借地上の建物賃借人の地代(代位)弁済について

このQ&Aのポイント
  • 最高裁判決によると、建物賃借人の地代弁済を容認しているが、なぜ問題になるのか疑問がある。
  • 借りている建物の賃貸借契約には利害関係があると考えられるが、判決では利害関係を認めないとされている。
  • なぜ500条を適用できなかったのか疑問がある。
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借地上の建物賃借人の地代(代位)弁済について

最高裁昭和63年7月1日第二小法廷判決「建物賃借人の地代弁済と第三者弁済」 http://shibuya.cool.ne.jp/remisuke/39bensai.pdf の判例を勉強していて、疑問に思うことがあり質問させていただきます。 本件では、建物賃借人が民法474条2項の 「法律上の利害関係を有する第三者」に当てはまるかどうかについてが争われており、 最高裁判決は建物賃借人の地代弁済を容認しています。 しかし素人目からすると、どうしてこれが問題になるんだろう?と思ってしまいました。 借りている建物が建っている土地の賃貸借契約に関して、利害関係を有しない筈はないのでは?と。 しかし第一審では利害関係を認めないとの判決が下っているし、 建物賃借人が利害関係を有するか否かという法的根拠をどこに置くのだろう?と疑問に思いました。 また今回の問題を474条2項でなく500条を適用することは出来なかったのでしょうか? 何かアドバイスいただけましたら幸いです。 どうぞよろしくお願いいたします。

質問者が選んだベストアンサー

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  • fixcite
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回答No.1

そもそも474条2項で利害関係の無い第三者が債務者の同意なく弁済(というかこの判例の場合、弁済の提供)をすることが否定されているのは、平たく言えば「債務者が弁済をしないことで迷惑をかけないならば、部外者はおせっかいをするな」という趣旨です。また、立法当初は、弁済者が求償権の行使に当たり旧債権者よりも苛酷な取立を債務者に対して行うのを予防するため、ともされていました。 ここでいう利害関係人とは法律上の利害関係人とされ、弁済をしないことで法律上の「迷惑」を被る者、より正確には、法律上の不利益といえる権利義務変動が起こる第三者をいうと理解されるべきでしょう。 ところで、「おせっかい」云々は、たとえば弁護士の委任契約による事務行為等行為債務ならいえる話なのでしょうが、ご指摘の判例のような地代等金銭の給付債務ならあまり意味のある根拠とはいえないとも考えられます。また、元の債権回収のための過酷な回収行為云々も現代では貸金業法や弁護士法、サービサー法等の取締法規等で対応するべき問題であり、民法で対応せよというのは的外れともいえるでしょう。 そのような見地からすると、この利害関係人の範囲は表裏一体の利害関係が認める限り広く認めるべきとも考えられます。 地代が払われず借地契約解除となることにより、借地権を前提として存在しうる建物が収去請求を受ける点で、きわめて密接な法律上の権利変動を招くことになるといえるでしょう。そうすると、このような借地上の建物所有者も474条2項にいう利害関係人に含めて解するべきである、というべきではないでしょうか? 類似例として、借地権者が建物を自己所有していた場合で建物に抵当権を設定していたときも、その抵当権者は借地権者の地代債務につき利害関係人となるとされています。たとえば、金融機関が債権回収のために借地上の担保物件を確保すべく地代を立替えているケースは実務上も結構あります。

kujirasky
質問者

お礼

ご丁寧な回答ありがとうございます。 一見素人目には単純そうに見える事件も、こんなにも法的な根拠やこれまでの経緯が存在していたんですね。 まだまだ自分の勉強不足を痛感すると共に、これからも法の知識だけでなく論理的思考も身につけるべく、精進したいと思います。 どうもありがとうございました!

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