- 締切済み
ショットキー接合の少数キャリア注入について
- みんなの回答 (1)
- 専門家の回答
みんなの回答
- inara1
- ベストアンサー率78% (652/834)
>金属はフェルミレベルまで電子が詰まっていますが、金属中のホールはどのように定義されるのでしょうか? 電子と同じようにフェルミレベルの位置に局在すると考えます。参考URLの3ページ目の中段左の「P型半導体と金属との接触」のところに出ているように、金属中の正孔に対するショットキー障壁はこの図のφBと書かれた部分になります。これはフェルミレベルから半導体の価電子帯上端までのエネルギー差になります。図では黒丸が電子になるので金属中には電子しかいないよう描かれていますが、金属中で電子が左側に動くのと、金属中で正孔が右側に動くのとは同じことなので、フェルミレベルに位置に正孔があると考えて構いません。この例はp型半導体と金属との接触ですが、n型半導体と金属の場合、金属中の正孔に対するエネルギー障壁は、以下で説明するように、正孔に対するショットキー障壁 φh に、半導体中のバンドの曲がり Φbi を加えたもの φh + Φbi になります。 >バリアハイトが大きな場合は金属側からのホールの注入があるようです これは半導体デバイスのテキストではほとんど扱わない例です。 通常のショットキーダイオードは、立上がり電圧を小さくするために、多数キャリアに対するエネルギー障壁が適度に小さくなるようにしているので、少数キャリアに対するエネルギー障壁のほうが高くなっています。下図はn型半導体-金属界面のバンド並びですが、順バイアスの場合、多数キャリア(電子)に対するエネルギー障壁は Φbi で、少数キャリア(正孔)に対するエネルギー障壁は Φh + Φbi になります。 金属 n型半導体 ↑ │\ Φbi↑ Φe | \__ ↓ 伝導帯下端 ─┼┼ - - - - - - フェルミ準位 Φh │ ↓│ Φbi ↑ \ ↓ \__ 価電子帯上端 Φe + Φh = Eg(半導体のバンドギャップエネルギー)ですから、Φe が小さいほど Φh が大きくなります。そのため通常、電気伝導に寄与するキャリアはほとんどが多数キャリアとみなしてよく、多くのテキストでもそのように扱っています(ショットキーダイオードのスイッチング速度が大きいのは小数キャリアの注入がないからと書かれているはずです)。しかし、Φe が大きい場合には Φh + Φbi が小さくなるので、正孔の流れも考慮する必要があります。実際に正孔の流れも考慮しなければならないのは Φh がほとんどゼロになるような場合( Φe ≒ Eg の場合)だと思いますが、電子と正孔の流れを両方加味にして電流を計算することは可能です(この場では即答できませんが)。
関連するQ&A
- 化合物半導体の電子親和力
金属-化合物半導体接触のショットキー障壁を見積もるため金属の仕事関数(フェルミ準位と真空準位との差)と化合物半導体の電子親和力(伝導体底と真空準位との差)を調べています。 金属の仕事関数は文献で調べられたのですが、化合物半導体の電子親和力はどうしても見つけることができません。適切な文献やサイトをご存知の方がいらしたら教えてください。また、計算により求めることができるのであれば、その方法についても知りたいです。 尚、対象としている化合物半導体は、GaN、SiC、GaAsなどのワイバンドギャップ半導体です。
- ベストアンサー
- 物理学
- LEDにおけるキャリアの再結合と電流
素朴な疑問なのですが、LEDを流れる電流のうち、どれくらいがキャリアの再結合に寄与してるのか、どれくらいが、キャリア再結合に寄与しないのでしょうか? 詳しく書きます。 P型半導体とN型半導体を接合して、順バイアス方向に電圧をかけると、P型、N型にキャリアが供給されて、接合部分で正孔と電子の再結合がおこります。 その再結合するまでのキャリアの流れ=電流だと考えていたのですが、N型から電子が接合近傍で再結合しないで、P型半導体を通りぬけて、電流として働くことはあるのでしょうか。あるとしたら、再結合に寄与する電流と比べて無視できるのか知りたいです。
