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モーターの減速
- モーターの加速と減速についての質問です。モーターの加速時のトルク特性は理解できたが、減速までの時間の求め方がわからない。
- モーターのトルク特性は、インバーターを使用しての減速制御でも変化するのか気になります。
- プーリーの増速を考慮しても、減速時間は加速時間よりも2倍以上かかるため、加速トルクと減速トルクは異なると考えています。具体的な計算やデータがあれば教えていただきたいです。
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回転体を停止状態から加速して高速回転させるためには、大きな エネルギーを供給させる必要があります。 この回転体をインバータとモータを組み合わせ、電気エネルギーを 供給(電気エネルギーを運動エネルギーに変換)して加速、高速回転 させます。 E=(1/2)×J×ω^2 E:回転体の運動エネルギー(J:ジュール) J:回転体全体の慣性モーメント(kg・m^2) ω:角速度(rad/s) ただし、 ω=2×π×N N:回転速度[r/s] 逆に停止させるためには回転体が保存した上記の運動エネルギーを 外部に放出(消費)させる必要があります。 インバータとモータを組み合わせて減速させる時には、回転体の運動 エネルギーによりモータが発電機として働き、電気エネルギーに変換 されます。 この電気エネルギーをインバータの内部に設けた制動用抵抗器や外部 に設けた制動用抵抗器により消費させることになります。 急減速させるには、制動抵抗器や制動用回路のトランジスタが短時間 に大きな電気エネルギーを消費させる必要があります。 一方、制動抵抗器や制動用回路のトランジスタには熱的な定格容量が ありますので、極端に短い時間で減速をさせることができません。 あらかじめ、機械装置の機械的仕様(慣性モーメントなど)と必要な 減速時間からインバータの定格容量と制動抵抗器の仕様を検討し選定 します。 結果的に、希望する減速時間に達しない場合は、インバータの容量 アップ(一型や二型など)とより大きな制動能力を持つ抵抗器を適用 することになります。 機械装置の諸元(概略の機構構成図や数値データ等)を明確にすること により、容量選定できますが、ここのQ&Aでは書き切れない内容になる と思います。 より詳細についてはインバータメーカの窓口に連絡して機種選定に 詳しい技術者と相談されると良いでしょう。 インバータメーカの窓口の例としては、次のURLの画面上段にある "インバータ技術相談窓口(TEL&FAX)"を参考にして下さい。 http://www.fujielectric.co.jp/products/provide_data/drive/contact/index.html
回転運動における基本は Iα=T T:トルク,I:慣性モーメント,α:角加速度 に従います。加速時はT:モータートルク,α>0,減速時はT:ブレーキトル ク,α<0 となります。したがって減速の時間は慣性の大きさとブレーキト ルクの比で決まります。回生制動は慣性のエネルギーを電気的にブレーキエ ネルギーに変換して作用させます。モーターの慣性と同レベルの負荷であれ ばこの効果は期待できますが、完成が極端に大きいとさ程の効果が得られな いこともあるので注意が必要です。
インバータで駆動するならば、回生制動を使えば加速トルクと同等の制動 トルクを得ることができます。 回生電力を商用交流電源に戻すことができればエネルギー的には最良ですが、 通常は回生制動抵抗と称する抵抗器で回生電力を消費させます。 インバータの仕様書をよく確認なさって、回生制動抵抗を取り付けて、 回生制動を掛けるようにすれば、減速時間を加速時間以下にすることが できます。