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二酸化窒素の電子配置
窒素の電子配置は、不対電子が2p軌道に3個ですが、二酸化窒素や一酸化窒素は、具体的にどの電子が共有結合しているのでしょうか。 実は高校のときから疑問に思っていたのですが、ふと思い出してしまったのでここでお聞きしたいと思います。 よろしくお願いいたします。
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そうですね、確かに大学初歩までの有機化学では開殻系(不対電子がある分子)はあまりやらないので、違和感はあるかと思います。 でも、身近な酸素分子もビラジカル(不対電子を2個持つ分子)ですよ? ルイス構造式だけで考えると、酸素の間に三重結合でいいじゃないか、となるかもしれないですが、実際の酸素分子は、酸素原子間に二重結合で、両方の原子が不対電子を1個ずつ持ってます。 なんでそうなるの?というのは多分大学用の有機化学か物理化学の本の最初の方に書いてあると思います。 酸素は人間から見ると欠かせないし、普通な化合物に思いますが、実際に化学をやってる人間からすると、ものすごく反応性が高く、いろんな実験を邪魔してくれる嫌な奴です。この反応性の高さは、上述したようなビラジカル構造によるものです。なので一般には開殻系分子は反応性は高いです。 と、一概にも言えません。というのは、ちょっと特殊な例になりますが、ニトロキシドという官能基(N-O)も、酸素原子上に不対電子がありますが、普通に空気や水に対して全く安定です。
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- covalent
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きちんと質問に答えてなかったので補足します。 No.3にも書いたとおり、混成軌道を形成するので量子論的に言っても、どの電子が共有結合しているというのは言えません。 あまり量子論は詳しくないのですが、混成軌道を形成しなくても、電子というのは個々を区別することはできないので、どの電子がということは有り得ないと思います。
- covalent
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高校で習ったかどうかわかりませんが、共有結合はそのまま2p軌道を用いるのではなく、混成軌道というものを形成します。 混成軌道というのはs軌道とs軌道よりエネルギーの高いp軌道を合わせて、その中間で、同じエネルギー順位の軌道を作ることです。 私は大学の有機化学の初期で習いましたが、炭素原子については結合角109.5度のsp3混成軌道(単結合)や、sp2(二重結合)、sp(三重結合)混成軌道となります。 炭素原子とは少し異なりますが、窒素原子においても同じような混成軌道を形成します。 詳しくは大きい本屋さんの化学のところにある、有機化学の専門書を読んでください。 おすすめは、ハート著「基礎有機化学」です。
お礼
ありがとうございます。混成軌道について調べてみました。 調べてみると、炭素原子(というかメタン)についての記述が多かったです。 でも、メタンの場合、それで最外殻が全部埋まって閉殻になっているから、安定なのはまぁ わかるのですが、二酸化窒素や一酸化窒素はどう考えても最外殻を埋めることができないので、 それでも本当に安定なのか疑問でした。 ここまで書いて、なぜ殻が閉じると安定なのかよくわかっていないことに気づいたのですが、 どんどん深入りしていきそうなのでこの辺りでやめておきます。 とりあえず殻が閉じなくても安定する結合がある、と理解してよろしいでしょうか?
- anthracene
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書き忘れてましたが、窒素原子は非共有電子対一個と三つの結合に使える電子を持ってます。 No.1に書いた共鳴構造の中には、この非共有電子対の電子を動かさないと描けないものもあります。
- anthracene
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NO2とNOはどちらも電子式を描くと不対電子が生じるラジカル種です。 NO2の場合、Nの3つの電子で二つの酸素(電子2個使用可能)と結合を作ろうとすると、 O=N=O(N上に電子1個あまる) か、 O-N=O(左のO上に電子一個あまる) の形になり、これらの電子式の共鳴構造になります。 またNOでは N=O(N上に非共有電子対と不対電子) か、 N(三重結合)O(O上に不対電子) と描くことができます。 この不対電子に基づいた特異な反応性を示します。 とくにNOは生体内でシグナル伝達物質として注目され研究されてます。
お礼
ということは、不対電子があっても(殻が閉じなくても)安定な結合はある、ということですね。 不対電子があっちにいったりこっちにいったりと、共鳴しているというのは、 ベンゼンが安定なのと同じようなイメージでとらえて、ほぼ問題ないといえますでしょうか?
お礼
調べてみると、酸素分子の共有結合も、高校で習うものよりかなり複雑なのですね。 結合性軌道、半結合性軌道を埋めていき、最終的なエネルギーが、原子からどれくらい低下したかで、 どの程度安定なのかというのが決まるわけですね。 確かに酸素分子は反応性が高いので、高校で習ったように、「完全に安定」と理解してしまうと その高い反応性が説明できません。 「完全に安定」とか、「完全に不安定」とかいう極端な結合だけでない、というのがわかりました。 みなさま、ありがとうございました。