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熱処理による黒ずみと金属粉の生成
- オーステナイト系ステンレス鋼(SUS304)を熱処理(溶体化処理)を行うと、表面が黒くなり、細かい金属の粉が付着します。
- 黒ずんだ部分の成分は何かが析出している可能性があります。
- 熱処理条件としては、通常は1010~1150℃で急冷を行うが、1050℃で一時間アルゴンガス中で加熱し水中で急冷している。真空度もマイナス100KPaまで抜いている。
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どんな炉を使っていますか?1050℃くらいまで昇温していますか? 真空度はどれくらいでしょうか。 黒く変色する場合、真空度が悪いか温度が低くて 酸化している可能性がありますが該当するかどうかはわかりません。 院生さんならば、XRDやらXPSやら色々な装置が 使いたい放題(うらやましい)でしょうから、 分析されてみては? もう少し詳細に記述してもらえると助かります。 もしアルゴン雰囲気等で加熱しているのであれば、 5Pa以下くらいの真空中に切り替えることをオススメします。 ご存知だとは思いますが、高温真空中ではCrが蒸発するので 表面から1ミリくらいは安全のために削ってください。 XRDが無いのは痛いですね。 マルテンの実験をされるならばXRDは欲しいところです。 真空で固溶化熱処理するのはいわゆる光輝焼鈍というヤツです。 ざっくりといえば真空度が高いほどこれが簡単に可能になります。 炉にリークが無いことを確認して5Paくらいよりも下まで 真空挽きしながら昇温するだけです。 規定時間後即座に大気か不活性ガスを導入して炉を開けて、 試料を水冷してください。 どうやらブルドン管かその類を使っておられるようなので、 できればピラニーかマクラウド水銀計あたりがあったほうが良いです。 Arで封じてしまえばCrの蒸発は抑えられます。 しかし私ならばそれでも削って使いますね。 残存酸素の影響が怖いからです。 黒くなってしまうのならば どのみち、削らなければなりません。 Crの蒸発を防ぐ方法は物質の蒸気圧を勉強されると 理解できると思います。 余計なお世話かもしれませんが、誘起マルテンの実験ならば 炭素や窒素も大切な要素なので蒸気圧を勉強しても無駄にはなりません。 あとステンレス鋼便覧は相当助けになるでしょう。 (もう読まれたかもしれませんね・・・) ところで当然冷却は急冷していますね?
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(1)さんの仰るように、熱処理条件がよく判りませんが、 炭化物「Cr23C6」ではないでしょうか。 オーステナイト中に固溶した「C」が、450℃~850℃の 範囲に加熱されるか、この範囲を徐冷されることで、 炭化物(Cr23C6)が結晶粒界に析出する。 キーワードは「鋭敏化」です
お礼
回答ありがとう御座います。 詳しい熱処理条件は追記させて頂きましたが、 炭化物のCr23C6は私の熱処理の温度では析出しにくいとは思います。 ですがCrとCは関係している気がします。
お礼
回答ありがとう御座います。 詳しい処理条件は追記させて頂きましたので、またご教授頂けると幸いです。 また残念ながら当方ではXRDとXPSはありませんので分析出来ずに困っていました。 >もしアルゴン雰囲気等で加熱しているのであれば、 5Pa以下くらいの真空中に切り替えることをオススメします。 これがどの様な操作をされるのか私にはよくわかりませんでした。 申し訳ありませんが詳しく教えて頂きたいです。 >高温真空中ではCrが蒸発するので表面から1ミリくらいは安全のために削ってください。 高温でCrが欠乏する事は解っていたのですが高温のアルゴンガス中でもCrが蒸発すると考えても良いのでしょうか?