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黒澤明作品ってどこがいいの?
邦画が大好きでずいぶんいろんな映画を見てきましたが、一つ大きな疑問があります。世間では黒澤明監督を「世界のクロサワ」と奉って彼の作品を有り難がっていますが、その良さがどうしても分かりません。 「生きる」のように非常にしっかりした構成の作品があるかと思えば、「どん底」や「どですかでん」のように何が言いたいのかさっぱり分からず、退屈極まりない作品もあります。監督の非常に抽象的な概念を無理やり映画にしたようなもので、見る側も無理やり作品に付き合わされているような気がします。 「七人の侍」にしても世間では相当高い評価を得ていますが、何度見てもどこがそんにいいのか分かりません。評価が高いのは「黒澤明の作品だから」とか「評価の高い作品だから自分も評価しないといけない」のような迎合した感覚から評価しているのではないかと思われます。仮に「七人の侍」がいいとしても、それは「数十年前の当時の映画にしては」いいのであって、現代人が見れば時代遅れの映画にしか思えません。確かに当時のカメラワークやアクションにしては図抜けたものがあったのでしょうが、ストーリー性やメッセージ性等映画としての総合力から判断した場合、たいした作品ではないように思えます。また「どん底」にしても登場人物がいちいちわめくようにセリフを吐き、最後はどんちゃん騒ぎで踊りながら終わるという滅茶苦茶な映画でしかありません。ストーリーもなにもあったものではなく、映画がひとつの表現媒体として考えても、なにを表現しているのかまるで伝わってきません。黒澤監督の自己満足でしかないように思えます。 こうした感想は私だけのもでしょうか。黒澤作品の愛好者は何をもってああした作品を「面白い」と感じているのでしょうか。単純に私の映画鑑賞眼が足りないのでしょうか。黒澤作品の良さを納得させるだけの解説をしていただけたらと思います。
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好きな人もいれば嫌いな人もいる。それだけの話ではないでしょうか。 黒澤明の監督作品は全て目にしており(「明日を創る人々」を除く)、そのほとんどが好きです。 とにかくどのシーンをとってもそれだけで一幅の絵画として見ても美しいと感じられる素晴らしい構図に思わず惚れてしまうからです。 何か一点突き抜けたものがあれば多少のあらがあろうと個人的には高く評価してしまいます。デヴィッド・リンチなどその典型で、大半の作品はストーリーとしてはとんでもない、と思いつつ何回も観直してしまう魅力に溢れてもいます。 黒澤の場合は勿論映像面だけでなく、「七人の侍」で次々と同志が集まってくる展開にはわくわくさせられますし(今風の水滸伝といった趣を感じます)、「羅生門」などは芥川のあの軽い原作から見事に劇的なストーリーを産み出していて感心させられます。私が「時代遅れ」ということなのかもしれませんけれど。 個人的には権威や人気には反発したい気持ちの方が強いので最初はネガティブな気持ちで観て、その認識の浅さを反省させられました。 映画の見方も一つではありません。先に書いたように(そして質問者さんも評価されているように)映像面が優れた作品が好きだ、という人間もいれば、ストーリー重視、という方もいらっしゃいます。そのストーリーにしても明快でなければ駄目、という方から抽象的で謎めいている方が味がある(ヌーベルヴァーグなど)という向きまで幅広く存在しますし、そのどれが正しい、正解である、というものでもありません。 黒澤が好きになれないからといって何かが足りない、ということではないと思います。ただ、御自分とは違う価値観、趣味嗜好を持った人も存在するし、そうした人の考えを尊重もする、という心の寛容さはお持ちになった方がよろしいかと僭越ながら思います。 自分が良いと思わないものはそれ自体優れたものではない、価値がない、と断罪されてしまえるほど、人は万能ではないのではないでしょうか。
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- musekininn
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こんにちは。 <黒澤明作品ってどこがいいの> 人によってそれぞれだと思います。 その時代の中で評価された物が、現在でも通用するかどうかは、その評価対象に普遍性が求められると思います。 私も黒澤作品全てが素晴らしいのではないとも思います。 「夢」「影武者」「乱」等は私はお世辞にも出来が良いとは思えません。はっきり言って嫌いな作品です。 上記以前の作品には、当時アイデアが沢山ありすぎて、その中から選りすぐりのものを使っているんだなと伝わってきますが、老境に入ってからの作品は御質問者さんのおっしゃるとおり黒澤監督のマスターベイションをみせられているような感じになり観続けることが苦痛になってきます。 何にしても老人には良い映画は作れません。それまでの名声に寄りかかっては素晴らしい作品にはなりえないという教訓を黒澤監督は残されました。 今後映画を作る方々はこの教訓を生かして映画作りを行ってほしいと思います。
