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遺産放棄を取り消せるか?
母に尋ねられた質問なのですが、タイトルの通り、遺産放棄を取り消せる かどうかを教えてください。 祖父(故人)の残した土地を最近売却する事になったらしく、母の実兄が 印鑑証明とサインを求めてやってきたそうです。 祖母も他界してますので、残された兄弟のみが財産の相続人になるのです が、祖父母と同居してた伯父(母の兄)が全部を相続するという趣旨だった そうです。 何と言う書類にサインしたのかは本人もよくわかっていないのですが、 相続を放棄して、兄に譲る趣旨の書類だったとのこと。 印鑑証明も渡したらしいです。 今になって、考える事があるらしく、遺産放棄するとの意思表示を 取り消すことが可能か調べて欲しいと頼まれましたので、ここで質問 させていただいている次第です。 法律に詳しい方、よろしくお願い致します。
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Brown2002さんの伯父様が持って来られ、お母様がハンコを押した書類というのは、民法上の「相続の放棄」「限定承認」〔民法915条~940条〕するための家庭裁判所へ申述する書類のことではなく、Brown2002さんの伯父様とお母様との間でお母様の相続分をゼロとする内容の遺産分割協議が成立した旨を証する合意書面(『遺産分割協議書』)のことを指しているものと思われます。 以下、順番にご説明いたします。 1 民法上の「相続の放棄」制度について 民法上の「相続の放棄」は、被相続人が有していた借金などの債務の総額が、遺産総額よりも上回るような場合に、相続人が支払わなければならない義務を負うことから免れるための制度です。 相続人が相続を限定承認または放棄する場合、債権者の権利を保護する意味からも、相続人が、被相続人が死亡したことを知り、相続人自らが相続人であり相続財産があることを知った時から3ヶ月以内に家庭裁判所に対して限定承認または放棄する旨の申述をしなければなりません〔民法915条1項。924条。938条〕。その時期を過ぎれば共同相続人が単純に相続したものとされます〔民法915条1項〕。 つまり、Brown2002さんのお母様は、お兄様であるBrown2002さんの伯父様と、お二人のご両親の遺産を、少なくともご両親の亡くなられた3ヶ月後には共同で相続していたことになります。共同で相続はしていたものの、ほんの1~2週間前まで、伯父様とお母様との間でどちらがどの遺産を相続するかについての遺産分割協議が済んでいなかったというだけのことです。 2 遺産分割協議はいつまでに行なわなければならないか 遺産分割協議に期間制限はありません。共同相続人は、遺産の分割についての協議を、相続が開始した後、被相続人死亡の当日すぐであろうが50年後であろうが100年後であろうが、いつでも行なうことができます〔民法907条1項〕。相続の開始があったことを知った火の翌日から10ヶ月以内とする相続税の申告期限〔相続税法27条1項〕とは異なります。 3 「相続」を原因とする所有権移転登記 「相続」を原因とする所有権移転登記で、共同相続人中の一人の名義にするためには、被相続人の遺言書がない限り、共同相続人全員による遺産分割協議書がなければ行なうことができません〔不動産登記法41条〕。 さもなくば、共同相続人全員の共有名義にすることになります。 4 既に成立した遺産分割協議書を取り消したり無効にしたりすることができるか 遺産分割協議においても、民法の意思表示に関する一般原則は全て適用されますので、民法規定の無効原因〔民法90条、93条但書、94条、95条など〕や取消し原因〔民法96条など〕に該当すれば無効にしたり取り消したりすることも可能です。 しかし、少なくともBrown2002さんのお話の様子から判断する限りにおいて、既に成立している遺産分割協議および遺産分割協議書について、それを無効としたり取り消したりすることができるような要素は見当たりません。したがって、遺産分割協議および遺産分割協議書は有効に成立しており、これを無効にしたり取り消したりすることはできないと考えられます。 5 一度成立した遺産分割協議を合意解除することができるか 判例によると、「既に成立した遺産分割協議を共同相続人全員の合意により解除し、改めて遺産分割協議を成立させることもできる」とされています(最高裁判所平成2年9月27日判決。民集44巻6号995頁)。 したがって、伯父様が同意して下されば、既に成立している遺産分割協議を解除して、改めて遺産分割協議をやり直すことも可能なわけです。この場合、既に問題の不動産が売却されていた場合には、その売却して得た金員について分割協議を行なうことになります。 しかし、お分かりの通り、伯父様が同意して下さらない限り、既にお母様がハンコを押してしまわれた遺産分割協議を無かったことにすることはできないことになります。 以上、ご参考まで。
