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光速度不変の原理について。

有木 巨智麿(@kothimaro)の回答

回答No.25

その2 V慣性系では、定規自体もローレンツ収縮します。仮に定規の長さをCkmとすると、横に置いた時その長さはC*√(1-V^2/C^2)kmとなります。その距離をV慣性系ではCkmと測ることになります。上記の内面鏡は横の半径は実際にはC*√(1-V^2/C^2)kmとなっています。しかし、その長さを測る定規自体がローレンツ収縮するので、内面鏡の半径は縦も横もCkmと定義するのです。従って、V慣性系に居る観測者に、光は往復2Ckmの距離を2秒で帰って来たと観測されるのです。この為に、光速度は不変なのです。 故に、空間の変換式は (2)x’=(x-Vt)/√(1-V^2/C^2) (3)y’= y (4)z’= z となります。 しかし、今までの説明の通り、装置の往路と復路とでは光の相対速度は異なります。光の座標を、便宜上平面で(5)P=(x,y,z)=(Ct*cosθ,Ct*sinθ,0)と表します。V慣性系で光の進んだ時間は(1)t’=t/√(1-V^2/C^2)秒です。光の進んだ距離は、(6)√(x’^2+y’^2+z’^2)です。(6)に(2)(3)(4)(5)を代入すると 光の進んだ距離=(C-Vcosθ)t/√(1-V^2/C^2)km となります。光速度は(6)光の進んだ距離÷(1)光の進んだ時間です。従って 光の相対速度=(C-Vcosθ)km/秒となり、光速度は不変ではないことが分かります。 従って、時間・空間・光速度の変換式は (1)t’=t/√(1-V^2/C^2) (2)x’=(x-Vt)/√(1-V^2/C^2) (3)y’= y (4)z’= z (7)C’=(C-Vcosθ) となります。これをCATBIRD変換と呼びます。 この相対速度の差を利用して、リングレーザージャイロ装置では、ロケットの進行方向の変化を計算しています。片道の光の相対速度も不変であれば、この装置でロケットの進行方向の変化を測定する事は出来ないのです。 光の相対速度の差を最初に測定したのは、マイケルソンとモーレーです。鏡を使い片道11mの距離を横方向と縦方向とに光を往復させました。縦方向の往復距離は22/√(1-V^2/C^2)m・横方向の往復距離は22/(1-V^2/C^2)mです。2本の光は同時には戻らないことを確認しようとしました。しかし、予想に反して2本の光は、上記の仕組みにより同時に戻って来たのです。 以上の説明は、静止系があることが前提となっています。 現在の物理学では、「超ひも理論」が最も有力視されています。そして、宇宙を次の様に想定しています。 宇宙開闢の瞬間、宇宙は非常にエネルギーの高い状態にあり、個々の「超ひも」は自由に空間を動き回っていました。しかし、宇宙のエネルギーが、100GeVになった時、「超ひも」は相転移を起こし、網の状態に繋がって固定されたと考えています。相転移とは、水蒸気が冷えて氷となる様な現象を言います。水蒸気として自由に動き回っていた水の分子は、冷えて相転移を起こし氷の分子として固定され、もはや自由には動き回ることが出来なくなります。「超ひも」も宇宙のエネルギーが低下し、相転移を起こすと、固定され網状に繋がります。 そして、その「超ひもの網」の上を、物質や光及び重力・電磁力・強い力・弱い力の4つの力は、振動として伝わると考えています。つまり、物質が移動して見える現象は、実は超ひもの物質としての振動が、次々と隣の超ひもに伝わる現象であると説明されます。そして、「超ひも」の振動自体が光速で伝わるので、何ものも光速以上で伝わることは出来ないのです。 物質も光も一本の超ひもの振動として表現されます。超ひもの長さをプランク距離Lと言います。振動が超ひもの端から端まで伝わるのに要する時間をプランク時間Sと言います。超ひもの振動は光速Cで伝わります。