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井戸水のにごり
工業用水として、井戸水を使用しています。(工業用水法に基づき正式に使用申請している井戸)先般より、隣接する工場が高いビル(7階建て)の建築を行い、おそらくそのことが原因で井戸水に濁りが生じ、使えない状態になっています。 この問題について、隣接する工場に対して補償交渉をすることは可能でしょうか。可能な場合、その法的根拠となる法律の条文を教えてください。よろしくお願いします。
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工場などから排出される汚染物質を直接的に規制する法律に水質汚濁防止法があります。 この法律は度重なる改正で、無過失損害賠償制度(ある程度状況証拠がそろえば、企業に 過失がない場合であっても 生じた損害に対し企業が損害賠償責任を負う)を導入してお り汚染原因の企業を告発する事が比較的容易になっています。 一般に、権利を主張する側が立証責任を負います(過失責任の原則)が、無過失損害賠償 制度においては、立証責任の転換が図られ 損害を与えた側が、自分の責任ではないとい う時に因果関係を否定する立証責任を負います。 また、土壌汚染対策法(2003年2月15日施行)において、健康への被害が生じる恐 れがあると都道府県知事が判断した場合、当該土地の所有者等に対し、汚染の疑いがある 土地や、周辺で地下水汚染が見つかった土地の土壌汚染の状況について、指定調査機関に 調査させて、その結果を報告すべきことを命ずることができます。(4条調査) 措置命令を受けて土地の所有者等が汚染の除去等を講じたときは、汚染原因者に対し、こ れに要した費用を請求することができます。 >隣接する工場が高いビル(7階建て)の建築 >を行い、おそらくそのことが原因で井戸水に >濁りが生じ、使えない状態になっています。 「井戸水に濁りが生じ(た)」原因が、単に「高いビル(7階建て)の建築」にあるのか、 廃棄物の不法投棄や工場排水の垂れ流しによるのかで対応が変わってきます。 工業用水として井戸水を管理し、その使用料の支払いを受けている役所に状況を説明して、 「井戸水に濁りが生じ(た)」原因を調査してもらい、必要な対応を要請すべきです。 >この問題について、隣接する工場に対して補 >償交渉をすることは可能でしょうか。可能な >場合、その法的根拠となる法律の条文を教え >てください。 ご質問の内容からでは、重要な前提条件において 不確定要素や不明確な部分があり、断 定的回答に限界があります。 よって、多分に推測を含んだ状況での回答になります。 「隣接する工場」と「井戸水に濁りが生じ(たこと)」との因果関係が明らかになり、 土地工作物責任(民法717条)『工作物の設置または保存に欠陥があることによって他人 に損害を生じたときは、占有者又は所有者が責任を負う』生活妨害・公害の責任などの特 殊な不法行為の成立要件を満たしていれば、工業用水が使用できないために生じた損害や 逸失利益を賠償請求するための法律構成や理論構成は可能であると考えられます。 しかしながら、本件のような企業の逸失利益に対する賠償責任については、学説・判例と もに意見が多岐にわたるため、大変難しい問題です。様々な学説・判例を照らし合わせて、 総合的に判断することが必要になります。 【参考法律】 ○土地工作物責任(民法717条) 土地の工作物の設置・保存に瑕疵(欠陥)があってその瑕疵(欠陥)によって第三者に損 害を与えたとき、土地の工作物の占有者(使用者)に損害の発生防止について過失がなかっ た場合は、土地の工作物の所有者が賠償責任を負う。 ○水質汚濁防止法(1970年12月25日 法律第138号) http://www.tuat.ac.jp/~jaes/envres-j/laws/a970138.html 第一条(目的) この法律は、工場及び事業場から公共用水域に排出される水の排出及 び地下に浸透する水の浸透を規制するとともに、生活廃水対策の実施を推進すること等に よつて、公共用水域及び地下水の水質の汚濁(水質以外の水の状態が悪化することを含む。 以下同じ。)の防止を図り、もつて国民の健康を保護するとともに生活環境を保全し、並 びに工場及び事業場から排出される汚水及び廃液に関して人の健康に係る被害が生じた場 合における事業者の損害賠償の責任について定めることにより、被害者の保護を図ること を目的とする。 