判例解説:上告棄却と上告費用負担

このQ&Aのポイント
  • 本件上告は棄却され、上告費用は上告人の負担とされました。
  • 上告人の上告理由第一点および第三点について、債権の譲渡に関する判断が正当とされました。
  • 上告人の補助参加人への異議を述べなかったことにより、参加についての論旨は採用されませんでした。
回答を見る
  • ベストアンサー

この判例を解説してください。

      主   文  本件上告を棄却する。  上告費用は上告人の負担とする。        理   由  上告人の上告理由第一点および第三点について。  自己の権利に属さない他人の有する債権を他に譲渡し、その債権の債務者に対して確定日附ある譲渡通知をした場合にも、原審認定のような事実関係のもとにおいては、その譲渡人に右債権が帰属するとともに特別の意思表示を要せず当然に右債権は譲受人に移転し、その後譲受人は右譲渡通知をもつて民法四六七条二項の対抗要件を具備したものというべく、以後これと両立しない法律上の地位を取得した第三者に対し右債権譲渡を対抗できるものと解すべきであるとした原審の判断は正当であつて、原判決に所論の違法はなく、論旨は採用しえない。  同第二点について。  所論指摘の原審の判断は、傍論であつてその指摘の違法があつても主文に影響がないこと明らかであるから論旨は理由がない。  同第四点について。  上告人が補助参加人の参加について異議を述べずに弁論をしていることは本件記録上明らかであり、したがつて上告人は民事訴訟法六七条の規定により参加について異議を述べる権利を喪失したというべく、論旨は採用しえない。  よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
回答No.1

この判例、理解するのに苦労したが、その要点はつぎのとおりである。  Aは、Y(被上告人)に対し本件債権を有していたところ、(1)X(上告人)はAに対する公正証書に基づき本件債権の差押・転付命令(第1の差押・転付命令)をえ、同命令は昭38・11・23AとYに送達された。 (2)Aは、昭38・12・5までにZ(補助参加人)に対し本件債権を譲渡する契約をし、Yに同日附の内容証明郵便で譲渡通知をした。 そして、右公正証書に表示された債権はすでに昭36・3・22日に譲渡されたものであつたので、AはXに対し別訴で本件債権の返還等を訴求して勝訴した。 (3)そこで、Xは昭40・11・2Aに対し本件債権を返還(再譲渡)し、Yに同日附内容証明郵便で譲渡通知した。 (4)その後、Xは再びAに対し別の債務名義に基づいて本件債権の差押・転付命令(第2の差押・転付命令)をえ、同命令は昭40・11・3AとYに送達された。    問題点は、他人の債権の譲渡契約(原因行為)もその譲受人が右債権を取得すれば、(準物権行為という意味の債権譲渡の意思の有無な場合でも、)その債権移転の効力が生ずるか、その後重ねて譲渡通知をしないでも第三者に対する対抗要件を有するか、であるが、いずれもこれを肯定したものである。  他人の債権を譲渡しても、債権移転の効力を生ずることはないが、それは譲渡人が債権を有していないという障害があるからで、その障害が除去されれば、すなわち譲渡人が当該債権を取得したときは、当然に債権移転の効力を認めてよいとの考えであろう。 これは、他人の物の売買についての大審院以来の判例(最判昭40・11・19民集19・8・2003など)の理論と同じものと思われ、判文上は債権譲渡というが、その原因行為である債権契約があつて、準物権行為という意味の債権譲渡の意思の有無が不明なときについても同様に解するものと思われる。(調査官解説)

その他の回答 (1)

noname#159916
noname#159916
回答No.2

AとかXとかYとかどこから沸いてきたのやら。 こういう質問にはこう言う回答しかつかないってことでしょうね。 気に入らない回答は削除させれば言いというのは極めて短絡的。 アホ質問を控えるようにしなさいよ。他人に迷惑なんですよ。 法に関する職に就こうというなら、そういう「基本的」な事をおろそかにするような人は 辞めて欲しいなぁ。