- ベストアンサー
- 科学
- フェルミ準位についてイメージを教えて下さい。(概念程度)
金属のフェルミ準位と伝導帯との関係を教えて下さい。金属は、電子が伝導帯にあるから伝導に寄与できる状態にある、ということでなぜフェルミ準位が関わるか分かりません。 今、実は絶縁物について学んでいて基礎が不十分なためにお聞きしている次第です。そこで、もう一つ質問なのですが、絶縁体のLomoが金属でいう伝導帯とほぼ同じ意味というのを耳にしました。しかし、イメージがわきません。LOMOより浅いエネルギーに電子があるとその電子は伝導に寄与するということでしょうか? バンド理論についてはことのほか素人であるため、教えて頂けると幸いです。
- ベストアンサー
- 物理学
- PN接合のエネルギー
とある本のPN接合の説明で Sの字を反転させたような形の図で電子とホールのエネルギーの説明が 書いてあったのですが、 P型半導体の電子がN型半導体の電子の数より少ないにもかかわらず、 N型半導体の方がP型半導体よりもエネルギーが低いと書いてありました 電子が多いほうがエネルギーが多いと思うのですが違うのでしょうか
- ベストアンサー
- 物理学
- 結晶中のキャリア濃度と化学ポテンシャル
金属や半導体においてキャリア濃度(n型半導体の場合は電子濃度、p型の場合は正孔濃度)が変化すると化学ポテンシャル(フェルミ準位)はどのように変化しますか。また出来れば定性的にその理由や過程も教えてもらえると分かりやすくて助かります。 フェルミ準位付近の状態密度などバンド構造の話でも良いのでよろしくお願いします。
- 締切済み
- 物理学
- ショットキーバリアのエネルギー図
宜しくお願いします。 金属-N型半導体のショットキーバリア形成時について質問です。 「両者を近づけ、半導体の伝導帯から電子が金属に向かって流れた時、 その電子は金属表面にのみ分布する」という記述をどの参考書でも目にします。 また、「フェルミ準位が揃うまで電子が流れる」とも書いてあります。 これらを考え合わせると、 「流れた電子は金属表面近傍の電子状態のみ占有していき、 それが半導体の中性領域のフェルミ準位と等しくなると平衡になる。」 と言えると思います。 その時、金属中のフェルミ準位は表面近傍でのみ高くなっていて、 それより深い位置では一定になっているように思います。 質問は、 「この後、表面近傍に帯電した電子がエネルギーの低い金属内部の電子状態に移るのか、 それとも表面のみが帯電したままで、表面近傍ともっと深い内部ではフェルミ準位は違ったままなのか。 だとしたらなぜどの参考書も金属中のフェルミ準位が揃った様な図の描き方をしているのか。」 ということです。 電磁気学で、金属に帯電した電荷は表面にのみ分布すると勉強したので、疑問に思いました。 表面準位、というのは良く分からないので、「表面近傍のバルクの電子状態」 だけを考慮して説明して頂けると幸いです。 宜しくお願い致します。
- ベストアンサー
- 物理学
- フェルミエネルギーについて
p形とn形の半導体(金属と半導体、金属と金属同士でもよい)を接触させるとフェルミエネルギーが等しくなるのは何故ですか? また、何故pn接合の両端にバイアスを加えるとp領域とn領域のフェルミエネルギーが分裂するのですか? 質問内容がよく分かりにくいかも知れませんが回答お願いします!
- ベストアンサー
- 物理学
補足
inara1さん 回答ありがとうございます 金属ではフェルミレベル近傍にホールが存在すると考えれば 理解はしやすいですね。 しかし昔受けた 半導体の授業でのホールの考え方は ブラッグ反射条件近傍のk空間、つまり許容帯上端近傍で電子の実効質量が 負になり これを電荷を正として仮想粒子 ホールを仮定する・・・と 習った記憶あります。半導体的には、荷電子帯上端でのみホールが定義されると思いますが、この考えと許容帯中途中に電子が分布する金属ではホール は定義できないように思えますが・・・・ ご教授ください。よろしくお願いします。