第十二条(排出水の排出の制限) 排出水を排出する者は、その汚染状態が当該特定事 業場の排水口において排水基準に適合しない排出水を排出してはならない。 第十二条の三(特定地下浸透水の浸透の制限) 有害物質使用特定事業場から水を排出 する者(特定地下浸透水を浸透させる者を含む。)は、第八条の総理府令で定める要件に 該当する特定地下浸透水を浸透させてはならない。 第十九条(無過失責任) 工場又は事業場における事業活動に伴う有害物質の汚水又は 廃液に含まれた状態での排出又は地下への浸透により、人の生命又は身体を害したときは、 当該排出又は地下への浸透に係る事業者は、これによつて生じた損害を賠償する責めに任 ずる。 2 一の物質が新たに有害物質となつた場合には、前項の規定は、その物質が有害物質と なつた日以後の当該物質の汚水又は地下への浸透による損害について適用する。 (一部抜粋) ○土壌汚染対策法 http://www.pref.chiba.jp/syozoku/e_suiho/7_tikasui/7_dojo_hou.html 1 目的 土壌汚染の状況の把握に関する措置及びその汚染による人の健康被害の防止に関する措置 を定めること等により、土壌汚染対策の実施を図り、もって国民の健康を保護する。 2 土壌汚染状況調査 土壌汚染の状況を把握するため、汚染の可能性のある土地について、一定の契機をとらえ て調査を行う。 (1)使用が廃止された有害物質使用特定施設に係る工場又は事業場の敷地であった土地 の調査 使用が廃止された有害物質使用特定施設に係る工場又は事業場の敷地であった土地の所有 者等は、当該土地の土壌汚染の状況について、環境大臣が指定する者(指定調査機関)に 調査させて、その結果を都道府県知事に報告しなければならない。(土地利用の方法から みて人の健康被害が生ずるおそれがない旨の都道府県知事の確認を受けたときを除く。) (2)土壌汚染による健康被害が生ずるおそれがある土地の調査 都道府県知事は、土壌汚染により人の健康被害が生ずるおそれがある土地があると認める ときは、当該土地の土壌汚染の状況について、当該土地の所有者等に対し、指定調査機関 に調査させて、その結果を報告すべきことを命ずることができる。 4 土壌汚染による健康被害の防止措置 (1)汚染の除去等の措置命令 [1] 都道府県知事は、指定区域内の土地の土壌汚染により人の健康被害が生ずるおそれ があると認めるときは、当該土地の所有者等に対し、汚染の除去等の措置を講ずべきこと を命ずることができる。 [2] 汚染原因者が明らかな場合であって、汚染原因者に措置を講じさせることにつき土 地の所有者等に異議がないときは、[1]によらず、都道府県知事は、汚染原因者に対し、 汚染の除去等の措置を講ずべきことを命ずることができる。 (2)汚染の除去等の措置に要した費用の請求 (1)[1]の命令を受けて土地の所有者等が汚染の除去等の措置を講じたときは、汚染原 因者に対し、これに要した費用を請求することができる。 5 指定調査機関 土壌汚染状況調査の信頼性を確保するため、技術的能力を有する調査事業者をその申請に より環境大臣が指定調査機関として指定する。 (一部抜粋) 以上参考まで。
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ピンポイントの回答ではなくてすいません。 法的根拠となる法律の条文とかは、私には分からないのですが・・・ >おそらくそのことが原因で井戸水に濁りが生じ、使えない状態になっています。 の部分について まず、隣接の工場がビルを建設した(建設中?)ことと、 井戸水の濁りとの関連性を証明できる様にしましょう。 「おそらく」では、相手もなかなか認めないのでは?
お礼
ありがとうございます。 地下の話ですから、因果関係を調べるとなるとかなり本格的な調査が必要と 思われます。そこで、相手先と協議をした際にどの程度 弊社に分があるのか というのを事前に知りたく、ご質問させていただいた次第です。
お礼
懇切丁寧な説明、ありがとうございました。 工場の井戸は、地盤沈下防止を目的として 市役所へ届ける必要はありますが、 いったん届け出をして認められれば、 ポンプ動力だけでほぼ無償に近い形で工業用水を得ることが できます。ただで使えたものが、使えなくなることに対して 請求する権利が生じるのかどうか、弊社工場内で意見が分かれていましたが 文句がいえそうですね。勝算があるのであれば、費用をかけて事実調査が出来ます。 公害指定物質が混入するわけではないので、汚染ではありません。 地面の掘り返しにより、地面の濾過効果がおかしくなったものと推定しています。