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漫画の歴史考証
本宮ひろ志氏の「国が燃える」が歴史の捏造との抗議を受けて連載中止になりました。 本宮氏と集英社は「資料の選択、検証に慎重さを欠いた」と謝罪してますが・・・。 この問題は置いといて、歴史を扱う漫画を読んでると物凄く違和感を覚える事があります。 最近では「女性自身」という週刊誌の「愛と光のクリニック」という漫画で、主人公の前世が古代ギリシア人となって、当時のギリシアの情景に変りますが、どうみても服装や風俗がローマ人なんです。 別の漫画でも、年代からすると青年のはずの水戸光圀が白髪で杖をついて出てきたり、御三家の三つ葉葵の紋所が将軍家の物と同一(将軍家は丸39葉で、水戸家は丸51葉なのは常識ですよね)だったり・・・パロディー漫画なら面白いで済むのですが、一見真面目な劇画だと子供は信じてしまいますよね。 漫画は歴史考証はしないのでしょうか。 今度の本宮氏の事件も、かなりホットな話題ですから分かりそうな物なのに、出版社の担当も何故本になる前に指摘しなかったか、残念です。
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この問題については、物凄く正直に申し上げて、編集サイドの手抜かりだと思います。 作家さんは各自の資料に基いてお書きになるのですが、その原稿またはラフなどを見た時に、編集が一言、 「これは何の資料をご覧になりましたか?」 と聞けば防げるような事です。 ただ、問題の根本としては、 (1)編集者の知識レベルの問題 (何かの文章やイラストに対して「これはどうか?」と問いかけるだけの「知識」がない。しかし、この際に要求される「知識」は余りにも多岐に渡り、世間でいう所の「博識」が要求されている。) (2)〆切までの時間の問題 (調べ直しを要求すると〆切に間に合わなくなるので、フィクションであるという前提の元に「目を瞑る」という行為が黙認されている。勿論、実際に調べ直しをして間に合わなかった場合は、編集者も作者も弾劾される。) (3)作者の責任感の問題 (フィクションの名の元に、なんでもやっていいと思っていう考えが幅を利かせている。) という3つが挙げられると思います。 私は編集サイドの人間ですが、こういった質問が出る事自体が、編集者に対する叱責と受け止めております。 私にとっても、とても残念です。
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- bilateraria165
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もちろんある程度の歴史考証はするはずです。 ただ作者の情報収集力や選んだ資料の確かさなどなどにかなり影響されると思います。「天は赤い河のほとり」など、古代オリエント(確かツタンカーメン王の生きてた時代?)が舞台なのでおのずと資料が限られてきます。 さらには学会なのでも見解の分かれる部分については判断が難しいと思われますし、No.1の方のおっしゃるようにマンガとはフィクション性が強いので描き手の想像力で補わねばならない部分も多々あるかと。歴史について専門的に研究している学者ならまだしも、エンターテイメントを提供する立場ですので、どのように描くかは難しい判断になると思います。 横山光輝さんや里中満智子さんの作品を例に取り上げていますが、できるだけ厳密な歴史考証に基づいたマンガが良いならやはり参考資料が記載されてるもののが良いのでは?そして漫画家の方も、そういった本物志向の需要があるなら参考資料をちゃんとコミックのスミにでも書くべきかな?とも思うのですが。(横山光輝さんはわかりませんが里中満智子さんのマンガにはあったかな) なんか自分勝手な見解も載せてしまってすみません。
お礼
ヒラメ顔の沖田総司が美少年になったり、(諸説ありますが)中高年の佐々木小次郎が長身痩躯の青年剣士として描かれるのは表現として納得できますし、ベルバラのようにはっきりフィクションと分かるものはよいのですが。 本宮氏の歴史物は比較的好きで、「猛き黄金の国」や「夢幻の如く」など面白かったのですが、今回はちょっと力が入りすぎだぞと思っていたら・・・やっちゃった、という感じで、拙いなと思ったら今度の騒ぎになり残念です。
- popesyu
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漫画に限らず小説や映画だってフィクション性が強いというか、妄想度の強いものは幾らでもありますよ。 というかそういうのが普通で、真剣に資料などを漁って検証を行ったものが敢えて本格歴史ほにゃららとか銘打たれて呼ばれるだけのことで。特に銘打たれていなものはお気楽空想小説・漫画・映画とは敢えて呼ばれていないということだけでしょう。簡単に歴 まぁフィクションですからの一言で何でも逃げられる訳ですからね。漫画家も編集の人も楽な仕事だなと今回の件では思いました。
補足
歴史漫画も人間関係を覚えるのには最適で、横山光輝氏の歴史物で、劉備の部下の名前などを覚えましたし、里中満智子氏の「天上の虹」で、その他大勢に分類される皇子・皇女たちの関係がわかりました。ただああした物が本当の歴史と思ってしまう方も多くて、ちょっと今回の本宮氏の件も含めて問題提起してみました。
お礼
文豪といわれる森鴎外も「阿部一族」では資料を斜め読みして書いたので、いろいろ批判を受けましたが、やはり個人の資料収集には限界がありますし、本宮氏など漫画一筋の「漫画バカ(よい意味です)」ですから、編集側がアドバイスすべきだったのでしょうね。 締め切りが迫って見切り発車したとか、そんな事情もあったのかも知れません。