Q/ヘルツの数値が1.9GHzより2.8GHzの方が処理能力が速いと理解してますがよろしいですか。
A/条件付きで正しい解ですね。ただし、それは同じ構造のプロセッサであるという前提条件においてです。ヘルツ(Hz)で表す数値は正確にはクロック周波数と言います。一般には周波数と呼ばれます。これは、回路に流れる電気がプラス(高)とマイナス(低)の間で波を作る回数を表します。これが、速度に関係する理由はその波の最も高い部分または低い部分の波(その量の場合等もある)に情報を載せてデータを送ることに関係します。
1GHzは10億の波を意味し、毎秒で10億回波の上にデータを載せられるのです。
2GHzなら20億回です。回数が増えるため扱える情報量が増え速度が現実に向上するのです。
よって、速度が上がるというのは正しい解です。
ただし、そこには条件があります。考えてみてください。例えば、波乗り(サーフィン)をする場合、いくら沢山の波がきたからといってその全ての波に乗れるかどうかは、波と乗り手の腕次第です。また、一つの波に乗るための重量(情報量)は、波の高さ勢いやサーフボードの大きさによっても違います。
それをCPUに当てはめれば、2GHzであっても、実際に処理される(波に乗る)情報が半分なら90%を処理できる1,9GHzより圧倒的に処理能力は劣ることになります。
また、一度の波にのる情報が1なのかその半分の0.5なのかによっても処理能力は変わるのです。
そのため、構造が異なれば周波数は関係なくなり性能は変わります。
そのため、種類によって性能が違うというのも正しい解です。
CPUの性能を変える要素は、沢山あります。性能を大きく変える要素順に上げると、
コア数(2倍になると最大処理能力は2倍未満になる)
スレッド数(2倍になると物理処理能力が最大1,2倍になる)
キャッシュ容量/性能見直し(キャッシュヒット率、またはヒット時の処理能力が改善する)
メモリコントローラ性能改善(対応メモリクロックが上がると大容量データの処理が性能が向上する)
クロック周波数(2倍になると全体処理能力は2倍未満になる)
実行回路の見直し(見直し手法による、トレードオフ<改善の見返り>がある)
デコード分岐回路の精度改善(上記と同様)
命令セットや新機能(SIMD/AVX)の追加(対応命令セットをサポートしたソフトウェアでは処理能力が数倍から数十倍になる。これはソフトウェア対応必須の条件限定要素のため最後にしていますが、対応したソフト環境が構築されるとコア数の改善より凄い結果になることもある。)
このぐらいが主な性能を司る部分。
尚、最後の命令セット新機能だけで言えば、来年新しい機構(IntelAVX、AMDではAVX+αのSSE5)を備えたプロセッサがAMDとインテルの両社から投入される予定。ソフトウェアがそれに全面対応すれば、それこそ今発売中のプロセッサは、前時代の代物になるかもしれません。それこそ、今デュアルコアが当たり前で、シングルコアではすぐにビジーになるように。
性能を競うブーム(自作ブームやオーバークロックブーム)はこの新技術のタイミングでやって来ると共に、下のブランドと上位ブランドの性能差が大きくなります。
お礼
詳細をありがとうございました