プリント配線板の金めっきについて知りたい
- 初心者向けのプリント配線板の金めっきの基本的なプロセスや分類について教えてください。
- プリント配線板の金めっきにはシアン金とノンシアン金の2種類があります。それぞれの特徴やプロセスについて教えてください。
- 金めっきには酸性、アルカリ、中性浴の3種類があります。それぞれの違いについて教えてください。また、置換めっきと還元めっきの特徴についても教えてください。
- 締切済み
プリント配線板の金めっきのことで
プリント配線板の金めっきのことでご教示願えないでしょうか? 初心者のため、基本的な、無電解めっきのプロセスや分類を知りたい のですが身近に文献がなく困っております。 知りたい内容は、以下の項目ですが、回答や参考文献、hpが御座いましたら ご教示お願い申し上げます。 ・プロセス(工程順) ・シアン金、ノンシアン金の違い(特徴、プロセスなど) ・酸性、アルカリ、中性浴の違い ・置換、還元めっきの特徴 どうぞ宜しくお願いします。 (かなり困っております)
- 電子部品・基板部品
- 回答数3
- ありがとう数3
- みんなの回答 (3)
- 専門家の回答
みんなの回答
めっき薬品メーカーにより多少なりとも相違点がありますので、一般的なものとして簡単にご回答します。 ・プロセスは先の回答者にあるMeltexのHPで判ると思います。 ・シアン金は従来からあるめっき液で、金の錯体として毒物であるシアンを使用しています。めっき浴としてはノーシアンよりも安定で使い易い、コスト的に安い等があります。ノーシアンは亜硫酸を錯体として使用しますが、10年ほど前から市場に出始めています。毒物を使いたくないのがそもそもの開発された理由ですが、めっき浴としては不安定で、亜硫酸金の価格が高いためコスト的に高くなるため、一般的にはそれほど使われていないと思います。毒物とはいえシアンは確立された分解手法があるため、実際に使用を嫌がるところは少ないためと思います。但し、5年ほど前から析出皮膜の構造が緻密で半田接合性に優れるという利点が見出されつつあります。但し、これに関してはシアン浴も改良が進んでおり、現状では圧倒的にシアン浴が主流です。 ・酸性浴は弱酸性で最も多いタイプと思います。扱いやすいのですが、析出速度が遅く、厚付けには向きません。これに対し、アルカリ浴は不安定ですが、析出速度が速いため、厚付け用として使われています。中性浴はこの中間という感じです。厚付けの金の需要がそれほど多くも無いので、弱酸性浴が主流と思います。 ・置換めっきは、下地のNiが溶解してAuが析出するもので、文字通り置き換え(おきかえ)です。このNi溶解が半田接合性にいろいろな影響を及ぼしますが、これを書くととてもではありませんがスペースが足りません。還元は金めっき液中に還元剤が含まれていて、析出した金を触媒として更に金が析出するものです。とは言っても、初期の反応は置換反応で始まっています。めっき液の配合を変えることにより、置換の割合を減らしたり増やしたりいろいろな種類が可能です。また、置換還元複合タイプなどと呼ぶめっき液メーカーもあります。 ・シアン浴は酸性、中性、アルカリ性いずれもあります。ノーシアン浴はそれほど詳しくは無いのですが、酸性が主と思います。アルカリ性では浴が不安定過ぎて、現実的には不可能なのではないでしょうか。個人的には酸性、中性、アルカリ性にあまりこだわる必要は無く、目的(厚付けか薄付けか?求める品質レベル等)に応じてめっき液を選定し、結果としていずれかの浴になるということだと思います。 ・アクチベーションはPdを銅上に付与する工程です。但し、無電解銅めっきではPd/Snコロイドを電気的に吸着させますが、無電解Ni/AuめっきではPdイオンが銅と置換して付与されます。よって、アクチベーションの液はPdイオンを含有する単純なものでコロイドほど複雑ではありませんし、取り扱いも容易です。単純な置換反応ですので絶縁層上には基本的にはPdは析出しませんが、後の水洗が不十分であったりすると、残渣として残ることがあります。 ・文献は見ますが、薬品メーカーから入手するものがほとんどで、市販の本等には詳しくありません。私自身も本等ではなく、実践上の様々なトラブル等を経験する中で、薬品メーカーとのいろいろな情報のやり取りで学んだことがほとんどです。本で学ぶことも否定はしませんが、常に薬品メーカー等からいろいろな情報がもらえるように関係を築かれることをお勧めします。 ・シアン浴は酸性、中性、アルカリ性いずれもあります。ノーシアン浴はそれほど詳しくは無いのですが、酸性が主と思います。アルカリ性では浴が不安定過ぎて、現実的には不可能なのではないでしょうか。