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【著作権】展示権者が展示をするときに所有権者がNOといったら?
著作権者は美術の著作物の原作品を公に展示する権利を持っています。 一方で、その原作品の所有者はその原作品を著作権者の許可なしに、一定の範囲で、公に展示することは許されます。 では、その原作品の画家(製作者)がその原作品に関する著作権と所有権を別々の人に譲渡した場合に、著作権者が公に展示しようとして所有者に原作品の無償貸与の申込をしたとしたら、所有者は所有権に基づきNOという事は可能でしょうか? 著25条の 著作者はその美術の著作物又はまだ、発行されていない写真の著作物をこれらの原作品により公に展示する権利を占有する。 の文言を見る限り、所有者は著作権者の要請を断ることはできないようにも思えます。如何でしょうか? 出来ましたら、法的根拠と共にお願いします。
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明文上での根拠はありませんが、基本的に、著作権は所有権者に対し何かを請求できるという権利ではありません。たとえば、複製権は著作物の複製物の所有者に複製を求める権利ではありませんし、貸与権によって、所有者から第三者に貸与するよう求めることもできません。 同様に、展示権についても所有者に展示を求めることはできません。 展示権について特に御不審なのは、この権利の適用範囲がたいへん狭いことによるものだと思います。「所有者」と「その同意を得た者」は著作権法45条1項により、同条2項に定める場合を除いて展示できるわけですから、実際に権利行使できるのは、同条2項に定める屋外展示の場合に限られます。それにしても、46条で利用を許す規定がある代わりに権利行使の機会を与えたに過ぎないと見ることもできるでしょう。 もう1つの権利行使の機会としては、所有者の同意を得ずに展示が行われた場合、所有者とともに、著作権者(展示権者)も展示した者に損害賠償請求ができるということがあるでしょうか。
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45条読んだ?
補足
はい。45条も読んでみました。45条では、原作品の所有者はその原作品を著作権者の許可なしに、一定の範囲で、公に展示することができる(つまり、所有者の展示の場合は一定範囲で展示権は制限される)旨書かれています。 しかし、45条には、逆に、「展示権者が展示をしたいときには所有権を一定の範囲で制限できるか」には触れていないので、解釈に苦しんでいます。
- utama
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展示する権利というのは、あくまでも自分の占有している作品を展示する権利であり、他人の占有している作品の引渡しを求めるようなところまでは含まれません。 明文で示せるような法的根拠はないですが、所有権という絶対的な権利の中でも中心的な占有権を明文の根拠無しに排除するような解釈をすること自体が不自然です。
お礼
有難う御座います。
補足
なるほど、著45条には所有権に基づき展示権を制限する旨の記載があるので、展示権は制限される。 逆に、展示権に基づき所有権を制限する明文の規定がないから、所有権は制限されない。 大変解り易い明瞭簡潔な説明有難う御座います。 そうすると、展示権とは、著作権という財産権の一つでありながら、所有者の了解なしには、財産権の使用・収益すらままならない、いわば、使用権原を含まない、禁止権であるということになるのでしょうか?
お礼
>この権利の適用範囲がたいへん狭いことによるものだと思います。 はい。仰る通りです。他の著作支分権(著28条含まず)はみんな使用権原を持つのに展示権のみ使用権原を持たないことに違和感を覚えました。 しかしながら、所有権(占有権)を一定の範囲で制限する旨の明文の規定が無い以上、展示権は使用権原を持たぬものとして理解するしかないようです。 有難う御座いました。