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H型鋼と角型鉄骨の強度
(1)15センチ×10センチ、厚さ6ミリのH型鋼と (2)15センチ×15センチ、厚さ6ミリの角型鉄骨 10センチ ━━━ ┃ ┃ 15センチ ┃ ━━━ の強度についての質問です。断面二次モーメントと断面二次半径を算出してみました。 二次モーメントcm4 断面二次半径cm X Y X Y (1)753 1011 7.2 8.4 (2)1196 1196 5.8 5.8 上の結果を見ると、(1)は断面二次モーメントで(2)に負けて、断面二次半径で(2)に勝っています。つまり、この場合、H型鋼のほうが角型鉄骨よりも「たわみ」やすけど、「座屈」に強い、という事になります。 とすれば、二つの素材は互いに一勝一敗であって、どちらの素材が他方よりも強度があるとは一概に言えず、どういう素材として使うかで結論は分かれると思います。 そして、たとえば柱の素材として使用する場合、柱には上からの加重がかかる訳ですから座屈に対する強さが求められると思います。つまり、柱として使用するのであれば、(2)よりも(1)の方が優れているのではないかと思います。 以上のように思うのですが、私は文系で、実は断面二次モーメントとか断面二次半径とかの概念すら、今日知りました。多分間違った推察をしていると思うのですが、どこが間違っているか指摘していただけないでしょうか。 どなたかよろしくお願いします。
質問者が選んだベストアンサー
柱の素材に求められるのは座屈を含めた圧縮力(部材軸方向の力)に対する抵抗力と曲げに対する抵抗力の両方です。 圧縮力については、座屈を考慮した許容圧縮応力度(fc)は座屈長さ(有効な部材長:lb)を断面2次半径(i)で割って算出した細長比(λ)から求めますが、この許容圧縮応力度に断面積(A)を乗じたものが許容できる圧縮力になりますので、ほぼ同サイズの角形鋼管とH形鋼を比較すると計算すると角形鋼管の方が断面積が1.5倍以上も有り圧倒的に高耐力な筈です。 ちなみに、ご質問者様が書かれている断面2次半径の値は間違っています。ロールH(H-148*100*6*9)なら、No.2の方が書かれている値になりますし、ビルトH(BH150*150*6*6)なら、強軸(X)が6.10cm、弱軸2.22cmとなります。 例えば、柱の鋼材がSS400で、柱の長さが250cmとしたとき、これを有効な部材長とすると、 H形鋼の場合のλは、λ=250/2.22=112 , 長期圧縮許容応力度Lfc=0.751 , 長期許容圧縮応力(耐力)Lfc*A=0.751*20.28 = 15.2ton/cm2 ですが、角形鋼管の場合は λ=250/5.8=43 , Lfc=1.44 , Lfc*A=1.44*34.56=49.7ton/cm2 となり、角形鋼管の方がH形鋼よりも3倍以上大きな軸力に耐えられる事となります。 また、曲げ性能は断面係数(Z)に因りますが、これも角形鋼管の方がかなり高性能になります。 BH150*100*6*6では、Zx(強軸)=101cm3、Zy(弱軸)=20cm3です。(H148*10*6*9ではZx=138cm3、Zy=30.1cm3) 一方、角形鋼管では153cm3ですので、曲げ耐力も抜群に角形鋼管の方が高性能となります。 よって、圧縮と曲げの性能が高い角形鋼管の方がH形鋼に比べ柱としてはむいているといえます。 角形鋼管の欠点といえば、同サイズで比べるとH形鋼よりも単位長さ当りの重量が重く、重量に比例して価格が高いのと、端部などで他部材との取合や納まりが角形鋼管の方が複雑になることなどが上げられます。(接合するのに溶接を多用しないといけない)
その他の回答 (1)
柱材と考えた場合 H型鋼はX方向とY方向の強度が違います。 ピン構造には適していますが、ラーメン構造にする場合には、 プレート補強をして日がたにする必要があります、 その点、角型鉄骨は両方向同じ強度ですからラーメン構造に適しているのです。 ただし梁の取り付け加工はH型鋼より加工が大変です。
お礼
ありがとうございます。 ということは、プレート補強をして日がたにすれば問題ないということなのでしょうか?
お礼
NO.2さんに計算間違いを指摘されて、間違いに気がついたところでした。 丁寧に指摘していただきありがとうございます。