個人的には酸性、中性、アルカリ性にあまりこだわる必要は無く、目的(厚付けか薄付けか?求める品質レベル等)に応じてめっき液を選定し、結果としていずれかの浴になるということだと思います。 ・アクチベーションはPdを銅上に付与する工程です。但し、無電解銅めっきではPd/Snコロイドを電気的に吸着させますが、無電解Ni/AuめっきではPdイオンが銅と置換して付与されます。よって、アクチベーションの液はPdイオンを含有する単純なものでコロイドほど複雑ではありませんし、取り扱いも容易です。単純な置換反応ですので絶縁層上には基本的にはPdは析出しませんが、後の水洗が不十分であったりすると、残渣として残ることがあります。 ・文献は見ますが、薬品メーカーから入手するものがほとんどで、市販の本等には詳しくありません。私自身も本等ではなく、実践上の様々なトラブル等を経験する中で、薬品メーカーとのいろいろな情報のやり取りで学んだことがほとんどです。本で学ぶことも否定はしませんが、常に薬品メーカー等からいろいろな情報がもらえるように関係を築かれることをお勧めします。
「メッキ技術入門」理工学社 金属加工技術研究所編 2575円 上記のような専門書を本屋や図書館で調べたらいかがでしょうか? ご質問のように多岐に渡る事項では一冊の専門書に頼るほうが良いかも しれませんよ。
お礼
迅速なご回答を頂きまして有難う御座いました。 年末の休日を利用して、都心の大きな書店などで 捜してみます。 一度、調べた事はあるのですが、装飾めっき関係の 本が多かったのですが、めっきの基本はきっと同じ なのでしょうね。頑張って見ます。有難う御座いました。
大まかなプロセスが出てます。 http://www.meltex.co.jp/allprod/detail_2.php?pseq=30 その他、ニッケル金の薬品を扱ってる会社です。 聞いてみてはどうでしょうか? http://www.okuno.co.jp/pdf/4_productsj.pdf http://www.uyemura.co.jp/product_list_2005/content-ja.html#b http://www.kanigen.co.jp/ http://www.netjpc.com/product/product_01.html
お礼
迅速なご対応を頂きまして、大変有難う御座います。 hpを見て、イメージがだんだんと判ってきたように思います。 各メーカで薬品の呼称などが若干違うのですこし混乱しますが。 私は、銅めっき関係は少し判るので、応用を利かせて考えて 行きたいと思います。 勉強のきっかけを与えて頂きました事、感謝致します。 どうも有難う御座いました。
関連するQ&A
- プリント基板の金めっきについて
プリント基板の金メッキの全体像を整理したい(しなければならない) 状況にあるのですが、知識が乏しく不明な部分が多いので、詳しい方 のアドバイス、資料、HPの情報をご教示願えないでしょうか? 内容は、 電解、無電解(こちらがメイン) 置換めっき、還元めっき 酸性浴、中性浴、アルカリ浴 ソフト金、ハード金 光沢あり、光沢なし これらの金めっきの分類を体系図にして、どの様な用途で 使い分けしているか、特徴・・・などを整理する必要がありまして 悩んでおります。 ご助言など頂けましたら、幸いで御座います。
- 締切済み
- 電子部品・基板部品
- ニッケル無電解めっきの膜組成について
ニッケル無電解めっきのやり方には、アルカリ性浴や酸性浴などいろいろなありますが最終的にできるめっきにはどういう違い(めっき自体の成分)があるのですか?図書館の本やインターネットでいろいろ調べてみた結果、載ってなかったのですが・・・。詳しく知ってる方がおられましたら教えてください。
- 締切済み
- 化学
- 金メッキの方法
学生です。研究の製作工程で金メッキが必要となたんですが、ほとんど知識がありません。私のメッキの用途としては、20μmx40μm高さ50μmの微細構造体を製作するためです。学校ではシアンは使用できませんので、弱アルカリ性高純度金メッキ液を考えています。(ほかに、均一性がよくて厚づけできる液在ありますか?)シリコンの基板の上に導電層として真空蒸着で金属膜をつけようと思うのですが、どんな材質が良いでしょうか? ストライクメッキをすると密着性が良くなるそうですが、具体的にどうすれば良いのでしょうか?なかなか、文献を調べても微細電鋳についてはまだ少ないので、ぜひとも知恵をかしてください。どんな情報でも良いのでよろしくおねがいします。
- 締切済み
- メッキ
- メッキ異物?
