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バンドギャップ?
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- motsuan
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化学系だとHOMOとかLUMOを例にとった例にとってもよいかなと思って検索を掛けてみたらURLが引っかかりました。(電子の自由度があって構造変位が起りにくい分子ならいいと思うのですが、小さな分子で構造変位と電子状態が1対1に対応するような場合も良くある間違いになるのか不思議に思いました。) 参考までにというか蛇足ですね。 (自由電子に周期的な原子ポテンシャルを与えてバンドギャップが形成される立場と分子軌道のように原子を近づけてさらにその塊を近づけてとやっていったときに発生する分子軌道の分裂にづぐ分裂で稠密な軌道を考えてバンドを説明する立場もあるとおもいます。同じ周期性をもった電子雲の密度がどこにあるかで、同じ波数でもエネルギーに差が発生することが分かると思います。)
- siegmund
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siegmund です. > 僕は工学部化学系の大学3回生です。 > この講議は、卒業単位にも加算されず(他学科の専門科目であるから、らしいです)、 > ただ単純に興味から受講してみたんです。 > しかし、受講してみると結構面白く、勉強してみようかなと。 そうですか,これは失礼しました. 他学科なのに興味をもって物理を勉強してみようというなら, もうちょっと答えなくっちゃね. まず,単なる自由電子でしたら, 波数 k に対するエネルギーは E(k) = (h/2π)^2 k^2 / 2m で放物線型です. ところが,固体中ではイオン(原子から自由電子が抜けたから,正電荷を持っている)が 周期的に並んでいますから,周期ポテンシャルがあることになります. 周期ポテンシャルのある場合, 単純に1次元で考えますと,下図のようになります. E(k) │\ │ \ │ \ <-- 上のバンド │ \ │ \ ↓ │ \ エネルギー │禁 ギャップΔE │禁 ↑ │ / <-- ここまで電子が詰まった(フェルミ面) │ / │ / │ / <-- 下のバンド │ / │/ └──────┤ k π/a a はイオンの間隔. 本当は直線ではなくて曲線になっていますが,曲線は描けないので直線になっています. 固体電子論(or 固体物理)のテキストにはおそらく必ず上のような図が載っているでしょう. 図からわかりますように,「禁」と書いた部分のエネルギーに対応する状態はありません. 電子はフェルミ粒子ですから,電子が多数個ある時はエネルギーの低い方から順に 詰めていくことになります. で,詰めていったとき,ちょうど下のバンドが詰め終わったときに電子が品切れになった としましょう. そうすると,一番上の電子にエネルギーを与えてエネルギーの高い状態に移すためには 最低ΔE のエネルギーを与えないといけません. こういう状態が半導体です. くだいて言えば,一番上の電子がどこか別の座席に動こうとしたとき, エネルギーの低い側の座席は他の電子がもう座っている, エネルギーの高い方の座席はΔEだけ上らないといけない, というわけでなかなか動けないのです. こういうバンド構造は半導体に限ったことではなくて,金属でも同じ事情です. 決定的な違いは,電子を詰め終わったときに, ちょうどバンドが満たされたか(これが半導体), あるいはバンドの途中で終わったか(これが金属)です. バンドの途中に一番エネルギーの高い電子がいれば, ちょっとエネルギーを与えてやれば,すぐ上の座席にいけます. > どうして半導体はバンドギャップを持ってるのでしょうか 上の話からおわかりと思いますが,むしろ話は逆で, ギャップの下のところまで電子が詰まったから半導体なのです. なお,上のバンドの図で,バンドは2本しか描いていませんが, 同様な繰り返しが上の側にいくらでも続きます. 上のような話では1つの原子から偶数個の電子が自由電子として供給されると, ちょうどあるバンドを満たしたところで電子を詰め終わることがわかっています. (大して難しいことではありませんが,長くなるので省きます). シリコンやゲルマニウムは典型的半導体として知られていますが, どちらも1原子から4個の自由電子が供給されます. だからこそ,Si や Ge は4価の化合物が普通なわけで, ここらへんは化学系の yosipooh さんはよくご存知でしょう. 実を言うと上の話は極めて単純化した議論です. 現実の物質は3次元ですし,結晶構造も様々,バンドの形も種々多様です. 単純に,1つの原子から偶数個の電子が自由電子として供給されると半導体, というわけには行かないものもたくさんあります. 周期律表で Ge の下の Sn や Pb は金属ですし, アルカリ土類は1原子から2個の自由電子が出ているのに金属ですね.
- siegmund
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固体電子論という名前の講義なら,たぶん学部4年あるいは大学院の講義ですよね. 半導体のバンドギャップは固体電子論の中心的話題の一つですから, 講義でやったりテキストに載っていたり,だと思うんですがね. せっかくですから,ヒントくらい. ただの電子気体だったら,エネルギーは k^2 に比例し, 変なことは起きない. 固体中ではイオンによる周期ポテンシャルがあるから, そのためにバンド構造が現れる(ブロッホの理論). あとは,どこまで電子を詰めるかの問題.
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お礼
siegmundさん、回答ありがとうございました。 僕は工学部化学系の大学3回生です。この講議は、卒業単位にも加算されず(他学科の専門科目であるから、らしいです)、ただ単純に興味から受講してみたんです。しかし、受講してみると結構面白く、勉強してみようかなと。 回答を参考にもう少し考えてみます。