科書だと、数式の操作があまり載っていなかったりしますので、量子化学の入門書の方が良いです。

SortaNerd
質問者

お礼

そうですね… 一応教養として初年度に色々詰め込まれましたが、理解もあやふやなまま機械系に行ってしまいました。 どうも数式は苦手です。 最近化学屋の友人と雑談していてふと昔の疑問がよみがえってきた次第で。 >裳華房の基礎化学選書12 量子化学 原田義也 探してみます。ありがとうございました。

回答No.1

一つ目の質問ですが、全ノード数が同じなら、という意味でしょうか? 電子一つしかない水素様原子なら、軌道エネルギーは主量子数だけで決まるので、確かにそうなります。 2s = 2p, 3s = 3p = 3d ですね。 しかし一般の原子だと角運動量子数に依存しますので、主量子数が同じでも角運動量子数が大きい軌道の方がエネルギーは高くなります。 質問にある”ノード”が、動径部分のノードを除いた後の数を比較しているのなら、確かにそういう風に表現することもできるでしょう。しかし、2px = 2py = 2pz, 3dz^2 = ... = 3dx^2-y^2ということを言っているだけなので、あらためて別の表現をする必要も無い気がしますが。 2つ目の質問ですが、まずノードの数の解釈がごっちゃになっていませんか? 質問からすると、動径方向のノードの数を除いて比較されているようですが、それだとd軌道は2個になりますよね?もちろん、主量子数が同じなら全ノード数は共通なので、3s,3p,3dのノードは全て2個ずつです。 また軌道の対称性についてですが、d軌道の形は全てD2hの対称性を持っています(3dz^2だけはD(無限大)hですが)。もちろん、これらの線形結合で他の形状の軌道も作ることができます。しかしそうやって作成した軌道は、結局はもともとの3d軌道の混ぜ合わせでしかありません。 線形代数の言葉で言えば、もとの3d軌道は独立なベクトルである、ということです。

SortaNerd
質問者

お礼

詳細な回答ありがとうございます。 そしてそれを理解するのに時間がかかったため、返答が遅くなってしまってすいません。 >動径部分のノードを除いた後の数 動径部分のノードというのは球形になっているほうのノードのことですよね。はい、その比較です。 >あらためて別の表現をする必要も無い そうでしたか。ただ、私の疑問としては、 例えば3d軌道で1つだけ違う形をしているdz^2も同じエネルギーというのが感覚的に納得できないのです。高次の軌道になってくるとさらに複雑怪奇です。 「角運動粒子数」というものの意味もよく分かりません。 >d軌道は2個 すいません、書き間違いです。 軌道の対称性について、解説ありがとうございます。おかげで疑問がはっきりしました。 d軌道に関して、 ・なぜ独立なベクトルの数は5つなのか。s,p,d...軌道に対して1,3,5...(あるいは全ノード数0,1,2...に対して1,4,9...)となるのは何かの式から導けるのか。 ・そのベクトルに対応する軌道の形が、なぜ一つ(dz^2)だけ他と異なるのか。 ・関連して、軌道の形の表現は通常見る5種類の形の組以外にないのか。(例えばデカルト座標に対する極座標のような全く違った表現方法)

関連するQ&A

  • 電子軌道について(3d軌道)

    電子軌道には電子数が増えるにつれて1s 2s 2p 3s 3p 3d・・・と埋まっていきますよね? 大学の授業ではその際に↑↓を軌道に書いて説明していました。 そのため私は低いエネルギーから順々に埋めていってくように認識していました。 ただ、3d軌道を見ると・・・例えばCoなどは3d軌道に7個の電子が入っていますよね? つまり、4s軌道に先に入っています。これは何でなのでしょうか? また、Wikipediaの表を見てみると、その4s起動の電子が1個になったりしており、 その理由も知りたいです。 教えてください。

  • s軌道とp軌道のエネルギーの違い

    s軌道とp軌道のエネルギーの違いが生じる理由について教えていただけないでしょうか。 例えば、ナトリウムは3p-3s間でD線の発光をしますよね? このとき、スピン軌道相互作用によって3p準位が2つに分裂して D線は2本観測されると書籍にはあります。 しかしながら、3sと3pでは主量子数n=3で共通なので、3sと3pのエネルギー準位は一致し、そもそも発光が起きないように思えてならないのです。 私は、3sと3pはlの値のみが異なっており(l=0とl=1)、磁場をかけてゼーマン効果が生じない限り2つのエネルギー準位に差はないのでは、と思っています。 実際には発光が起きているので私の考え方が間違っているはずなのです。 s軌道とp軌道のエネルギーの違いが生じる理由、及びナトリウムにおいて3sと3p間で発光が生じる理由を教えていただけないでしょうか。

  • sp3d混成軌道について

    こんばんは。 [SiF6]2- のSiの軌道はsp3d混成軌道になるらしいのですが Fを6つ結合できるようにするために 3s、3p×3、4s×1、3d×1を使うのかと思って s2p3d軌道??とよくわからなくなってしまいました。 どの軌道を混成するのですか?