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- chakuro
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本文と補足をあわせて読むと、相続そのものは、何年も前のことですが、協議と、相続登記は最近までなされていなかったということだと思いますが、売却するに当たってそれらが必要となったから、伯父さんが、動いているということだと思われます。 法律的な意味での、遺産分割協議の撤回の是非というよりも、とにかく、その一連の手続の詳細について、納得できないところがおありなのでしょう。 手続の進行をとりあえずとめたいというのであれば、それはまた理論的な話しだけで考える問題ではないでしょう。 不動産の権利の帰属そのものについて、納得が行かないという話であれば、もし、その後、第三者への売買を原因とする名義変更まですんでしまっていれば、もはやそれを御和算にするのは、まず無理です。 まだ、相続登記までの段階、もしくは相続登記すらすんでない段階というのであれば、理論的な問題云々ではなく、お母さんの意向が、登記を受任している司法書士や、売却の仲介業者などに伝われば、彼らの立場としては、お母さんの現在の意思を無視して、お話しを進めていくわけにはいかなくなりますので、そういった人たちに翻意の旨を連絡するのが最優先事項です。 そうではなくって、その売却によって得られる金銭の帰属について、納得がいかないというのであれば、また話しは別です。 売却する前提の相続登記だけのために作られている協議書であれば、それは、不動産の権利が伯父さんに行ってかまわないという趣旨の文面でしかないことが通常ですから、ご質問されているような、署名した書面の内容を取り消したいという話しではなくなってしまいます。 また、そうであっても、書面にはそれだけしか書いていなかったが、売却代金に対する権利の帰属についても話し合いそのものはいったん終わっている、というのと、その件についてはまだ話し合っていないというのではまったく別の話しです。 いずれの場合にしろ、話しがお母さんの意に反した方向に流れていくのをとめたいのなら、仲介業者や、司法書士に連絡を取ることから始めなければなりません。
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ご回答ありがとうございました。 参考にさせていただきたいと思います。
- Bokkemon
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相続放棄の意思表示期間を相当経過してからの相続放棄の効力ということですね? 以下は私見も多分に入り込んでいます。 御爺様(母上様のお父様)が亡くなられた20年前、御婆様(母上様のお母様)が亡くなられた15年前のそれぞれでは何も相続に関する手続きは無かったのですか? 御爺様・御婆様の子がBrown2002さんの母上様と伯父様のお二人だけだったとします。単純に法定相続の場合について言うと、20年前の時点で御婆様が1/2、母上様と伯父様がそれぞれ1/4を相続できます。今回の相続放棄というのが15年前の御婆様の他界に伴う御婆様の相続部分だとすれば、御婆様が相続した財産(元の1/2)の1/2ずつが母上様と伯父様の相続分になりますから、御爺様の遺産で言うと1/4部分についての相続放棄になるかと思います。今回の相続放棄が御爺様の相続を全相続人で行った後の、御婆様の相続分の再相続についてだけの放棄であるなら、御爺様がなくなった時点での相続分1/4については放棄の対象ではないことになるということです。 御婆様の一括相続になっていたのであれば、遺産の1/2についての放棄になります。 伯父様が一括相続していたとする場合は、20年にわたって御爺様が他界された時点での相続について何らの権利も主張してこなかったことになりますから、民法第162条(取得時効)に該当する可能性があるかもしれません。 15年前と20年前の遺産分割協議がどうだったのかがひとつの判断材料になるかと思います。相続税の計算時には何がしかの届出(相続人間の相続割合に関する協議書など)を税務署に出しているかと思いますが、どうなのでしょう。 