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バッハ 「マタイ受難曲」の翻訳のついて
お尋ねします。 バッハのマタイ受難曲の日本での翻訳について関心をもっております。 この曲を最初に邦語に訳された方のお名前、何年頃か、又それ以来、何人くらい 訳者がおられるのか、等の翻訳史を知りたいのですが。。
- natsuko222
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こんにちは。 ここにも相当な音楽聴きの方が何人かいるのですが、やはりこれは難問と見えます。私の以下の回答も答ではなく単なるヒントです。この質問をきちんと調べれば、論文として認められるかどうかはともかく、音楽雑誌の記事になる程度のかなり高度な内容のものですね。 先ず、質問以前に礒山雅さんの『マタイ受難曲』辺りは既に概略でも読んでおいでだろうと思います。これに日本での演奏史や日本発売全曲盤のディスコグラフィーがあるとも思えませんが、とにかく手始めに読んでいておかしくはない本でしょう。私はこれは読んだことはありませんが、なんらかのヒントはありませんでしたか(樋口隆一さんの『バッハカンタータ研究』には、そのような内容は一切無かったと思いましたが)。 それはさておき、1年半ほど前に偶然或る骨董市で、1969年にカール・リヒターがミュンヘン・バッハ管弦楽団を率いて来日した際の演奏会のパンフレットを手に入れました。これに吉田秀和さんが書いた文章があり、この質問への非常に重要なヒントが含まれています。 > 戦前、キッテル指揮によるポリドール版の抜粋レコードがあった。 > しかし実演を聴いたのは、おそらく3回だけだろう。 > 戦争中だったか、ローゼンシュットック指揮で、日本交響楽団が定期でやったのが初めて。 > 二度目は、いつぞや二期会がやったもの。(3度目はドイツでのことなので略) 今や或る掲示板では「吉田翁」とまで言われている方ですが、これだけの人が実演を聴く機会を逃すはずもありません。ですから全曲演奏はおそらくリヒター以前には僅かに2回しかなかったのではないかと推測できます。同時に、演奏会に合わせてやはり歌詞の翻訳も行われたと考えるのも妥当な推測ではないでしょうか。 ただしこのパンフレット巻末の広告を見ると、「宗教音楽研究会」というアマチュア団体が67年、69年に「マタイ受難曲」を演奏したとあります。そちらでは翻訳を新たに行ったのか、以前の演奏会もしくはレコードのものを転用したのかは判りません。 とにかく推測を続けます。1969年までにおいて、 ・それまでの時点で、時間的にもかなりの隔たりがあるので、演奏会の度に翻訳が行われたかもしれない(とすれば2回と、「宗教音楽研究会」のもの)。 ・上記のものは全曲版のレコードの翻訳を転用した可能性もある。 ・これ以外には全曲版のレコードを徹底的に調べるしかない。 ・ある時点までの国内発売バッハ作品レコードの総目録が、レコード芸術の本文に綴じ込まれていたことがあった(これは1970年代後半に出たものだったはずです。実はこれを持ってはいるのですが、資料がすぐに出せるところにはないので、このままにしておきます)。 ・1970年代以後も実演はそれほど頻繁に行われたはずがないので、これも徹底的に調べるしかないだろう。 というのが結論です。 その上でもしなんらかの援助を求められるところが在るとすれば、 音大の博物館(武蔵野の場合「楽器博物館」ですから、これはどの程度役に立つか判りません)、 民音の音楽博物館(私は以前の「資料館」としてしか知りませんでしたが、いつの間にか改組されていたようです)、 http://museum.min-on.or.jp/top.html 東京文化会館の資料室 http://www.t-bunka.jp/shiryou/ongakushitsu.html といったところでしょう。尤も、質問の内容からは既にこの程度のことはご存知だろうと思います。 最後に、この69年のパンフレットの翻訳担当は栗原浩さんになっています。角倉一郎さんが解説を書いていますが、角倉さんもレコード版の翻訳をしているはずです。アルヒーフのリヒター盤は角倉さんだったのではないかと思いますが、これも手近にレコードが無いため、確認しません。 質問の当初の主旨である、最初に訳したのは誰かという問題に戻ります。部分訳ならばともかく、全訳の場合、音楽そのものを聴ける状況でなければ訳すことにそれほど大きな意味があるとは思えません。そうだとするとこれはローゼンシュトックの演奏の際に訳されたのが初めてではないだろうか、というのが最もありそうな推測になるでしょう。 日本交響楽団は現在のNHK交響楽団の前身ですが、直接の母体というわけでもないようです。 http://ja.wikipedia.org/wiki/NHK%E4%BA%A4%E9%9F%BF%E6%A5%BD%E5%9B%A3 この辺は複雑ですから、この件をN響に問い合わせても判らないかもしれません。 このウィキペディアの記事を読んでいて感じましたが、或いは日本でのクラシック音楽の演奏の歴史をまとめた本、もしくは雑誌記事というのも存在するかもしれません。 これ以上は、視点を変えたりして、自分で努力をするしかないでしょう。頑張ってください(角倉さんはNHKFMのバッハ作品の放送を通じてなじみのある方ですが、果たしてこの質問を直接訊ねて的確な答が返ってくるかどうかは判りません)。
