警官の血
佐々木譲著「警官の血」読み終えたばかりです。
おもしろい作品でしたが、気になることがあります。
早瀬勇三には罪の意識はあったのでしょうか?
早瀬が犯人だとは推測がついていましたが、読んでいる段階では最後に
早瀬が弁解するような場面があると思っていました。長い間ずっと罪の
意識に苦しんできた。あくまでも善人が致し方なく殺人を犯してしまっ
た。そういった様々な事情のこと細かい説明も。泣きながら和也に謝罪
するという場面も想像していました。
ところが謝罪どころかあの開き直ったような対応。罪を罪とも認めてい
ない(口では罪を認めてるみたいなことは言っているものの、大した反
省はなく自責の念もない。自分が犯した決して許されることのない罪を
正当化)。少年二人の殺害についての動機も清二殺害の詳しい内容も全
く語られず。
早瀬のイメージががらりと変わってしまいました。早瀬はそういう人間
だったのかと。それまでの安城父子に対する思いも全て嘘だったのでし
ょうか?
民雄の面倒を見ていたのも親父を殺してしまった罪の意識からと思って
いましたが、和也に語る早瀬からそういうものは全く感じられませんで
した。
清二に対する友情、民雄に対する親子のような愛情は偽りだったのでしょうか?
それといろんな方のコメントを読みましたが、みなさん犯人は早い段階
からわかっていたそうで、決め手となる部分もあったとのこと。
僕も十中八九早瀬が犯人だとは仮定していましたが、それはあくまでも
自分の勘に属することで、客観的な証拠を見つけた訳ではありません。
早瀬が犯人だと決め手となったその決定的な証拠はどの場面(どのセリ
フ)だったのでしょうか?
ページ数も教えて頂けたら幸いです。