関連するQ&A

  • この判例を解説してください。

          主   文  本件上告を棄却する。  上告費用は上告人の負担とする。        判決理由 上告代理人樋渡洋三の上告理由について  所論の点に関する原審の認定判断は、原判決挙示の証拠関係に照らし、正当として是認することができ、その過程に所論の違法はない。論旨は、原審の専権に属する証拠の取捨判断、事実の認定を非難するものにすぎず、採用することができない。  よって、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。(裁判長裁判官大西勝也 裁判官根岸重治・河合伸一) 〈上告代理人樋渡洋三の上告理由〉 原判決には、判決に影響を及ぼすことが明らかな事実誤認並びに法律適用の違法がある。即ち、 一 時効完成後の被上告人の債務弁済によっては主債務の時効利益の放棄にはならないと認定して上告人の主張を棄却している。 二 しかし、一方では、主債務の時効完成後に保証人が保証債務を履行した場合でも、主債務が時効により消滅するか否かにかかわりなく保証債務を履行するという趣旨に出たものであるときは、保証人は主債務の時効利益の放棄に当たると解している。  思うに、この解釈は当然且つ妥当なものであるところ、原審は主債務者たる訴外興林社大東印刷株式会社(以下興林社と略称する。)が破産廃止後も営業をしておらず、資産はなく且つ無資力であり、この事実を興林社の代表取締役の長男であり且つ同社の取締役である被上告人は充分知悉していたこと、従って、被上告人は興林社が将来に亘って債務の弁済は不可能であり且つ被上告人が保証債務の弁済を継続しても興林社に求償権を行使出来ないことを承知で弁済している事実を認定しながら、それでも被上告人が興林社の主債務の時効消滅の認識がないからとの被上告人の主観を重視して時効利益の放棄を否定したことには重大な事実誤認であり且つ法律の適用の誤りである。 三 主債務者である興林社が正常な状態で活動(即ち、破産且つ破産廃止などなく活動している時)している時には、保証人が主債務の時効消滅を認識しないで弁済している場合には保証人の利益を保護する必要があるので、時効利益の有無につき保証人の主観を重視すべきであることは納得できるが、興林社が、破産、その後破産廃止をして何等活動をせず、無資力であり、且つこの事実を充分知悉してなお自らの求償権の行使が出来ないことを承知の上で主債務の時効完成後(昭和六二年七月五日の経過)平成元年一一月七日まで約二年強に亘って弁済してきた被上告人の場合には、自らの犠牲を覚悟で債権者に支払をしようとする意思の確たる表示であって、主債務の時効消滅の認識と云う主観を重視して特に保護する必要がない。  何故ならば、上告人に対し多大な費用の負担の上、破産廃止後何等活動していない興林社に対する無効果な訴訟を強いることになり、又興林社が無活動且つ無資力であり、同社より永久に債権の回収が出来ないため保証人たる被上告人の弁済に唯一期待している債権者の利益を不当に犠牲にすることになるからである。 四 依って、原判決には、判決に影響を及ぼすことが明らかな事実誤認並びに法律適用の違法があるので、原判決を破棄すべきである。                以上

  • 民法468条についてご教授宜しくお願いします。

    民法468条についてご教授宜しくお願いします。 第468条 債務者が異議をとどめないで前条の承諾をしたときは、譲渡人に対抗することができた事由があっても、これをもって譲受人に対抗することができない。この場合において、債務者がその債務を消滅させるために譲渡人に払い渡したものがあるときはこれを取り戻し、譲渡人に対して負担した債務があるときはこれを成立しないものとみなすことができる。 とありますが・・・ 例えば、債権額1000万円 A=債権者(債権の譲渡人) B=債務者 C=債権の譲受人として その債権譲渡につき、Bが異議をとどめないで承諾した時として・・・ ↓ AがCにする債権の譲渡前に、債務者Bがすでに債権者Aに弁済をしていても、そのことにつき、異議を述べないで承諾したので、譲受人Cには、それを対抗できず、Cには1000万円払いなさい。ただし、すでに500万円をAに支払っていた場合は、Aから500万円返してもらえますよ。ということでしょうか? また、「譲渡人に対して負担した債務があるときはこれを成立しないものとみなすことができる。」 とありますが、これは・・・ AがCにする債権譲渡「後」にBがAに対して債務を負った場合は、その債務は「AがCに債権譲渡した債権には含まれず」、「Aとの新たな債権債務関係として残る。」 ということで合ってますでしょうか? どなたかご回答のほど宜しくお願い致します。