従って、 光速C=プランク距離L÷プランク時間S=L/S= 1.616199×10^-35m÷5.39106×10^-44秒=299,792.5km/秒となります。  光は抵抗を受けないので、そのまま高速で「超ひもの網」上を伝わります。物質は、ヒッグス粒子がまとわり付き動き難くなるので、「超ひもの網」上を光速未満でしか伝わる事は出来ません。 この、「超ひもの網」が静止系であり、物質の移動速度はこの静止系を基準にすれば、絶対的に定義することが出来るのです。 静止系が無いとすると、必ず双子のパラドックスが起こり、時間の変換式は矛盾に陥ります。静止系が発見されると、このパラドックスは起こりません。また、静止系が無いとすると、何故加速する物体にGが掛かるのか分からなくなります。例えば、猛烈なスピードで加速する車の中に乗っているとします。私の体にはGが掛かり、体は座席に押し付けられます。静止系は無いとすると、全ての物体は移動しているとも静止しているとも自由に考えることが出来ます。従って、眼をつぶってこの車は静止していると念じると、今まで体に掛かっていたGが消えることになります。しかし、実際にはこの様なことは起こりません。Gは静止系を基準とした加速度に応じて私の体に掛かります。 以上の様に、光の往復速度を往路のみ或は復路のみの片道で測ると、それは(C-Vcosθ)km/秒となります。しかし、光を往復させて測ると、常にCkm/秒と測れます。実際に、マリノフ博士は片道で光速度を測る装置を開発しました。その結果、方向により光の相対速度に差があることを確認し、地球の絶対速度を計測されました。 球体の内面鏡の思考実験で、あらゆる方向へ向けて光が同時に発射したとします。光の相対速度は方向により異なるので鏡に反射する時は、光の方向により異なります。 しかし、光の相対速度は、往路も復路もその平均値であるCkm/秒と仮設して、物理計算をしても良いのです。物質を動かす電磁力や重力は、電磁波やグラビトンが物質間を光速で往復することで生じます。電磁波が粒子aを発し粒子bに反射され再び粒子aに戻って来ると、粒子aに引力又は斥力が生じます。粒子aに生じる電磁気力の強さは、電磁波が何秒で帰って来たかで決まります。粒子bが何時どの位置で電磁波を反射したかは関係ありません。従って、物理学上は、電磁波の相対速度が往路も復路も同じCkm/秒であるとして計算しても良いことになります。何故なら、電磁波の往復に要する時間は同じとなり、生じる電磁気力も同じとなるのですから。 また、真実通りに、生じる電磁気力の強さを計算することは大変困難です。一々、往路と復路の電磁波の相対速度を求め、往路と復路とに要する時間を求め、合計しなければなりません。しかし、往路も復路もCkm/秒として計算しても同じ時間が求められるのですから、光速度を不変と仮定して物理計算をした方が合理的です。 つまり、球体の内面鏡に光が反射した時は角度により異なりますが、光速度を不変と仮設して同時に反射したと考えても、物理学上は正しいことになります。これを「同時性の相対性」と言います。 電磁波の進んだ距離は、 (6)=(C-Vcosθ)t/√(1-V^2/C^2)km です。光速度をCkm/秒で不変と仮設するので、光の進んだ時間=電磁波の進んだ距離÷光速度となります。 ∴光の進んだ時間=(C-Vcosθ)t/√(1-V^2/C^2)km÷Ckm/秒=(8)(C-Vcosθ)t/C√(1-V^2/C^2) です。x=Ct*cosθ、故に(9)cosθ=x/Ctです。(9)を(8)に代入すると 光の進んだ時間=(10)t’= (t-Vx/C^2) / √(1-V^2/C^2) となります。まとめると (10)t’= (t-Vx/C^2) / √(1-V^2/C^2) (2)x’=(x-Vt)/√(1-V^2/C^2) (3)y’= y (4)z’= z (11)C’=C となります。これをローレンツ変換と言います。この様にローレンツ変換は、光速度不変を仮設して物理計算を可能にする画期的な発明なのです。

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