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※ ChatGPTを利用し、要約された質問です(原文:歌舞伎十八番の上演について)

歌舞伎十八番の上演について

このQ&Aのポイント
  • 市川家が制定した「歌舞伎十八番」とは、市川團十郎の得意な演目を指すものであり、彼の許しを得ずには上演できない制度があった。
  • 現代でも「歌舞伎十八番」の演じる際には、役者たちは市川宗家の『三枡の紋』を衣装につけることが一般的である。
  • 役者の後見役も、裃の色を揃える必要がある場合もあるが、裃の色の違う後見さんも存在する。

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回答No.1

お芝居の衣装の紋は、もちろんですが役者さんのを付けるわけではなく、その役の人物の紋を付けます。 塩治判官なら鷹の羽のぶっちがいですし、由良之助なら二つ巴です。演じる役者さんが変わっても衣装の紋は同じです。 ただ、衣装の文様としてそれぞれの役者さんの家紋や家の文様をあしらう事はあります。5段目の勘平の肩当ての菊五郎格子なんかが典型です。家紋だと、「供奴」などの所作で肩から胸にかけて大きく役者さんの家紋を染め抜きます。これはあくまでデザインであって、「家紋が付いている」のではありません。 というわけで、歌舞伎十八番ですが、 有名な「助六」の衣装の紋は、「杏葉牡丹(ぎょぎょうぼたん)」ですよね。「江島生島」の江島さまの紋です。 「対面」「矢の根」などは曾我兄弟のものがたりですから曽我の家の紋、「庵木瓜(いおりもっこう)」が付きます。助六も一応曽我五郎ですが、まあ、「正体をかくしている」ということでそのへんはてきとうです。 「外郎売」は身分の低い物売りという設定なので紋は付きません。 勧進帳の弁慶も山伏なので紋はありませんよね。 というように、べつに十八番だからと言って三升を全部付けているわけではありません。 三升の紋が付いていたのは「毛抜」だと思いますが、あれは史実にないものがたりですし主人公の粂寺弾正も実在しません。なので、てきとうな家紋を付けていいのです。市川家の荒事の典型的な役柄ですから家紋を「三升」に設定するのはさほど変ではないと思います。 「鳴神」の上人さまはお坊さんですから弁慶と同じで無紋ですよね。 衣装の家紋についてはこれでよろしいかと思います。 後見さんについては、少なくともワタクシは、江戸や明治の話も含めて「後見に市川家のを使えと言った言われた」というエピソードは聞いたことがないです。 ただ、当然ですが「十八番」は殆どの場合市川家が出しますので。やりかたがよくわかっているのは市川家の古いお弟子さんたち、ということになると思います。なので自前のお弟子さんに勉強&練習させて、というのが理想でしょうが、何度も出すものでもないでしょうから、後見さんは本家にお願いして、というのはありそうな話かと思います。 今回はとくに名古屋の公演ということで、スタッフもフルメンバー連れては行っていないかもしれません。松緑さんなどはまだ若いですし、後見さんはお芝居がよくわかっている市川家のかたにおねがいして、となったのではないでしょうか。 あと「歌舞伎十八番」ですが、設定したのは江戸後期の名優七代目団十郎になりますが、「彼の得意な演目を「市川家の芸!」と勝手に宣言した」というほど手軽ではなく、 それなりに台本の整理や改訂も行っています。初代や二代目の得意演目で、当時でももう殆ど出ていない作品もいくつかあったのです。「勧進帳」などは能が原型とはいえ、歌舞伎としては完全な書き下ろしです。さらに九代目、十代目(死後贈)が古い資料を探しながら内容や演出に改良を重ねております。もちろん先代や当代もです。 なので「市川家オリジナル」として権利を主張するのはあながち無理なこととも言えないと思います。 また、上演時のクオリティーを維持するために「許可なく勝手に出すな」と主張するのはある程度必要な事だと思います。「勧進帳」などは本当に市川家は大切にして来たのです。 実力的にイマイチなお弟子さんがやるのは論外でしょう。 市川家としても、ただ権威をふりかざしてワガママを言っていただけではないとうことも、ちょっとご理解いただけるといいなと思います。

参考URL:
http://yokikotokiku.hp.infoseek.co.jp/kabuki.html
rinzoo
質問者

お礼

大変詳しい解説、ありがとうございます。 横柄な質問文で申し訳ありません。 謙虚さが無かった文章ですね。 歌舞伎を見始めて数年経つのですが、 まだまだわからないことだらけです。 なるほど、役柄によって、役柄の家紋やその場にさりげなく使われる役者の紋など、知らないことばかりでした。 後見も、確かに、芝居をよくわかっている人がつく方が芝居がスムーズに進みますよね。歌舞伎十八番に、市川宗家の後見が多くつく理由もわかりました。 大変ありがとうございます。 参考URLも読み応えのあるところなので、 時間をかけてゆっくりひもときながら、 また歌舞伎公演に行く機会までに勉強したいと思います。 ありがとうございました。

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