  • この判例を解説してください

    住居侵入,窃盗被告事件 東京高等裁判所平成21年(う)第1642号 平成22年1月26日第8刑事部判決        主   文 原判決を破棄する。 本件を東京地方裁判所に差し戻す。        理   由 (中略)  第2 違法収集証拠の排除に関する主張について  論旨は,要するに,本件による逮捕に先立つ特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律違反による現行犯人逮捕は違法であり,このような違法な逮捕及びこれに引き続く身柄拘束を利用して行われた捜査も違法であるから,その過程で収集された毛髪及び被告人の口腔内細胞の鑑定結果を始めとする証拠には証拠能力がないのに,これらを証拠として採用し取り調べた上,有罪の認定に供する一方,原審弁護人からの証拠請求を却下するなどした原審及び原判決には,判決に影響を及ぼすことが明らかな訴訟手続の法令違反及び審理不尽がある,というのである。 1 実況見分調書(原審甲3),写真撮影報告書(同甲4ないし6,8。ただし,同甲4,6は添付写真のみ。以下,同じ。),鑑定嘱託書謄本(同甲11)及び鑑定書(同甲12。ただし,第1ないし第3及び第4の4に限る。以下,同じ。)の証拠能力について  そこで記録を調査して検討すると,原審が証拠能力を認めた証拠のうち,原審甲3ないし6,8,11(ただし,被告人のだ液に関する記載は除く。)及び12は,被告人の特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律違反による身柄拘束とは関係なく,独立した捜査によって被害者又は犯行現場から収集したものであって,同法律違反による現行犯人逮捕の適法性を論ずるまでもなく,証拠能力を認めることができる(なお,原審甲11,12の関連性については第1で判断したとおりである。)。原審及び原判決が,これらの証拠を採用し取り調べた上,有罪の認定に供した(ただし,原審甲11は証拠の標目に掲げられていない。)点については,判決に影響を及ぼすことが明らかな訴訟手続の法令違反及び審理不尽はない。 2 被告人の口腔内細胞に関する鑑定結果の証拠能力について (1)問題は,被告人から採取した口腔内細胞に関する鑑定結果(原審甲16及び西村の原審証言)の証拠能力である。すなわち,口腔内細胞については,被告人が任意提出し,鑑定を承諾したにしても,あくまで特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律違反による勾留中に採取されたものである。しかも,どのような経緯,具体的な状況において,被告人から任意提出を受け領置し,鑑定につき承諾を得たのか,必ずしも十分に立証されているとはいい難い。 (2)もとより,同法律違反による現行犯人逮捕及びこれに引き続く勾留に違法があったとしても,本件において,直ちに口腔内細胞の採取が違法となり,その鑑定結果が違法収集証拠となる訳ではない。しかし,違法な身柄拘束下において収集された証拠のうち,いかなる範囲の派生的証拠が排除されるかは,身柄拘束と証拠収集の関連性の強弱等の諸事情のほか,身柄拘束の違法の程度も考慮して検討するべき問題である。原判決が「弁護人の主張に対する判断」の第2の2で説示するように,被告人が任意提出した物であること,身柄拘束下の追い込まれた心理状態を利用して収集されたような形跡もうかがわれないこと(この点については,前記のとおり,十分に立証されているとはいい難い。)のみで,現行犯人逮捕の違法性の存否,程度を検討するまでもなく,両者の間に密接な関連性がないとして,証拠能力を認めたのは相当でない。  このように,原判決には,違法収集証拠に当たるかを判断する上で前提となる現行犯人逮捕の違法性の存否,程度を考慮に入れないとする点において誤っており,ひいては証拠能力の判断を誤った訴訟手続の法令違反がある。そして,被告人の口腔内細胞の鑑定結果を除く他の証拠によっては被告人が本件の犯人であると認めるに十分でないから,その違法は判決に影響を及ぼすことが明らかである。 (3)ところで,原判決は,前記のような判断に立ちつつも,「弁護人の主張に対する判断」の第2の3において,原審弁護人の主張にかんがみ検討するとして,特殊開錠用具の所持の禁上等に関する法律違反による現行犯人逮捕は適法であると判断しているが,その証拠として,現行犯人逮捕手続書(原審甲29),夏川葉子の検察官調書(同甲30),秋山五郎の検察官調書(同甲31),実況見分調書(同甲32)及び写真撮影報告書(同甲33)を認定に供していると解される。しかし,原審弁護人は,現行犯人逮捕の違法性を強く主張し、検察官が当初請求した証拠のうち,外国人登録原票(同乙1。写し)を除き,その余のすべてにつき,違法収集証拠であるとして証拠能力を争い,更に現行犯人逮捕の適法性を立証するために検察官が請求した前記の各書証についても,いずれも不同意とした上,逆に被告人を現行犯人逮捕したとする警察官2名(冬木六郎及び一色昭男)並びに現行犯人逮捕に至るまでの状況を目撃した夏川及び秋山の各証人尋問を請求した。それにもかかわらず,原審は,原審弁護人からの証人尋問の請求をすべて却下する一方,前記の検察官請求に係る各書証を「訴訟法上の事実であるから,伝聞法則の適用を受けない」として,不同意のまま採用して取り調べ,前記のとおり現行犯人逮捕の適法性を認定する証拠としていると解される。  しかし,現行犯人逮捕が違法と判断され,ひいては被告人の口腔内細胞の鑑定結果の証拠能力が否定されることにもなれば,前記のとおり,ほかの証拠によって被告人が本件の犯人であると認定するのは困難になる。原審弁護人の主張等に照らしても,本件において,現行犯人逮捕の適法性は,訴訟の帰趨に直接影響を与える重要な争点の1つであるから,当事者に攻撃,防御を十分尽くさせるべきである。しかるに,現行犯人逮捕手続書や現行犯人逮捕に至るまでの状況を目撃した者の供述調書を不同意のまま採用することをもって事足りるとし,原審弁護人からの現行犯人逮捕に関与した警察官等の証人尋問請求をすべて却下した原審は,原審弁護人に攻撃,防御を十分尽くさせたといえない。原審は,証拠採用に関する合理的な裁量の範囲を逸脱しているといわざるを得ない。この点について,原審には判決に影響を及ぼすことが明らかな審理不尽の違法がある。   論旨は理由がある。  よって,弁護人及び被告人のその余の論旨につき判断するまでもなく,刑訴法397条1項,379条により原判決を破棄し,同法400条本文に則り,前記のとおり別件の特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律違反による現行犯人逮捕の適法性及び被告人の口腔内細胞の鑑定結果(原審甲16及び西村の原審証言)の証拠能力の存否につき,更に審理を尽くさせるため,本件を原裁判所である東京地方裁判所に差し戻すこととし,主文のとおり判決する。

