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コマとコマの間について教えてください
コマと次のコマの間に経過する時間は、まったくバラバラですよね。あるときは瞬間であり、あるときは数分であったり、あるときは数ヶ月であったり。 コマ割りには大変な技術がいることはわかりましたが、コマとコマの間に流れる時間に関しては、何か法則のようなものはあるのでしょうか。例えば1ページの中で、コマ間の経過時間を一定にしておくとか。それとも何も考えず、とにかくコマの中に書きたい風景や人物を収めることだけに集中すればよいのでしょうか。 何か不自然なコマ間の時間経過の例があるとわかるのですが、出版されているのはプロの方々の作品ばかりなので、どれもまったく違和感がありません。 自分で理解しているのは、例えば場面変換するときは、 ・単純に風景や小物だけのコマを入れる ・左ページの下コマに風景を入れて、次の右ページの一番最初で新しい展開を始める ・コマとコマの間を大きく空ける 程度しかわかりません。 プロの方というのは、コマ間の経過時間までを考慮して、コマ割をするものなのでしょうか。するとしたら、どのような法則があるのでしょうか。
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>一般的かつ、効果的な手法だと思っておりました。 そのとうりなんですが、そのまんまじゃいけないってことなんです。 単に時間つぶしのコマでなく、そこにもうひとつの要素を入れるのが大事なんです。 たとえば、 喫茶店で待つ女性。 ありがちな場面です。 時計を何度も描くのは簡単ですが、、、。 1・外の風景、ガラス越しに見える街。道行くひとびと、 これを・・・幼稚園児の帰宅・小学生の下校・高校生の下校・サラリーマンの帰宅。これで外の時間を表現できます。 2・女性の後ろの席の客が変わる。 3・テーブルの上のコーヒー・量が減ってゆく。 3の場合、カップに(コーヒーに)映る女性の顔で、精神状態も表現できますし、傍らの小物でも、気持ちと時間の経過を表せます・(まっさらな紙ナプキン--折鶴--くしゃくしゃに握り潰された折鶴) 初歩的なたとえですが、上記のひとつだけの応用でも、同じ大きさのコマでも3コマですみますね。 マンガの基本は16-18ページの短編です。人気作品の長編なら、ふんだんにページをもらえて、かつ、読者もそういった世界があたりまえと思わせられているのが現状です。 今の出版業界は、すぐれた新人の発掘、育成より、インパクトの強い、 かつ長期連載向きな作品をもとめ、ぼろぼろになるまで引っ張って あとはおしまい。薄味でもほんわか美味しい和食より、脂こってりケチャップどぼどぼ体に悪いコンビニ弁当のようになってきました。 まずは描く、質問者も描きはじめているようですので、私としても 喜ばしいかぎりであります。 がんばってください。
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- zenzaburou
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コマは、映画のカットと同様に考えてください。 市川崑監督のように長いもの、ペキンパーのようにスローなもの、 最近のマーベルムービーのように立体的なもの。 すべてはカット(シーン)の中で時間は表現されています。 ほんとうは、ある程度の約束事が存在するのですが、言葉で表現する事には限界があります。 たとえば将棋、きめられた盤面のマスの中で、限定された動きしか許されない駒たちが無限のパターンで戦いますね。 定石もありますが、棋士たちは我々の想像を超えたドラマを演出してくれます。 むかしの漫画、たとえばのらくろ。 いまの目にはシンプルすぎるほどの平淡でスクエアなコマ。 それだって、無言の法則とセンスによって時間の経過が表されています。 >単純に風景や小物だけのコマを入れる 一般的ですが、くりかえすとくどくなり、へったっぴの常套手段です。 >左ページの下コマに風景を入れて、次の右ページの一番最初で新しい展開を始める 効果は絶大ですが、コマとページのレイアウトに無理が生じます。 ただでさえ描きたいコマ、イベントを泣く泣くカットしてコンパクトにまとめなければいけないのに、それだけを期待できません。 (野球の試合で1番バッターがヒットして、4番までつないでホームランみたいな、めったに来ない状況です。) >出版されているのはプロの方々の作品ばかりなので、どれもまったく違和感がありません。 それがプロのお仕事です!!。
