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日本映画はなぜ凋落したのか?
わたしはこれまでずっと「洋画専門」でした。 わたしが、中学、高校の時、70年代後半は、 「日本映画はツマラン!」というのが周知の事実でした。 しかし最近になって、戦後の日本映画(50年代~60年代)に興味を持つようになって、日本映画の素晴らしさを発見しました。 黒澤、小津、溝口、成瀬、川島、木下、渋谷・・・・ それに素晴らしいのは「独立プロ」の作品・・・・ 今井正、山本薩夫、家城巳代治、 三船、志村と袂を分つ前の黒澤がいて、 戦メリでない大島渚がいました。 活動の場を舞台に移す前の有馬稲子や山本富士子がいました・・・・ なによりも驚いたのは、これらの日本映画が全然ジメジメしていないということです。 わたしは邦画=演歌の世界という刷り込みがありましたが、 邦画=落語という感覚を覚えました。 くだくだしくなく、粋なんです。 昔の邦画を観ていると、円生、志ん生、文楽の噺を聞いているようです。 わたしは映画史には全く疎いのですが、 一体いつから、何故日本映画は凋落したのでしょう? また、ここ数年の活況はどこから来ているのでしょう? そもそも「凋落」などしていなかった。 日本映画は常に一定の水準の作品を送り続けてきた。 という言い方もできるのですか? 初心者ですのでよろしくご教授下さい。
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rossettiさん、おばんです~。相変わらず難しい熟語をご存知なんですね。 一知半解の私はタジタジですぅ。さて、なぜ邦画が斜陽の一路なのか・・・。 アメリカナイズされたのもそうでしょう。映画代金が高いのもそうでしょう。 日本のスターは、映画館へ足を運ばなくてもTVで会えるというのもそうでしょう。 これらを全て融合して考えると、こういうことじゃないでしょうか。 映画館でいろんな作品が上映されてるとします。 しかし入場料が高いので、何本も観るという訳にはいかなくて吟味することになる。 となると、TVで観られる俳優が出演している邦画はパスとなる。 どうせ観るんなら、カッコいいハンサムさんと可愛い女優さんが観たいもんね。 となると、戦後の貧しい生活を強いられていた日本人に比べ、 大きな車を乗り回したり大きな家に住むアメリカ人は日本人にとって憧れでした。 その影響が今になっても払拭されていないと思うのです。 とはいえ、そういうアメリカナイズされた日本人にたまらなく嫌悪感を覚える人も多いですよね。 実は最近の私が少々それでしてね。 何でもかんでも大金積んで、CGバリバリの作品ばかりが先行しちゃってる。 イイ男&イイ女っていう組み合わせも食傷気味・・・。 ちなみに、先日観て来た西田敏行&渡辺謙主演の「陽はまた昇る」はメチャ良かったですよぉ。 左遷された男たちが、己の信念を貫いて会社の危機を救う話です。 ラスト、屋上から見下ろした青い××の圧巻なこと! 西田敏行って全然イイ男じゃないけど、いい演技するなぁって思いました。 邦画もなかなか捨てたもんじゃないですよね! ふろむFANFUN変酋長
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- ele
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>そこで聞きたかったのは、上の諸監督が輩出する以前、現在のニュー・ウェーブの監督と、質問の巨匠たちとの間の時期のことです・・・ TV(ドラマ)に流れた。あと、製作現場が限られていたので、ロマンポルノやピンク映画の監督をやっていた人たちが多いですね。(面白い作品も結構ありましたが、対象とする観客が特定少数だし、TVでは放映、紹介できないし。正当に評価されていないとも言えます。) 邦画はやくざ映画と時代劇に怪獣映画と角川映画が主流でしたから。でも、ATGとかで面白いのもありましたよね。 落語は江戸時代の噺ですから明治どころか昭和が遠くなりにけりでは成立しなくなっちゃうんでしょうね。(志ん朝の噺が聞けたのを幸運と思う他ない世代ってのは悲しいですね。) よれよれの回答(?)で申し訳ありません。
お礼
「よれよれの回答(?)で申し訳ありません。」 いえいえ、ちっとも。 山田太一、倉本創、向田邦子、早坂暁などがテレビで活躍してて、彼らの作品の方がずっとおもしろかった。 『やくざ映画と時代劇に怪獣映画と角川映画が主流でしたから。でも、ATGとかで面白いのもありましたよね。』 わたしはこの流れが苦手でした。 今夜は成瀬巳喜男の作品が民放でやってますね。 ・・・・「昭和は遠くなりにけり」か・・・・ 昔の映画は粋だったなぁ。 小津や山田洋次には落語の匂いがプンプンしてて好きだナァ・・・・ ありがとうございました。