  • 司法書士過去問より(債権譲渡の問題)

    よろしくお願いします。 【前提】 Aが、債務者甲に対して有する指名債権を、Bに譲渡し、Bがその債権をCに譲渡した。 【問題】 甲がAからBへの債権譲渡について異議をととめずに承諾した場合には、BからCへの債権譲渡について甲が承諾をしていないときであっても、甲はAに債務を弁済したことにより、債務が消滅したことをCに対抗することが出来ない。 【解説の抜粋】 本肢では、甲がBC間の譲渡について承諾していない点が問題となるが、467条1項は、譲受人が債権の取得を主張できるかどうかの問題であって、譲受人が468条1項で保護されるかどうかとは別問題である。 上記の解説が理解出来ません。 自分の疑問は以下の通りです。 甲は、Cに債務の消滅を対抗できないとありますが、反対に、甲による承諾等が無いためCも甲に対し債権譲渡を対抗できないから、問題としておかしいのでは?と思っています。 (指名債権の譲渡の対抗要件) 第四百六十七条  指名債権の譲渡は、譲渡人が債務者に通知をし、又は債務者が承諾をしなければ、債務者その他の第三者に対抗することができない。 2  前項の通知又は承諾は、確定日付のある証書によってしなければ、債務者以外の第三者に対抗することができない。 (指名債権の譲渡における債務者の抗弁) 第四百六十八条  債務者が異議をとどめないで前条の承諾をしたときは、譲渡人に対抗することができた事由があっても、これをもって譲受人に対抗することができない。この場合において、債務者がその債務を消滅させるために譲渡人に払い渡したものがあるときはこれを取り戻し、譲渡人に対して負担した債務があるときはこれを成立しないものとみなすことができる。