ところで、相続放棄の撤回(取り消し)ができないのは、以下の理由があると思います。 1.多額負債による相続放棄や限定承認の場合、相続人となる権利のある人が権利放棄した時点で、 被相続人の債権者は(回収できなかった部分の)請求権を喪失することになるので、その後に 権利放棄の取り消しを認めることは取引の安定と信頼を損なう 2.複数の相続人の一部が相続放棄をした場合、相続権を維持した他の相続人は自己の相続割合に 応じて公租公課を負担し、あるいは第三者に相続財産を譲渡するなど、相続放棄を前提にした 対外的関係を処理することになる。これが事後に相続放棄した者の意思で取り消されることに なると、取引の安定と信頼を損なう これらの弊害を伴ってなお取り消しを認める場合と言うのは、相続権者の自由な意思形成が阻害され、相続した人の権利を保持させることの方が却って法益と責任の均衡を欠くことになる場合、ということでしょう。
お礼
ご回答ありがとうございました。 参考にさせていただきたいと思います。
- ryo617
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遺産放棄とのことですが、相手方が印鑑証明書を求めていることからすると 家庭裁判所に対しての「相続放棄」ではなく、「Brown2002さんの叔父がすべての財産を相続する」といった内容の遺産分割協議が成立した主のと思われます 遺産分割協議は、相続人全員が合意すれば解除することは出来ますが それ以外の場合は、よほどの事情がない限り、まず解除することは出来ません まず、書類の内容を確認した上で、なぜ取消したいのかを補足されたほうがいいと思います
お礼
ご回答ありがとうございました。 参考にさせていただきます。
- mitatti
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勉強中の身ですが・・・ 相続人は自己の為に相続がある事を知った日から3ヶ月以内に相続するかしないかの意思表示をしなければなりません。そしてそれは自由に取り消すことができません。お母様はいったん放棄してしまった以上原則として取り消せません。そしてそれは代襲相続もしないのであなたにも相続権は無いことになってしまいます。 ただ例外もあり、2番の方が記述の様に特殊な事情があれば別ですが、おそらくむりかと思われます。
お礼
ご回答ありがとうございました。 勉強がんばってくださいね。
- Bokkemon
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亡くなられたのと相続放棄の書類にサインしたのと、時間的な前後はどうなっていますか?もし、遺言書によらない相続で他界される前に相続放棄をしている場合には、相続放棄の意思表示に効力は無いものと思います。(相続開始時から3ヶ月以内と、相続の放棄・承認の意思表示期間が法定されているため。) 相続放棄は家庭裁判所の許可を得て行うというのが民法の定めですが、強迫による場合など、自由な意思によらない特殊事情があれば取り消すことができます。そうでない場合は民法第919条で「承認及び放棄は、第915条第1項の期間内でも、これを取り消すことができない」とされていますので、取り消せないということになるものと思います。
補足
回答ありがとうございます。 事態の前後関係を補足させていただきます。 (1)祖父の他界…約20年前 (2)祖母の他界…約15年前 (3)相続放棄の書類(?)にサイン…約1~2週間前 この場合、書類が家庭裁判所まで行ってしまっていれば、 取り消せないと言うことなのでしょうか?
- unknown-2
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素直に通るかどうかは分かりませんが、相続放棄の撤回、というのは制度としてあったような…。 新聞の投書欄か家族欄で、「夫の親が死に、夫は長男でしかもうちでずっと面倒を見てきたため動産不動産みな夫一人で相続することになり夫の兄弟は相続放棄したが、最近になって夫の妹がその撤回を求めてもめている」という記事を読んだ覚えがありますから。 相続放棄してから経過した時間も問題になると思われますので(5年10年たってから撤回したい、はやはり通らないでしょう)早急に弁護士なり、あるいは役所の法律相談窓口なりに行かれる事を勧めます。
お礼
ご回答ありがとうございました。 もう少し具体的になったら、相談しに行くことを考えたいと思います。
お礼
ご回答ありがとうございました。 参考にさせていただきたいと思います。