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- たなか ともゆき(@pote-nyan)
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こんにちは。 一つ目の質問はこうなっています。 「私たちは涙にくれてひざまづき 墓の中のあなたに呼びかける」 明らかに、ご存知のものとは異なります。あまり字数や調子にとらわれない口語体の文章ですね。 次のレコードの総目録ですが、これは「いつ頃に、どこのレーベルで、誰の指揮といずれのオーケストラ、どの独唱者・・・、のものが発売された」というデータの一覧です。残念ですが解説を書いた担当者の名までは記載がありません。 角倉さんのバッハ叢書別巻2の『バッハ作品総目録』にも楽譜の所在は記載してありますが、録音に関するデータは無かったと思います(これはあまりに高いので、図書館から借りたことがあるのみです)。 私は探したことがありませんが、多分ウェブにも日本語翻訳者のみでもそのデータををまとめたページはないでしょうね。たとえ入手の容易なレコードからデータを集めるとしても、自身に相当な収集があるか、或いは東京圏に居住していていくつかの資料館を随時利用するのでなければ、手も付けられないでしょう。 幸いnatsuko222さんはこれらの施設を利用できる状況のようですから、残るはやっぱり努力、だけですか(申しわけありませんが、微苦笑しています)。 ただし、文化会館は閉架で、資料を一々請求して出してもらわないといけません。またコピーに付いても可不可が判りません。ですので最後に国内で初めて(昭和40年代前半)レコードの館外貸し出しを始めた文京区立図書館も紹介しておきます。 http://www.lib.city.bunkyo.lg.jp/ 純粋に『マタイ受難曲』のみが検索で出てこないため、実際に何セット所蔵しているのかが判かりません。ですがここ(特に小石川図書館)ではLP時代からの所蔵資料をきちんと保存しているはずです。目的を告げて資料を請求すると、手際よく対応してもらえるかもしれません。 館外貸し出しも利用資格を問われないので、必要ならば借り出して利用することも出来ます(もし借り出した資料を返却に行くのに都合が悪ければ、きちんと包装した書留便で返却してしまうということも可能です)。 http://www.lib.city.bunkyo.lg.jp/riyou.html#%97%98%97p%8E%D2%93o%98^ あと一つ。音楽之友社から日本版の楽譜が1976年10月に出ています。これにも訳詞はあるかもしれませんが、年代から考えるとそれ以前の訳を転載した可能性も高いです。 ただしこれは90年代末に絶版になり、替わって全音楽譜出版社から皆川達夫さんの訳のある原典版が刊行されています。 http://www.amazon.co.jp/gp/product/4117181807/sr=1-1/qid=1165464766/ref=sr_1_1/503-6908611-8069529?ie=UTF8&s=books ということで具体的には全く話が進まず、私自身は作詞家がピカンダー(単独かな?)だったのかと再確認したのでした(苦笑)。これが聖書にある詞章をそのまま使っているのなら、その翻訳は聖書協会版聖書にあるものに決まっているに違いありませんが、実際はそうではないので話が極めて面倒なことになっているわけです。 地道な調査を続けて、論文として発表されるか、或いは音楽雑誌に投稿されると良いと思います。
お礼
pote-nyanさま、早々の再度のご回答深謝申し上げます。 私はマタイ受難曲の翻訳の歴史と翻訳の中身を比較検討各々の翻訳の影響などを 知りたいと思っております。まったくの素人で仕事の合間に少しづつ 自分のテーマとしてやろうかなと実行に移しつつあります。超スローではありますが。。(ドイツ語は読めます) 別に論文をものそうという大それたつもりはございません。 もし私が文学部か関連の学科の学生に戻れたら、そうするかもしれませんけど。 あと、本日鈴木雅明さんの「わが魂の安息、おおバッハよ!」 (04年音楽乃友社)を図書館より借りられました。このなかで、 マタイの初演は1937年6月19日日比谷公会堂でプリングスハイム 指揮、東京音楽学校管弦楽団で行われたとあります(写真付)。ご参考まで。 さいごに重ねて御礼申し上げます。また何かの節にはよろしくどうぞ。
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