  • 「異議をとどめる(とどめない)承諾」について

    いつもお世話になります。ご指導よろしくお願いいたします。 民法468条 「債務者が異議をとどめないで前条の承諾をしたときは、譲渡人に対抗することができた事由があっても、これをもって譲受人に対抗することができない・・・(以下省略)。」について。 債務者の「異議をとどめる承諾」とは、債権譲渡について「譲渡の件は了解しました。異議は述べません。」という解釈で、逆に「異議をとどめない承諾」とは、「異議ありだから納得しませんが、確定日付の証書があるから、対抗要件はないのはわかっています。」って解釈でいいのでしょうか? この場合の、「異議をとどめる承諾」と「異議をとどめない承諾」の効果の違いは、どういうものがあるのでしょうか? よろしくお願いいたします。

  • 民法467条、債権の二重譲渡についての質問です。

     債権譲渡についての質問です。  Aが債権者、Bが債務者で、Aがその債権をCとDに譲渡した。このとき、Cへの譲渡についての通知は、確定日付ある証書によりなされBに到達した。その後、Dへの譲渡についての通知はなかったものの、BがDへの譲渡について異議をとどめない承諾をした場合、Dから支払請求を受けたBは、これを拒むことができるか。  という問題ですが、民法467条2項により、DはCに対抗できないので、BはCのみを債権の譲受人として扱えばよく、Dへの支払を拒否できると解すればよいのでしょうか。Bが異議をとどめない承諾をしている点が引っかかるんですが・・・。  御教示、よろしくお願いします。

  • 民法468条にいう「対抗することができた事由」

    民法468条には 1項 債務者が異議をとどめないで前条の承諾をしたときは、譲渡人に対抗することができた事由があっても、これをもって譲受人に対抗することができない。 2項 譲渡人が譲渡の通知をしたにとどまるときは、債務者は、その通知を受けるまでに譲渡人に対して生じた事由をもって譲受人に対抗することができる。 とありますが、ここにいう「対抗できた事由」とは「債権の成立・存続もしくは行使を阻止・排斥する事由をさす」と判例は説き、具体的には同時履行の抗弁権、契約不成立、無効、取消・解除・相殺・弁済による債権の消滅があります。 ふと思ったのですが、債権譲渡後、譲渡前に相殺適状にあったものは譲渡後であっても、(意義なき承諾をしない限り)相殺できるというのが通説というか、当然のように説かれるのですが、ということは「対抗できた事由」には「債権譲渡前に相殺によって消滅したこと」だけではなく、「相殺権それ自体」も抗弁事由に含まれるということではないでしょうか?とすると、取消権と解除権それ自体も抗弁事由に含まれることになり、たとえば「私は未成年だから取消権をもっている」との異議をとどめなければ(通知なら問題はないが)、この取消権を譲受人に対抗できなくなるのではないでしょうか?? 詐欺なら格別、未成年者による取消には第三者保護規定がないので問題となると思うのですが、どうなんでしょう。 ご教授お願いします。

