「液晶は原理的に焼け付きは起こらない」という事は、半分は合ってますが、半分は間違いなのです。
液晶モニタの内、幾つかの機種では、焼き付きを起こします。
ただし、CRTの様に、永久的に焼き付いてしまう訳ではありません。
そういう意味では、発光素子が劣化するという意味での「焼き付く」とは違いますので、「焼き付きが起こらない」とは言えます。
焼き付いてしまう条件は、静止画を長時間画面に出しておく事です。
これによって液晶の動きが鈍くなって、正確に画像を表示できなくなる
という状態になります。
実際に焼き付きを確認する状態としては、真っ白または真っ黒、あるいはそれに近い色を表示させます。そうすると、ぼんやりと元々あった画像が見えるようになります。数十分の焼き付きは、その跡がうっすら
と見える感じになり、10日前後放置すると、元の画像の色までなんとなく分かるようになってしまいます。
それを防ぐには、静止画を表示させたままにするのではなく、画像を動かしておくというのは、CRTと同様です。
ただし、LCDの場合は、焼き付いてしまった後でも、しばらく画像を動かしていれば直ります。
何故この様になるのかといいますと、液晶はシャッター(あるいはブラインドカーテン)として働いてますが、焼き付きとは、そのシャッターが閉じ切らなかったり、開き切らなかったりすると考えていただくと、分かりやすいのではないかと思います。
そうなった場合には、油を注したり、ゴミを取り除いたりすれば、壊れていない限り、元に戻ると思います。
液晶の場合は、画面が動かない事によって溜まってしまった電荷が、ゴミに相当します。そして、画像を動かす事により、余計な電荷が移動し、「ゴミが取り除かれた」という状態になります。
こうして、液晶は元の状態に回復します。