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今、民法94条(虚偽表示)の類推適用を勉強してます!

今、民法94条(虚偽表示)の類推適用を勉強してます! そこで判例を見て疑問に思ったのでお尋ねしたいです。 判例は最判昭45.11.19で94条2項と110条の併用についての判例を見ていただきたいのですが…(>_<) この判決で、 仮登記のために必要だと誤解して、書類に押印をし抵当権者かつ仮登記担保権者となったとあります。 判決ではこれらは被上告人の意思に基づくとあるんですが、 なぜ誤解して押印したのに被上告人の意思に基づくのでしょうか…(>_<) この件についてご存知の方教えてくださいm(_ _)m

みんなの回答

回答No.2

一つだけ蛇足ながら補足しておきます。 最近は、最高裁HPを利用することで、重要な判決については、手軽に判決全文に触れることができるようになりました。 ですから、判例について疑問が生じた場合には、まず、判決全文を入手してください。 そして、その判例に引用されている判例があれば、その判決全文も入手したうえで検討するようにしてください。 面倒ではあっても、きちんと判決文にあたって検討する方が、確実に力がつきますから。 そうは言っても、今回の回答にあたっては、引用判決までは判決文までさかのぼらずに基本書で誤魔化してしまいましたが(苦笑)。

回答No.1

この判決を理解するためには、仮登記担保という制度についての理解がある方がいいので、先にそちらを説明しておきます。 まず、現在はいわゆる仮登記担保法が制定されていますが、この事件が起きた昭和30年代というのは、この仮登記担保法という法律は存在していませんでした。 そのため、実際は担保のためでありながら、売買予約や停止条件付代物弁済契約による所有権移転請求権の保全のため仮登記をすることで、支払ができなかった場合については、所有権を取得してしまおうというケースが多くみられるようになったんですね。 しかし、この方法を使うと、たとえば、100万円の借金の担保のために1000万円の不動産の所有権を取得できてしまうことになるため、まず、判例において、そのような不合理な結論を是正する工夫がなされるようになりました。 そのうちの1つが、この判決でも引用されている「抵当権と停止条件付代物弁済契約による所有権移転登記仮登記が併用されている場合は、特段の事情がない限り、清算型担保契約と解する」という昭和42年11月16日最高裁判決です。 このように、今回の仮登記については、通常の所有権移転登記請求権仮登記であるべきところ、清算型担保契約の外観が生じてしまっているんですね。 さて、この判決が引用するもう1つの判決である昭和43年10月17日判決は、AがBと通謀して、売買予約を仮装し、Bに所有権移転請求権保全の仮登記をしたところ、Bが仮登記を本登記にしたうえで、Cに売却したといった事案です。この事案においては、Aは、売買予約の仮登記まではBと通謀していますが、本登記までは通謀していません。そして、Cが信頼したのは、あくまでも本登記ですよね。 そのため、昭和43年10月17日判決は、民法94条2項と民法110条の法意に照らして、Cが善意無過失であれば保護するという結論を出しました。AとBとの間で通謀した仮登記を基本権限として、Bが権限を超えて本登記をしたという風に構成したわけです。 今回の判決の事例においては、「被上告人の所有権移転登記請求権を保全するために、所有権移転登記仮登記をするために司法書士に依頼した」というところまでは、被上告人の意思に合致したものであり、司法書士には、その手続のための権限が生じることになります。 ところが、この仮登記手続の依頼を受けた司法書士において、前述した清算型担保契約の外観を作出してしまったわけですが、司法書士がまったく無権限で清算型担保契約の外観を作出したわけではないので、昭和43年10月17日判決と類似する状況となったと今回の判決は考えたわけです。 このような論理構成によって、今回の判決は、「上告人が、被上告人の仮登記が清算型担保契約に基づくものではないということについて善意無過失であれば、上告人は、被上告人の仮登記が清算型仮登記であることを前提に行動すればいい」と判断しているんです。 このように、今回の判決の論理構成の流れをおいかけていくと、「なぜ誤解して押印したのに被上告人の意思に基づくと書いているのか」という疑問は、実は少しずれていて、「誤解して押印したからこそ、94条2項と110条の両方を用いて善意無過失の第三者を保護する」という結論を導き出したのだと理解できると思います。強いて言うならば、ここでいう「被上告人の意思に基づく」というのは、「民法94条2項及び民法110条の法意に照らす状況が整っている」という程度の意味、あるいは、「(不完全ながらも)被上告人の意思に基づく」という趣旨だと理解すべきことになるのでしょう。 なぜなら、もしも、「誤解することなく押印した」のであれば、単なる94条2項類推適用の事例でしかなく、判例理論に従う限り、第三者は善意であれば保護されるわけですから。

km1101
質問者

お礼

ははぁ!! 正直なところ、仮登記担保についてもあいまいだったので教えていただきありがとうございました\(^^)/ 毎回毎回、とても詳細な回答、本当に感謝してます(>_<)!

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