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熱伝導と熱伝達の違いとは?
noname#230359の回答
「熱伝導」「熱伝達」という言葉を文章の中で使う場合に大きな意味の違いがない場合が多いと思いますが,「熱伝導率」「熱伝達率」という言葉には定義があって,明確に意味が違います。 ◆熱伝導率 ※固体の中の伝熱を扱うときに使います※ 両面の温度をそれぞれTi,Toとし,面積A,厚さδの面を伝わる単位時間あたりの熱量をQは,以下の式で表すことができて,この比例係数λを熱伝達率といいます。 Q=(λ/δ)・(Ti-To)・A 単位は,[K/W]です。(SI単位の場合) ◆熱伝達率(熱伝達係数とも言います) ※固体の表面と流体の間の伝熱を扱うときに使います※ 固体表面の温度をTw,流体の温度をTbとし,伝熱面積Aの面を単位時間あたりに伝わる熱量をQは,以下の式で表すことができて,この比例係数αを熱伝達率といいます。 Q=α・(Tw-Tb)・A 単位は,[K/m・W]です。(SI単位の場合) 間違いやすい(≒巷の表現は不適切な場合が多い)言葉ですが,適用する箇所,物理的な意味が違います。 ・鉄に比べアルミの方が,材料の特性として「熱伝導」が良いことは確かと思います。 ・鉄表面とアルミ表面から空気に伝熱する場合,どちらが熱が伝わりやすいか?固体から周囲の気体に放熱(伝熱)するモードとして,「対流」と「放射」があります。対流については,周囲の気体と固体面の温度差が運搬される熱量の決定要素です。(表面積が同じなら鉄もアルミも放熱性能に変わりはありません) これに対して,放射については温度差以外に固体面の「放射率」を重要なパラメータとして加える必要があります。通常の仕上げのアルミ板と鉄板を比べた場合,アルミ板の方が放射率が低く,放射によって運ばれる熱量が少なくなると思います。(金属表面から周囲の空気に対しては,アルミの方が熱を伝えにくい結果が出たとしても,理屈に適っているということです) なお,放射率は表面の仕上げによって大きく変わります。鏡面研磨すれば放射率は低くなり,粗面では高まります。また,アルマイトや塗装により高く(1に近づける)ことができます。(塗装をすれば,鉄とアルミの差はほとんどなくなるものと思います) 常温に近い領域の放熱を扱う場合,対流と放射は同程度の熱量を運搬することを付け加えておきます。
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表面処理の違いによる傾向もアドバイスして頂き、ありがとうございます。 この件は、試験をしていく予定ですので、とても参考になりました。