  • 共有結合の軌道間相互作用

    等核二原子分子B2,C2;,N2等では2s軌道と2p軌道のエネルギー差が小さく、その相互作用が分子軌道のエネルギー準位に大きな影響を与える。 つまり2s軌道由来(2s-2s)のσ結合、2p軌道由来(2p-2p)のσ結合に、2s-2pのσ結合が影響する。 この時、エネルギーの低い2s軌道由来のσ結合、σ*結合はエネルギー準位が押し下げられ、2p軌道由来のσ結合、σ*結合はエネルギー準位が押し上げられる。 以上が無機の教科書で述べられていることなのですが、「この時」以降の意味がわかりません。何方かご教授願います。

  • p軌道のシグマ結合について

    2つのp軌道がπ結合している例としてエテン(エチレン)はよく見かけるのですが、p軌道どうしがのシグマ結合している化合物の例としてどのようなものがありますか? ついでに”sとpの混成軌道”と”p軌道”がシグマ結合することは(している化合物は)ありますか? よろしくおねがいします。

  • 元素周期表ではs軌道のみの列が1列、s&p軌道が2

    主量子数2の軌道は全部で4つある ( s 軌道が1個と p 軌道は3個 ) ので、電子を8個収容できる。 主量子数3の軌道は全部で9個ある ( s 軌道が1個と p 軌道が3個と d 軌道が5個 ) ので、18個の電子を収めることができる。 ------------------ 周期表を見ると電子を8個収容する列が2つありますが、p軌道3つが2つ存在するということになっているのでしょうか。陽子同士はそんなに離れていないと思うのですが、どのようにして可能なのですか? また、f軌道は4次元となると思いますが、空想上のものでなく、本当に存在しているのですか? p軌道のように観測によって確かめられたことはありますか? 化学とても久しぶりです。 わかりやすく教えて頂けると助かります…

  • 原子軌道

    第4周期の中性原子の原子軌道に電子が入る順番を見ると、エネルギー準位が3p<4s<3dの順に大きくなり、電子はエネルギー準位の小さい順に軌道に挿入されていきます。 ところが、電子を放出してイオンになるとき、4s軌道から抜けていくので、まるで3p<3d<4sに軌道エネルギー準位が変化したように見えます。 これは、なぜでしょうか。貫入や有効核電荷の点から説明がつきそうでつきません。分かりやすく教えていただけると幸いです。

  • 原子の電子軌道半径について

    常識的に考えて電子はもっとも低いエネルギー(つまり原子核に近い位置にある軌道)から順に埋まっていき、s→p→d→fと軌道を占有していくものだと思っていたのですが、 先日、d軌道の方がs軌道よりも小さいということを教えてもらいました。 これってどういうことなのでしょうか? s→p→d→fという順番で軌道が小さくなるということなのでしょうか? d軌道の方がエネルギーを持っているので原子核近くまで近づけるということなのだと思うのですが、軌道が小さいのでしょうか?それとも原子核近くから最外殻まで大きく広がっているのでしょうか? またp軌道はs軌道よりも大きいのか小さいのかどちらなのでしょうか? これはどういう文献を見ればよいのでしょうか?

  • 多原子電子では2s軌道よりも2p軌道のほうがエネルギーが高くなるのはなぜ?

    物理化学の問題なのですが、 題名のとおり、多電子原子では2s軌道よりも2p軌道のほうがエネルギーが高くなるのはなぜですか? 遮蔽効果が関係すると思うのですが、いまいちわかりません。 ご教授ください。

  • ダイヤモンドの価電子帯はどの軌道から出来ているのでしょうか?

    固体中で多数の原子軌道が重なり合うことで、エネルギーバンドが形成することの説明の一つとして、隣接する原子どうしの軌道の重なり方によって最も結合的なものから反結合的なものまでエネルギー準位が分裂し、 たとえばS軌道でいえば + + + + + + + + … のようなものが最低エネルギーで、 + - + - + - + - … が最高エネルギーを取る、というものがあります。 それぞれの軌道のエネルギー準位は節の数が増えるにしたがって上から下まで連続的に並んでいると理解しています。 一方で、例えばC2分子は、2つのC原子が持つ軌道が混成して結合性軌道と反結合性軌道を作り、そのうち電子は結合性の軌道のみを埋めるとすると、これをダイヤモンドに拡張したとき、電子が2sp3混成軌道からできるバンドのうち、結合性の軌道のみを埋めていて、反結合性軌道は空軌道となっていると思うのですが、その間にバンドギャップが存在する、というのが上の説明とはどうもうもうまくかみ合わない気がするのですが・・・ ダイヤモンドの価電子帯はどの軌道によって出来ているのでしょうか?