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ロボトミー手術はなぜ大きく評価が変わったのか
ロボトミー手術は、普及した当時は、精神病患者のためになる素晴らしい手術だと絶賛されて、ロボトミー手術を開発したエガス・モニスはノーベル生理学医学賞まで受賞したというのに、なぜ全然良くない手術だと評価が全く変わったのでしょうか。
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1949年にモニスがノーベル賞を受賞し、アメリカでロボトミーが大流行したため、戦後の日本でもロボトミーは一般的に行われるようになりました。 しかし、50年代の中頃に抗精神薬が開発されたので、急速に下火になっていきます。 そうした中で、今度はロボトミーの効果を疑問視する声が増えていきます。 ロボトミーは患者の人格を大きく変化させるからです。 (手術を受けた患者は、楽天的でおしゃべりになるが、生活意欲が乏しく、外界の出来事に無関心になるケースが多くなるなど) この人格変化が、当初は「症状が改善した」と見られていたのですが、実態は人格改造では?という批判が出てくるようになりました。 その上、ロボトミーは精神病院における患者の管理体制を象徴するものとして、やり玉に挙げられるようになって行きます。 (1962年の小説、「カッコーの巣の上で」はロボトミーが行われる精神病院を通して現代社会を告発したものとしてベストセラーになりました) このように批判は高まっていましたが、日本国内では70年代までは一部の病院では手術は続いていました。 (1961年に出された、当時の厚生省の「精神科の治療指針」の中でも、精神外科は「最後の手段として考えられるべきものである」と限定して認められていました) しかし、1975年5月に「精神外科を否定する決議」が採択されました。 この時期になると、抗精神薬の発達でロボトミーは、ほとんど行われなくなっていましたが、決して否定されていたわけではありませんでした。 ですが、この決議を受けてロボトミーは「禁断の手術」へと変貌し、この後、ロボトミーの手術を受けた精神病患者達が、各地で次々に病院相手の訴訟を起こすことになります。 また、1977年9月には日本のロボトミー史上、最も悲惨な事件である、いわゆる「ロボトミー殺人事件」が起こってしまいます。 (患者による、執刀医の家族の刺殺) ロボトミーは本来、暴れる精神病患者を鎮静化させる目的で発明されたものでしたが、この「ロボトミー殺人事件」によって、ロボトミーが何の効果も無いという事を証明してしまったようなものです。 (ロボトミーの発明者であるモニスは1955年に死亡していますが、ロボトミーを受けた患者に暴行を受けたことが原因だったと伝えられています) 現在、海外の事情は不明ですが、少なくとも精神疾患の治療に対しては心療内科での薬物治療のほうが一般的だと思われます。
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- ryuuguunotukai
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ロボトミーは副作用が大きく、より良い治療法が見つかったからです。 ロボトミーはそれを施したチンパンジーの性格が穏やかになったとの報告から、人間にも適用されました。 当時は画期的ではあったそうですが、副作用も大きいものでした。 ロボトミー手術では、右脳と左脳それぞれの「ヒトをヒトたらしめている」部分をつなぐ繊維を切ってしまいます。 もちろん死亡率も高いです。しかも右脳と左脳ははっきりと役目が違います。そのつながりを切ってしまうとなると・・・。言葉では説明できないような状態に陥ってしまいます。 そんな、副作用があってもなお画期的と言われたことには驚きです。 しかし、ノーベル生理学医学賞受賞などの後で、抗精神病薬の発明と発達がありました。 誰だって副作用は避けたいものです。そうやってロボトミーは廃れていったそうです。 ロボトミーによっておこる障害の具体例の解説を読んだことがあるのですが、書かれている内容を理解すればするほど、その状況が理解できなくなる世界です。写真で載せておきます。 ⇒実教出版 サイエンスビュー生物総合資料 pp145
お礼
>当時は画期的ではあったそうですが、副作用も大きいものでした。 副作用が大きいという認識が生じたのは、良い抗精神病薬が発明された後であって、それ以前には副作用が大きいという認識は無かったと私は思っていましたが、違うのでしょうか。 例えば、死亡率が高いという事実も、抗精神病薬の発達した後に知られるようになったのだと私は認識しているのですが、違いましたか。
お礼
ありがとうございました。