  • 行政法の「自動車運転免許停止処分の取消請求」

    下の「【参考】」に関して、下記につき、ご教示お願いいたします。 記 (1)「被上告人に対し自動車運転免許の効力を三〇日間停止する旨の処分(以下「本件原処分」という。)をしたが、同日免許の効力停止期間を二九日短縮した」 → (1)-1:これは、「自動車運転免許の効力停止期間が、30日から1日になった。」ということでしょうか。 (1)-2:「(1)-1」であるとそれば、なぜ、そのように29日間も短縮となったのでしょうか。 (2)「本件裁決取消の訴を適法とし本案につき判断した原判決には、法令の解釈を誤つた違法があり、右違法は判決に影響を及ぼすことが明らかであるから論旨は理由がある。」の内容を、やさしく教えてもらえませんでしょうか(ここの「論旨」とは、何を指しているのでしょうか。)。 【参考】 ________________________________________  自動車運転免許停止処分の取消請求 ________________________________________ ◆判例 S55.11.25 第三小法廷・判決 昭和53(行ツ)32 審査請求棄却処分取消、運転免許停止処分取消(民集第34巻6号781頁) 【判示事項】 自動車運転免許効力停止処分後無違反・無処分で一年を経過した場合と右処分の取消を求める訴の利益 【要旨】 自動車運転免許の効力停止処分を受けた者は、免許の効力停止期間を経過し、かつ、右処分の日から無違反・無処分で一年を経過したときは、右処分の取消によつて回復すべき法律上の利益を有しない。 【参照・法条】   行政事件訴訟法9条,道路交通法103条2項,道路交通法施行令38条1項2号 原審が適法に確定したところによれば、福井県警察本部長は・・・被上告人に対し自動車運転免許の効力を三〇日間停止する旨の処分(以下「本件原処分」という。)をしたが、同日免許の効力停止期間を二九日短縮した、被上告人は、本件原処分の日から満一年間、無違反・無処分で経過した、というのである。右事実によると本件原処分の効果は右処分の日一日の期間の経過によりなくなつたものであり、また、本件原処分の日から一年を経過した日の翌日以降、被上告人が本件原処分を理由に道路交通法上不利益を受ける虞がなくなつたことはもとより、他に本件原処分を理由に被上告人を不利益に取り扱いうることを認めた法令の規定はないから、行政事件訴訟法九条の規定の適用上、被上告人は、本件原処分及び本件裁決の取消によつて回復すべき法律上の利益を有しないというべきである。 この点に関して、原審は、被上告人には、本件原処分の記載のある免許証を所持することにより警察官に本件原処分の存した事実を覚知され、名誉、感情、信用等を損なう可能性が常時継続して存在するとし、その排除は法の保護に値する被上告人の利益であると解して本件裁決取消の訴を適法とした。しかしながら、このような可能性の存在が認められるとしても、それは本件原処分がもたらす事実上の効果にすぎないものであり、これをもつて被上告人が本件裁決取消の訴によって回復すべき法律上の利益を有することの根拠とするのは相当でない。そうすると、本件裁決取消の訴を適法とし本案につき判断した原判決には、法令の解釈を誤つた違法があり、右違法は判決に影響を及ぼすことが明らかであるから論旨は理由がある。原判決は破棄を免れず、第一審判決を取り消して被上告人の本件訴を却下すべきである。

  • 債権譲渡と抗弁の切断(通知後、承諾後の抗弁事由)

    債権譲渡と抗弁の切断(通知後、承諾後の抗弁事由) 債権を譲渡した場合、原則として通知、承諾前に生じた事由をもって、譲受人に対抗できますが(468条2項)、異議をとどめずに承諾した場合は例外的に承諾前の抗弁を主張できません(同1項)。 ふと、思ったのですが、条文を(反対)解釈すると、通知、承諾後に発生した抗弁(解除権の発生)は常に対抗することができるということになるのでしょうか。 解除権については、解除権発生原因が承諾前に存在していれば、承諾前に生じた事由として対抗できないというのが判例・通説ですが、その理解の前提として、承諾後に発生した抗弁ならば本来譲受人に対抗できるとの考え方が潜んでいるのではないでしょうか。 ところで、承諾後に発生した抗弁としては普通解除権が問題とされますが、たとえば、合意解除の場合は、三者が合意する必要があるのでしょうか。それとも、譲渡人と債務者との間で合意解除は可能であるが、ただその効果は第三者に対抗できないと考えるのでしょうか。 以上、二点ご教授ください。

  • 民法第94条2項の第三者

    債権が仮装譲渡された債務者は94条2項の第三者にはあたらない。よって意義をとどめない承諾をしても債務者は債権譲渡が無効であるとして、仮装譲受人からの貸金債権の支払い請求を拒むことが出来る。 上記判例がよくわかりません。 債権が仮装譲渡された債務者は94条2項の第三者にはあたらないことはわかるのですが、仮装譲受人からの貸金債権の支払い請求を拒むことが出来るということがいまいちしっくりきません。 どなたかお教え下さい。