- 3351redmas
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たとえば、おいしい食べものがあったとして、そのおいしさを いくら文章で説明したとしても、恐らく、相手に伝わらないでしょう。 同じことで、当然ながら、映画というものは、生きている人のためのもの ですので、数十年前につくられた映画など面白いワケはありません。 時代が変われば、映画も変わる、が当然。 あなたの気持ちの方が、当然です。 だだ、この時代に生きて映画を見続けた者にとっての黒澤明監督は 他と較べても、抜きん出た偉大な監督であることは、間違いない。 若い人は、そんなこと気にすることはない。 年齢を重ねることにより、見方や考え方も変わって行きますよきっと。
ほぼ食わず嫌いですが 私も黒澤明の映画は見たことがありませんし 今後見る予定も無く、見たいとも思いません。 同様に世界の北野映画も見る気が全くしません。 最近よくカンヌだとかアカデミーだとか やたらと日本の映画が賞をもらってますが そういう賞をもらった作品は何が面白いのか解かりませんし 見る気もしません。
- disease
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黒澤作品は全部見てますし、映画は数千は見てます。 自分は特に黒澤好きという訳ではありませんが、一部の黒澤作品はやはり他の追随を全く許さないほどのクオリティーを持っていると思います。 黒澤作品でも外れは結構ありますけどね。 初めて黒澤映画を見た時はかなり驚いた記憶があります。 一目で異常に金と手間がかかっているのが分かったからです。 今の日本映画でこんな手間と金を使える映画は二度とでないでしょう。 黒澤が理解できないのは単に若すぎるか、映画を見慣れていないからではないでしょうか。
- hosikage
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黒澤監督は、羅生門での墨を混ぜた水を放水した雨の撮り方だとか、森を歩くシーンで鏡を使った太陽光の取り入れ方など、そういうアイデアを産み出し、映画界に新風を送った方です。 また「酔いどれ天使」で、主人公が失意のなか、闇市?を歩くシーンに楽しげな「カッコーワルツ」を挿入することで、主人公の哀しみを強く表現するなど、今までの日本映画にはない手法を取り入れた方でもあります。 「七人の侍」の脚本を数人で推敲し、苦しみながら書き上げた方でもあります。 そのほか、多くの観客を「アッ!」いわせるような、映画的手法を考え出した方でもあります。 映画は、人それぞれ好みがありますので、黒澤映画を「面白くない」と感じる人もいれば、黒澤映画が好きな方でも、好きではない作品もあるでしょう。 黒澤映画のすべてが好きな人もいるでしょう。 それは、当然のことです。 しかしながら、あの時代にあって常に試行錯誤しながら「映画」というものを昇華させてきた黒澤監督の作品は、どれもが素晴らしいと思います。(作品の出来不出来、好き嫌いは別として) 私自身も、黒澤監督は尊敬していますが、その作品には好き嫌いがあります。 評価すべきは、映画をこよなく愛し、映画を単なる娯楽一辺倒から、芸術的価値にまで引き上げた監督の熱意と徹底したこだわりであり、アイデアであり脚本力であり、独特の映像美であると思います。 そのような作品は、多くの人に時代を超え、世代を超えて支持されるのではないでしょうか。
- nishikasai
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映画の素人です。 貴方の仰ることにかなり共鳴する部分があります。世界のクロサワなので一生懸命感動しようとして見るのですがあんまり感動しないんです。プロの皆さんが一様に高く評価しているので「ぼくは見る目がないんだなあ」と思っております。 貴方のようにちっとも評価しない人がいて安心しました。七人の侍は面白かったですが、「夢」なんてのは面白くなかったです。椿三十郎なども血しぶきがちょっと異常だと思いました。
- born1960
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嫌いな人は見なくていいんじゃないですか? 他人の評価はあくまでも他人の評価です。 他人にいろいろと解説されて納得することなんて絶対に出来ません。 理解したいのなら、何回も見ることですが、それとてもう無駄かもしれませんね。質問者様には趣味が合わない映画監督ってことでいいと思います。 ただ・・・昭和29年に作られた「七人の侍」が今なお、日本映画の代表作といわれるのには、若い世代からも支持されているからだとは思います。 私は黒澤作品大好きですが、それでももちろん、いいのもあれば悪いのもあります。当たり前の話ですね。