- wyco
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法則はないですね。だからこそ作家のセンスが問われるんだと思います。昔いたなぁ~、りぼんで独特のコマ使いをする人。 場面変換で他には 見開きで白紙orベタ、もしくは今までのコマのコピーを散りばめたものを使う(かなり衝撃的な内容の場合でないとあまり効果がない気がします)とかありますね。あとあだち充みたいに宣伝したり。 こればかりは本当にそのストーリーの内容と、作者の意図によってさまざまだと思います。山本英夫の「ホムンクルス」とか7巻くらい出て確か3日4日くらいしか経過してないんだよな。。。
補足
ありがとうございます。 ホルムンクルスいいですよね。あのアイデアと、味のある独特な人物の表情の2つだけで、もう十二分に面白いです。一巻を手にして、二巻目を待ちわびるときのワクワクした思いはいまでもよくおぼえています。
- Antithese
- ベストアンサー率33% (202/606)
他の方々のご指摘どおり、コマ割と時間経過に決まったルールはありません。しかしだからこそ漫画家はコマ割を工夫することで漫画のスピード感を演出するのです。 決まりはないと言いましたが、大雑把な目安で言うと、コマの中の時間の流れはそのコマの中のネーム(セリフなど)を読むのにかかる時間とほぼ等しいと思っていいでしょう。 ネームが無い場合は2通りの時間の流れが存在します。景色などのロングの絵柄のときはゆっくりとした時間の流れを表し(景色のみのコマは場面転換を表現するのによく使われます)、人物などアップのときは瞬間的な時間の流れを表すことが多いようです。コマの中の効果線がその補助的な役割を果たします。 セリフの少ないアップの絵柄が続く漫画が、テンポよくスピード感を感じさせるのはそのためです。 コマとコマの間の時間は基本的にはほぼ一定です。というのも何の説明も無くコマとコマの間の時間の間隔がバラバラだと読者が混乱してしまうからです。コマとコマの間に時間経過をもたせる場合は、間隔を少し広げたり、何も書いてない細いコマを間に挟んだりすることで時間経過を表したりします。 他にも回想シーンなどでコマの周りをベタにするなどの手法が一般的に見られます。
補足
ありがとうございます。 >景色などのロングの絵柄のときはゆっくりとした時間の流れを表し、人物などアップのとき >は瞬間的な時間の流れを表すことが多いようです。 これはいままで気づかなかったところでした。今後マンガを読む際、ぜひ気をつけて見てみようと思います。
#1の方が思っていた事を大体書いてくれていたので、だいぶん書くのが楽になりました。 安彦良和のように元アニメーターだから絵コンテのようにコマを割る作家もいます。 コマの大きさで秒数を表現するというやり方。 コンテからきている技法なので理にかなってはいるけど、ひとつ間違えると動作が細かくなってしまい大胆なカット割りが死んでしまう。 各作家毎に個性があって厳密に言えばそれぞれみんな違っているのだけど、ほとんどの人が見てわかる表現を『核』として描いているから、場面が変わっただとか時間が経過しただとかわかるようにはなっている。 最悪、一言入れたら時間の経過だと表現できてしまうので、特別にコマをいじる必要性もなかったりする。 どうすればドラマチックに見せれるのかという部分で作家が研究して実験的に使う事もあるだろうし、そもそも文法的に決められたコマの描写というのは存在しないはず。 漫画に教科書って無いと思うし。
補足
ありがとうございます。 >ほとんどの人が見てわかる表現を『核』として描いているから、 この核というのが、いわゆる漫画の最低限の文法というか、はずせない技術のことと理解してよいでしょうか。例えばタメやヒキといったような。 いまちょうど電波の城の一巻を読んでいたのですが、後半はめまぐるしい場面転換が繰り返されるのに、ストーリーにひかれて、ぐいぐいと引き込まれてしまいました。場面変換の際、背景・小物をはさむシーンがなくていきなり人物からはじまるときも、なぜかスルリと読めてしまいました。
- ironman28