- disease
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日本映画はかつて黄金期を迎えていました。 当時はテレビもライバルではなく、洋画も人気が無く、もちろんTVゲームもありませんでした。 まさしく娯楽の王様だった映画業界は天狗になり、TV業界を見下し日本映画をTV放映する時もかなりの額のロイヤリティーを要求していました。 怒ったTV局は安い海外の映画やドラマを日本語にふきかえて放送するようになりました。 こうして日本映画の没落が始まり、映画館は邦画より洋画にシェアを奪われることになっていきます。 スターと呼ばれる人は映画より、気楽に見てもらえるTVにでるようになります。 しかしアメリカでは昔の日本のように映画スターが幅を利かせているいるようです。 TVにはあまり出演しないし、CMにも絶対登場しません。 アメリカではCMは2流のあかしで、トップスターはまず出ません。 日本のCMに出ている映画スターは特別な契約で日本以外では放送しないことを条件に莫大なギャラで出演します。
お礼
お返事ありがとうございました。 多くのご指摘のように、映画会社の怠慢という一因があるわけですね。 しかしそれを反省し、再び邦画に目を向けてもらう努力さえしなかったのでしょうか? クオリティーの高い作品が多く作られれば観客数はあの時期のように際立った右下がりにはならなかったのではないかとも思うのですが・・・・
- tgoda
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作品論ですが、個人的には日本映画は凋落したと思っていません。 昔の人は神格化されやすいので、「ああ、偉大な人はたくさんいたんだなぁ」と思いますが、現代でも優秀な監督さんはたっくさんいると思いますよ。 北野武、岩井俊二、サブ、宮崎駿、諏訪敦彦、青山真治、行定勲、庵野秀明などなど。 個人的には今の日本映画は第二の最盛期じゃないかと思っています。
お礼
お返事ありがとうございます。 『個人的には今の日本映画は第二の最盛期じゃないかと思っています。』 そうかもしれませんね。 そこで聞きたかったのは、上の諸監督が輩出する以前、現在のニュー・ウェーブの監督と、質問の巨匠たちとの間の時期のことです・・・・
- farnorth
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もう10年近く前なんですが、ラブコメを撮っている映画監督とシンポで話しをしたのですが、「自分の撮りたい映画なんて撮らせてくれないんだよ」とグチってました。当時は会社主導の映画製作だったということですね(推察するに角川商法がHITしたのを受け、業界が延々と引きずっていたのでは?)。なお、その方、後に「ガメラ」を撮るんですが(笑)。 「ここ数年の活況」が何を差すのかわかりませんが、「踊る大走査線」などをきっかけにテレビの手法(宣伝、演出ともに)を映画に取り入れるやり方は増えましたね。
お礼
お返事ありがとうございます。 「会社主導の映画製作」というのは、五社協定の時期からありましたね。 それで独立プロやにんじんくらぶのようなフリーランスで映画を作ろうという人たちが現れた。 でも、「角川映画の影響」というご指摘、 鋭いところかもしれませんね。
作品論でなく、産業論としての回答です。 関東大震災、太平洋戦争中の映画会社の統合など危機的状況が何度もあり、その度 にスタジオが解体、再建(移転)されるなどの歴史的経緯と、昭和40年代以降の映画不況期に、映画会社がスタジオの敷地の多くを売却、縮小してしまった、海外からの技術輸入などをしなかったことなどが原因として考えられるのではないでしょうか。 「ここ数年の活況」なんですが、松竹大船の解体、日活(多摩川)の売却説の噂などそう活況と言い切れないと思うのですが・・・・・
お礼
お返事ありがとうございました。 活況・・・・という言葉は適切ではなかったようですね。 おもしろい視点からのお答え、ありがとうございました。 ちなみにわたしは蒲田の人です(笑)
- ele
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小林信彦の本など読むとよいのでは? 私は「TVの出現」に対して危機感を抱かなかったことと、映画界からTVのほうへ人材が流出したからだと思います。 最近の活況?(アニメだけじゃないの?)は映画会社で助監督から監督になってという人以外が商業的な作品に取り組めるようなったからでは?