お世話になります。素人ですが困っております。 よろしくお願いいたします。 現在、鉄へNi・Crメッキをしているのですが 数%で異物付着の不良が発生しております。 ワークは研磨後の鉄製品が主です。 工程は 石油系溶剤で前洗い アルカリ脱脂及び水洗 電解脱脂+及び水洗 電解脱脂- 電解脱脂+及び水洗 メッキ工程です。 メッキ工程ではアノードバック及び濾過機の管理は実施 しております。 電解脱脂についても濾過しています。 石油系溶剤は持ち出し分を継ぎ足し使用のみ。 アルカリ脱脂についてはほぼノーケアで持ち出し分を継ぎ足し。 アルカリ脱脂の水洗水いついては4~5ヶ月ごとに更新 しています。 不良は数%で推移しておりますが 突発的に20%以上が2~3日発生することもあります。 現状でなにか改善できないか 皆様のご指導いただきたいと思います。 よろしくお願いいたします。
- ベストアンサー
- メッキ
- Sm2Co17磁石への電解Niメッキ
サマリウムコバルト磁石に電解Niメッキを施した製品を購入してますが メッキ剥がれやメッキ未着が発生して困っています。 サマリウムコバルトは、粉体を焼き固めたものなので脆く、強度を上げるため 周囲に電解Niメッキを施しています。 形状は円筒状 外径5mm 内径3mm 高さ3mm 粉体であるため、隙間が多くメッキがしにくいことと、前処理の 酸処理で適した酸が無いようです。 サマリウムコバルトに電解メッキをするのが難しい理由とその対策を教えて 頂きたく。 工程 加工→アルカリ洗浄→水洗い→乾燥 水洗い→電解メッキ(バレル)→水洗い→アルコール置換→乾燥 宜しくお願いします。
- 締切済み
- その他(材料・素材)
- 無電解Niめっき後の洗浄
当方、品物に無電解ニッケルめっきを施しています。めっき後は、温水洗→ドライヤー乾燥で仕上げてます。が、どうも品物の表面に汚れが残るため、温水洗の前にアンモニア水にて予備水洗したところ、乾燥後の表面汚れは、ほぼ皆無になりました。なんとなく、めっき後の品物表面に付着したニッケルめっき液(酸性)をアルカリで中和してとれないかとやってみただけですが、メカニズムがよくわかりません。どなたか、原理がわらる方がおられましたら、御教示下さい。
- 締切済み
- メッキ
- 無電解ニッケルメッキと電解ニッケルメッキ
無電解ニッケルメッキと電解ニッケルメッキの違い(メッキ工程、2つの特性、膜厚等) について教えてください。 ピアノ線(SWP-B)又はSUS304(ステンレス)を使った微細バネにニッケルメッキを 施したいのですが、図面上の膜厚は3±1μ指定となっております。 どちらのメッキが適正なのでしょうか?
- 締切済み
- メッキ
- 化成処理と無電解メッキについて
1.化成処理はどのような機構で皮膜が形成されるのか。触媒と還元剤が必要な無電解メッキとの違いについて。 2.無電解メッキで加温する理由。加温しない場合はどうなるのか。 この2点を教えて下さい。
- 締切済み
- メッキ
お礼
Engineer様 素晴しい回答を頂きまして感謝感激であり、また頭の中のモヤモヤが清流が 流れるごとく、爽快になった感じです。本当に有難う御座いました。 非常に実践的なご回答で、貴重で重鎮な内容であると感じました。 凄く厚かましく申し訳ないのですが、以下の点につきまして、まだ モヤモヤ感が残っておりまして、宜しければ教えて頂けないでしょうか? 1)シアン/ノーシアンと酸性/アルカリ性の関係(組合せ) シアンもノーシアン金も、酸性、中性、アルカリの浴があるのでしょうか? 2)触媒付与のアクチベーションは、銅めっきの様にPdの核を付与する ことなのでしょうか? 3)P板の銅めっきの場合、絶縁物をコンディショニングにて帯電させて Sn/Pdコロイドの吸着を促進させますが、金めっきの場合、絶縁層上には 触媒を付与せず、銅パターン上に選択的に触媒を付けると思うのですが イメージ(メカニズム)が沸きません。(化学屋ではないので非常にバカな 質問になっているかも知れませんが)教えて頂けないでしょうか? 4)この辺りの内容を勉強できる文献で、先に回答頂いた方の紹介本 以外でも何か良い物など御座いましたら、紹介願えないでしょうか? 非常にお手数掛けまして申し訳御座いませんが、宜しくお願い 申し上げます。