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ミトコンドリア・イブは1人?
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>ミトコンドリア・イブは一人だと言うのは正しいのでしょうか? ミトコンドリア遺伝子の解析結果から人類のアフリカ単一起源説を提唱したアラン・ウィルソン博士は、そう考えていました。 もっとも彼自身注意を促していたように、これは人類がたった一人の女性から始まったということを意味しているわけではありません。最低でも数十~数百人のコロニーが存在しなければ、種として存続することができないからです。 おそらく、人類が類人猿から分岐した当初は、限られた数の血縁関係で結ばれた個体があつまってコロニーを作っていたと考えられます。例えば、その中のある女性に男の子しか生まれなければ、その女性のミトコンドリアを受け継ぐものはいなくなります。当時は平均寿命は極めて短かったので、子供を残さないで死んだ女性もたくさんいたでしょう。長い年月の間に、結局コロニーの個体全部が、同じ起源のミトコンドリアを持つもので占められるようになり、やがてこのコロニーの一部が、各地に分散していったということなのです。 No.2の回答にある「数名に辿り着けそうだ」というのは、オックスフォード大学のブライアン・サイクス博士らの研究による「ヨーロッパ人は、イブの子孫の中の7人の女性に起源を持つ」ということを誤解されているのではないでしょうか。ちなみに、日本人の95%は9人の女性から生まれているそうです。 >ミトコンドリア・イブのミトコンドリアは生き残っていけるような特殊なものだったんでしょうか? その可能性が無いわけではありません。類人猿が人類に進化する過程で起きた変化の一つは、寿命が著しく延長したことですが、今年のサイエンス7月15日号に、老化をミトコンドリアがコントロールしているという論文が掲載されました。この論文ではマウスを用いていますが、例えばヒトとチンパンジーのミトコンドリアを比較してみれば、なにか違いが見つかるかもしれません。もっとも今のところ、なぜ単一起源のミトコンドリアになったのかは、ほとんど議論の対象になっていませんが。
その他の回答 (5)
面白そうなので参加させてください。 元記事(Nature, vol 325, p 31-36) を見てみました。内容は「5地域から147人をサンプリングして、DNAの変化率を見たら、アジアやヨーロッパのDNAもアフリカ系から分かれて変化していったのではないかと予想される」いうことに過ぎません。(これだってすごい大発見ですが。。。)これが、人類アフリカ起源説に一致したものでセンセーショナルに紹介され、「ミトコンドリア・イブ」という言葉が一人歩きし、あたかもイブ(という名前かどうかはさておき)という女性がいたかのように広まってしまったのではという気がしないでもないです。確かに元記事にもおおげさに一人のイブがいたのかもとありますが、あくまでも比喩だと思います。あくまでも人類のアフリカ起源説をバックアップするひとつの説として、一人の女性としての「ミトコンドリア・イブ」にはこだわらないことをおすすめします。
お礼
回答ありがとうございます。 良く分かっていないまま、一人歩きしているということかもしれませんね。
- Tacosan
- ベストアンサー率23% (3656/15482)
え~と, 多分「ミトコンドリア・イブのミトコンドリアが生き残った」のは, そのミトコンドリアが有利だったとかそんな高尚な理由があるわけではなく, 単に「偶然生き残った」んだと思います. この手の話はミトコンドリアに限らないわけで, Y染色体でも男女は逆になるものの同じように遡っていくと極少数の先祖に限定されますし, (名前の) 名字についても同じような傾向があるようです.
補足
偶然というと、すべて偶然で片付けることが出来てしまうと思うのですが… そう考えると、ミトコンドリアDNAの研究対象となった人たちが偶然同じ祖先だったという可能性もあることになります。 「偶然」というのは、「原因不明」と同じ意味の言葉だと思います。もちろんほんとに原因など無く偶然でそうなってしまったこともあるでしょうが… しかし、名字などのことを考えると、ひょっとしたら数学的に考えられるのかもしれませんね。陣地取りのように、ある程度のパーセンテージまで寡占したグループが強くなって、最終的に100%までいってしまうとか。この場合、どのグループが寡占になるかは確率的には平等で、確率の揺らぎによって、たまたま、ある閾値を超えてしまったグループのみが100%になるとか。偶然だとすると、DNAの突然変異と自然淘汰で説明するのではなく、ライフゲームや相転移などのように、シミュレーションで説明する必要があるのかもしれませんね。
ミトコンドリアは細胞質経由で遺伝しますので母親からしか遺伝しません。 従いまして質問者様のミトコンドリアDNAは質問者様のお母様由来のものであり、 質問者様のお母様のミトコンドリアDNAは質問者様の母方のお婆様由来のものであります。 つまり、ミトコンドリアの遺伝は全て母親由来であり、 間に父親が入ると(例えば質問者様の父方のお婆様のミトコンドリアDNAのように)、 核ゲノムは遺伝しますがミトコンドリアDNAは遺伝していかないのです。 ミトコンドリア・イブとは全ての人類の母方の祖先を辿って行くと 一人の女性に辿り着くかもしれないという話です。 一度でも父方になると分解されて遺伝しないという ミトコンドリアDNAの特殊な性質によるものです
補足
ミトコンドリア・イブ以外のミトコンドリアDNAがなぜ生き残っていないのか不思議です。 ミトコンドリア・イブのミトコンドリアは生き残っていけるような特殊なものだったんでしょうかね?
- xcrOSgS2wY
- ベストアンサー率50% (1006/1985)
「数名に辿り着けそうだ」という研究報告はありましたが、「1人のようだ」とする研究は存在するのでしょうかね?
補足
数名だとしても、なぜその数名が同じミトコンドリアDNAを持っているのかというのは、分かっていないんでしょうかね? まぁミトコンドリア・イブの話は分子生物学の観点からだけの説で、古生物学との折り合いはついていないのかもしれませんね。
- 6dou_rinne
- ベストアンサー率25% (1361/5264)
ミトコンドリアは女性経由でしか遺伝しません。精子由来のミトコンドリアは分解されてなくなってしまいます。 ミトコンドリア・イブというのはミトコンドリアの系統をたどっていくとひとりの女性にいきつくということであって、核の遺伝子とは違います。 ですから、メス1匹だけいればOKということではありません。
補足
ミトコンドリアDNAが卵子からしか遺伝しないというのは、理解しているのですが… 次のようなことが起こったとすれば理解できるのですが、どうなのでしょう? ミトコンドリア・イブの生きているときに淘汰が起こったのではなく、 ミトコンドリア・イブの子孫達は、ミトコンドリア・イブの子孫でないものたちと交配可能で、それぞれが混血したまま、個体数を増やしていく。 ミトコンドリア・イブの子孫達が、ある程度の個体数になってから、ミトコンドリア・イブの子孫でないものたちが全滅する、もしくは交配不可能な別の種になる、ような事件があった。 しかし、これでは上の事件で生き残るかどうかを分けた核の遺伝子が精子によって遺伝してしまうと、この仮説は成り立たなくなってしまいます。 つまり、核の遺伝子の多様性を保ちながら、ミトコンドリア・イブの持っていた核の遺伝子以外を淘汰するようなことは可能なのか?ということです。 上では淘汰は核の遺伝子の違いによって起こったと仮定しましたが、そうではなく、ミトコンドリアDNAの違いによって淘汰されたとすれば、納得できます。例えばミトコンドリア・イブ以外のミトコンドリアを破壊するような病気が広まったとか…
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回答ありがとうございます。 良く分かっていないまま、一人歩きしているということかもしれませんね。