お礼
お返事ありがとうございました。 やはりテレビの影響が大きいようですね。 活況・・・・といっても根拠があるわけじゃないんです。 ただ、以前に比べると若手が頑張っているような印象があります。 小林信彦の本、チェックしてみます。
- sydney924
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私はきっと、rossettiさんと同年代ではないかと思います。 私は今でもほとんど邦画を観ることがないです。 観るとしたら、ビデオ化されてからレンタルで・・という感じですね。 昭和30年代頃、日本映画は全盛期だったのではなかったでしょうか? 何故日本映画はダメになって行ったか・・。 理由は1つではないと思いますが、早い話が「映画館まで足を運ぶ気にならない」ということですよね。 これは私の推測でしかありませんが、昭和40年代に入ってからのTVの普及率の高さも1つの理由にあると思います。 昭和30年といえば、まだまだ日本の各家庭にTVのない家が多く、「娯楽といえば映画」みたいな傾向が強かったと思うのです。 その娯楽が、外に行かずに家で楽しめる時代が来たというのでしょうか。 あとは、昭和45年だったかな? 大阪万博がありましたよね。 それを境にではないかも知れませんが、日本人がアメリカナイズされつつあったのではないかと思います。 アメリカのおもちゃ、食べ物、ファッションなど、日本人がアメリカに憧れはじめたのではないでしょうか? 映画館でも洋画を上映し始め、日本人が段々と日本映画から離れて行った感じがします。 それと、今の日本映画もそうですが、日本の映画界って(出演者のことですが)、TVに出てる方が映画に出る・・という感じですよね。 映画スターという言葉、今は死語のように思います。 アメリカを例に取ると、映画スターはTVにはそんなに出ません。 映画スター見たさに映画を観に行くということが日本にはないんですよね。 最近の日本映画で話題になった作品って、アニメ以外は何がありましたっけ? 日本アカデミー賞で取り上げられる作品さえも、「こんなのやってたの?」って物が多いです。 日本の場合、映画代金も高いですから、これでは観に行く人が減って当然だと思います。 私なりの意見なので、他の方の意見も是非聞いてみたいです。
お礼
お返事ありがとうございました。 なるほど、皆さんが指摘されているように、テレビの出現の影響がおおきいのですね。 あと高度成長期のアメリカ文化の影響・・・・ しかしそういう環境的なもの以前に作品のクオリティーが落ちたということはないんでしょうか? わたしは決して権威主義ではありません。 後期のクロサワ作品には興味を覚えませんし・・・・ つまり巨匠たち亡き後優秀な人材は(木下恵介監督の助監督だった山田太一氏のように)テレビへ流れていったということもあるのかもしれませんね・・・・ ありがとうございました。
お礼
どーもですぅ(^。^) たしか「ビデオデッキ」(VHS)開発の物語じゃなかったでしたっけ? わたしは西田敏行は『学校』シリーズで大好きですよ。 あと武田鉄也が、朝間義隆と組んだ映画もすきです。 「えきすとら」「思えば遠くへ来たもんだ」「俺とあいつの物語」「俺たちの交響楽」・・・・ 古いですが是枝監督のワンダフルライフ。 なんだかよかったな・・・・ お返事ありがとうございました。