ネット殺害予告は脅迫罪に該当せず? 親告罪?
概要
ネット掲示板などでのいわゆる殺害予告書き込み、襲撃予告書込みはそれだけで単独で脅迫罪にならないのか? 威力業務妨害がともなわないと刑法犯にならないのか?
また親告罪なのか? 予告された側が被害届を出さない限り事件化されないのか?
詳細
下記にてこのような質問をしました。
キンタロー。の殺害予告はなぜ逮捕されない?
http://okwave.jp/qa/q7989669.html
いくつかの回答に共通する事項があります。
曰く
1「殺害予告だけでは犯罪にならず、それにともなって警備強化とか業務妨害などが発生しないといけない」
2「殺害予告だけでは犯罪にならない。日本では言論の自由が保障されている」
などです。
3「対象となったタレントや所属事務所が被害届を出していないから。被害者が騒ぎ立てない限り刑事事件化しない。」
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少々疑問が残ります。
1について
殺害予告だけでは刑事事件にならない、とのことですが、そうでしょうか?
私のつたない法知識では、たとえば、インターネット上での掲示板とかこのサイトのような意見交換サイトで口論となり、かっとなって
「お前なんか(以下省略)!!」
と、具体的に相手に危害を加える発言、書き込みをしたとします。
この場合、脅迫罪が成立する可能性は低いです。なぜならお互いに相手の本名や住所、居場所などを知らない場合が多いからです。そのような場合は、実際に予告した犯罪が実行される可能性は少なく、相手側が脅威を感じないので、脅迫罪が成立する可能性は非常に低いです。ただし予告した側が予告された側の住所氏名などを知っていた場合、実際に危害を加える恐れは高いので脅迫罪は成立する可能性は高いです。(というのは、以前相談した弁護士から教わった知識です。)
今回の場合、相手は有名タレントですから、当然出演スケジュールなどは、本人のブログ上、所属事務所や定期的な公演先、出演先で確認したり問い合わせたりすればタレントさんの行動予定は把握できます。つまりタレントさん側にとっては実際に襲撃される可能性、脅威は大いに感じてもおかしくない訳です。
また所属事務所もこの書き込みについてマスコミからの問い合わせが増えたり、タレント本人に
「私生活での危険は感じないか? 毎日ボディーガードをつけようか?」
といった相談事をしたはずです。結果的に何もしなかったとしても普段ならする必要のない打ち合わせ作業、対応の手間が増えたわけで
それはすなわち「威力業務妨害」に該当するはずです。殺害予告書き込みによって「脅迫罪」だけが発生し「威力業務妨害」が全く発生しないはずがないのです。
それに、日本の警察は立件のためなら、適当に罪を膨らませる傾向があります。
例えば触っただけでちょっとかすり傷を負えば「傷害罪」をくっつけるとか。
体が触れたはずみにシャツのボタンが千切れたら「器物破損罪」に仕立て上げるとか。
ですから、今回の件、警察に相談、被害届を出しに行けば
「この書き込みによって、要らない打ち合わせとか、出演見合わせとかもあったのでしょう?
ならば脅迫罪だけでなく、威力業務妨害罪もつけましょう」
と勝手にふくらましてくれる可能性は高いです。
要は、つまり、
「ネット上の殺害予告は脅迫罪が成立すれば自動的に威力業務妨害罪もくっついてくるので、
”脅迫罪しか成立せず、威力業務妨害罪などがつかないので、警察としても立件のしようがない、だから受理されなかった”
というのは現実問題としては有り得ない」
と思うのですが、どうでしょうか?
2について
「言論の自由が保障されている」とのことですが、皆様ご存知のとおり、それには
「公共の福祉に反しない限り」
という但し書きが付いています。
議論することもなく、どんな場合でも殺害予告は公共の福祉に反します。たとえ相手がどんなに嫌われているタレントであろうが。
死刑確定している死刑囚にむかってさえ
「法務大臣が死刑執行令状にサインしないなら、俺様が遺族に代わって(以下省略)!!!」
と言ったとしても、公共の福祉に反しますから、これも刑法犯となります。
というのは私の拙い法知識によるものですが、日本では相手を特定して「殺す」と発言しても「言論の自由」で守られるのでしたっけ?
「殺害予告する行為自体を禁ずる法律は無い」のです。繰り返しますが「予告行為そのものを裁く法律は無い」のです。日本は言論の自由が保証されてますから。
と回答した回答者がいますが、ならば殺害予告はやりたい放題でしょうか?
3について
「対象となったタレントや所属事務所が被害届を出していないから」
との事ですが、ちょっと本題の質問とは外れますが、私の拙い法知識ではネットの殺害予告は
脅迫罪になりえると思います。被害届を出す出さない、の話ではないと思います。
もちろん、警察がネット上の全ての書き込みを把握しているとは思いませんが、
このタレントがTVに出てくる際に、一時期
「あまりの反響についにはネット上での殺害予告が!!!!!」
というのがナレーションや字幕、司会者からの紹介における枕ことば、キャッチコピーのようになっていました。
ある意味ではタレント、所属事務所側も宣伝文句としてセンセーショナルに使っていたわけです。
インターネットでの誹謗中傷、殺害などの書き込み問題が社会問題化している昨今、
所属事務所やこのタレントを起用するテレビ局側としては、この”殺害予告”がどのように決着したのか、
というのをきちんと表明すべきだと思います。
だだし、この3番については法的論争からはちょっと外れますが。
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基、今回は法的なご意見を頂戴したいので、主に1,2の点について正確な法知識を教えて頂ければ、と思います。
詳しい方、お願いします。
ちなみに書き込まれた殺害予告、とは以下のようなものだった、とのことです。
http://rocketnews24.com/2012/12/28/280919/
なお、
http://okwave.jp/qa/q7989669.html
においてのご回答者に対する「欠席裁判」をするつもりはありません。
ただ、
http://okwave.jp/qa/q7989669.html
において真正面から反論すると果てしない論争になりそうなので
http://okwave.jp/qa/q7989669.html
においては「タレント事務所はどのようにして所属タレントを売り込むべきか、どのようにして守るべきか」という点に絞りたいと思います。
http://okwave.jp/qa/q7989669.html
において回答された方がこちらのURLにおいて回答、反論されるのは一向に構いません。ただし節度ある範囲内でおねがいします。