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ええと・・・実は法則のようなものは有りません。 何故かと言えば・・・作家が描いた・・と言うか考えた通り寸分違わず読んでくれる読者は殆ど居ないと言って良いからです。読者は自分の感覚とペースで読みますから、作家の意図したものを酌み取りはするでしょうが、作家が考えているもの100%を理解する事は難しいからです。人間ひとりひとり感覚や考え方が違うように、読み方も人それぞれだし描き方も人それぞれです。ですので、一定の法則が有ると思わずに自分の感覚を信じて描くのが宜しいと思います。 勿論ある種の商業的法則のようなものは有るでしょうが、もしプロを目指すのであれば、その辺はその時点で編集者に注意されるでしょうし、その時は自分の感覚と編集の言う事の丁度良い折り合いを見出さねばなりません。 そういうわけで、質問者さんのコマ割りに関する理解はそれで良いと思います。後は作品それぞれに合った全体的な形からその時点で考えうる自分なりの時間経過の描写をすれば良いのです。大抵は大体一定の昔からのパターンがありますが、個性的な作家さんは独特な手法を自分で編み出したりするのです。 なので、考えるのは大事ですし、ひたすら考え続けなければなりませんが、ある程度のパターンは良しとして、なにか自分なりの経過表現を見付ける努力をするのも苦しくて楽しいですヨ? かなり大胆な表現の例としては高橋しんの「最終兵器彼女」のあるシーンなど、数ページに亘りほぼ真っ黒というものとか、島本和彦氏の漫画のあるシーンなどは見開きで同じシーンを数ページに亘り違う角度で描くなど大変個性的な時間感覚の表現をしておられます。 もちろんプロは(特にちゃんとした人は・・・)時間経過を全て計算して描いているのです・・・・ しかし、読み手が完璧にそれを実践してくれるとは限りません・・・まあ・・・だので、限りなく自分の理想の感覚に近い形で読んでもらえる様に色々試行錯誤しながら描かねばならないのですね。 御自分の感性を信じてまずは好きなように描いてみましょう。ワク線がジャマだと思ったらとっ払っても良いのです。実際自分の作品においてはこれはいけないと言うものは無いのです。結果受けなかったら、また考えて修正すれば良いのです。自分だけの感性を磨くというのはそういう事です。 他人が作った法則を気にしてたら、個性は生まれませんよ!?
補足
すごくためになるアドバイスありがとうございます。特に印象的だったのが >作家が描いた・・と言うか考えた通り寸分違わず読んでくれる読者は殆ど居ないと言って良 >もちろんプロは(特にちゃんとした人は・・・)時間経過を全て計算して描いているので >す・・・・ >しかし、読み手が完璧にそれを実践してくれるとは限りません というところでした。やはり作者さんには、コマ間の時間経過に関して、かなり意図的なのですね。 何か有名どころの作品で、「ああこのコマ間は、きっと作者と読者の間で、時間経過に対する考えの差が出ているなあ」という適当なシーンがありましたら教えてください。あとコマ間だけでなく、どんなところでも、作者と読者のギャップを生んでいるだろうなあという箇所でも結構です。とても興味があります。 >かなり大胆な表現の例としては高橋しんの「最終兵器彼女」のあるシーンなど、数ページに >りほぼ真っ黒という これよく覚えています。このシーンだけでなく、あの鬼気迫る雰囲気が、すごく独特なコマワリで、これ以上にないだろうっていうぐらいの効果を随所でこの作品が出していたのをよく覚えています。漫画ってすげえ とこの作品を読み終わったとき思いました
補足
ありがとうございます。 >コマは、映画のカットと同様に考えてください。 おっしゃるとおりだと思います。映画やテレビよりもむしろカメラワークが漫画の方が激しい気がします。映画で漫画ほどの視点の移動があると疲れてしまうからでしょうか。 >>単純に風景や小物だけのコマを入れる >一般的ですが、くりかえすとくどくなり、へったっぴの常套手段です。 >>左ページの下コマに風景を入れて、次の右ページの一番最初で新しい展開を始める >効果は絶大ですが、コマとページのレイアウトに無理が生じます。 どちらもあまりお勧めの手法ではないようですが、うまい先生は、どのようにされていますでしょうか。手元にある作品を見る限り、風景+人物のロングを含めて、だいたい上の手法が一般的かつ、効果的な手法だと思っておりました。