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墳墓発掘死体損壊罪(刑法191条)の共犯関係

墳墓発掘罪(刑法189条)と死体損壊罪(刑法190条)の行為を両方行うと,墳墓発掘死体損壊罪(刑法191条)一罪が成立しますが,この片方の行為だけに加担した共犯者の罪責は,どうなりますでしょうか。 単に発掘だけ手伝った場合には,成立する罪名は墳墓発掘罪の共同正犯(刑法60条,189条)で,主観的に死体損壊等の予定も了解していた場合には墳墓発掘死体損壊罪の共同正犯(刑法60条,191条)ということでよいでしょうか。

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
  • un_chan
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回答No.1

 191条の罪は,189条と190条の結合犯ですから,その実行行為の一部を共同して実行すれば,全体について共同正犯になると考えられます。  質問のケースでは,先行行為である墳墓発掘についてのみ実行行為をしているので,共犯からの離脱が問題になる可能性があります。  また,共謀が発掘についてしかなく,共犯者の故意が墳墓発掘についてしか認められない場合には,共犯の錯誤の問題になります。(発掘したら何かをする前提でしょうから,そのような状況は現実には認められにくいように思いますが,教室事例として。)  この場合,故意がありませんから,38条2項によって,墳墓発掘死体損壊罪(191条)では処断できません。  すると,現に故意が認められる墳墓発掘罪(189条)の範囲で,共同正犯(60条)となります(学説によっては,異なる結論になりますが,そのあたりは,教科書や参考書をご確認ください)。

kii_san
質問者

お礼

私の考えと同じようで安心しました。 確かに教室事例ですが,事例としてはこんなのがありますかねぇ。 甲は,恋人であった丙女を数年前に亡くしていたところ,最近になって丙の可愛がっていた猫も病死した。そこで,霊園の規定に違反して,丙の墓にその猫の遺骨も埋葬しようと計画した。 甲が乙に相談したところ,乙は,丙が金歯をしていたことを思い出し,猫の埋葬の際に金歯を領得しようと密かに想到した。 甲と乙は共同して丙の墓を掘り返し,猫の埋葬を終えた。その後,乙は「後は俺に任せろ」と言って甲を帰らせた後,単独で骨壺から金歯を領得した。甲及び乙の罪責を論ぜよ(特別法違反を除く)。 冷静に考えれば,簡単すぎですかね・・・・・・(苦笑)

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