瑕疵担保責任の判例

このQ&Aのポイント
  • 瑕疵担保責任とは、不特定物売買の場合に売主が買主に対して担保する責任のことです。
  • ある放送機械を購入した買主が故障が多発し、契約目的が達成できなかったために損害賠償請求と契約解除を求めた事案がありました。
  • 売主は故障を承知していたと主張し、不完全履行の責任はないと述べましたが、最高裁は債務不履行による契約解除を認めました。
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瑕疵担保責任の判例

下記のような内容を認識するも、理解できませんでした。 ご教示よろしくお願いいたします。 【参考】 http://law.e-gov.go.jp/cgi-bin/idxselect.cgi?IDX_OPT=2&H_NAME=&H_NA... 記 以下の判例は不特定物売買の場合、債務不履行責任で処理するが、売主の瑕疵担保責任が適用される場合もあることを示したもの。 事案:放送機械を購入した買主が受取り後、約3ヶ月使用の間故障が多発し、契約目的が十分達成できず、完全な修理を求めたがそれもなされなかったため、損害賠償請求および契約解除を求めた。これに対し売主側は、故障があるのを承知で使用していたのだから受領が成立しており、もはや債務の完全履行や契約解除はできないと主張した。 「所論は、不特定物の売買においては、売買目的物の受領の前と後とにそれぞれ不完全履行の責任と瑕疵担保の責任とが対応するという立場から、本件売買では被上告人が本件機械を受領したことが明らかである以上もはや不完全履行の責任を論ずる余地なきにかかわらず、原判決が債務不履行による契約解除を認めたのは、法令の違背であると論じている。 しかし、不特定物を給付の目的物とする債権において給付せられたものに隠れた瑕疵があった場合には、債権者が一旦これを受領したからといって、それ以後債権者が右の瑕疵を発見し、既になされた給付が債務の本旨に従わぬ不完全なものであると主張して改めて債務の本旨に従う完全な給付を請求することができなくなるわけのものではない。債権者が瑕疵の存在を認識した上でこれを履行として認容し債務者に対しいわゆる瑕疵担保責任を問うなどの事情が存すれば格別、然らざる限り、債権者は受領後もなお、取替ないし追完の方法による完全な給付の請求をなす権利を有し、従ってまた、その不完全な給付が債務者の責に帰すべき事由に基づくときは、債務不履行の一場合として、損害賠償請求権および契約解除権をも有するものと解すべきである。」(最判昭和36年12月15日)

質問者が選んだベストアンサー

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回答No.1

こんばんは。 少し回答が長くなりますがご了承くださいね。 1. まず、不特定物とは? 不特定物とは、具体的な取引にあたって、当事者が単に種類、数量、品質等に着目し、その個性を問わずに取引した物をいいます。 これに対して、特定物とは、取引の目的物として当事者が物の個性に着目した物をいいます。 要するに、 特定物=競馬で一等になった馬を買う。 不特定物=馬を10頭買う。 という意味です。 2. 債務不履行責任とは? 債務の本旨に従った債務の履行をしないこと。 要するに、 Aは、B店の通販でコメを10kg注文しました。 B店から、「注文を確定しました。」とメールが届きました。 この時点でAとB店の契約は成立しました。 この後、B店は (1)コメ10kgをBに届ける債務 (2)Aにお金を請求する債務 が生じます。 債務不履行とは、上記の債務が果たされなかったことを言います。 (1). 履行遅延 例;AがB店へ、お金を支払う期限を過ぎた。 (2). 履行不能 例;B店が火事によって全焼してしまい、商品であるコメも燃えてしまったため、Aにコメを届ける債務を履行することが不可能になった。 (3). 不完全履行 例;Aのもとへ、コメが7kgしか届かなかった。 要するに、債務不履行とは、双方合意の上で契約をしたにも関わらず、これを一定の形で守らなかった、ということです。 これにより、損害があれば、その補てんを求めたり、契約をなかったこと(解除)する請求を行うことができます。 上記は民法でそう定められています。 3.瑕疵担保責任とは? 売買の目的物に隠れた瑕疵(欠陥)があった場合、売主が負担する責任のこと。 隠れた瑕疵とは、買主が取引通念上、一般に要求される程度の注意を用いても発見できないもの。 要するに、Aは壁掛け時計を購入しようと思っています。 (1)時計の長針がもともと外れていたのを陳列の段階でAは確認出来たが、納得した上でその時計を購入した。→隠れた瑕疵ではない。 (2)時計を購入し、持ち帰って使ってみたが、新しい電池を入れているにも関わらず頻繁に時間がずれ、使い物にならない。電池を入れずに陳列されていたため、確認できなかった。→隠れた瑕疵。 民法の場合、〚特定物のみ〛 (1)売買の目的物に隠れた瑕疵があった。 (2)買主がその事実を知ってから、1年未満。 (3)買主は契約の解除および、損害賠償請求(契約を解除できない場合、損害賠償請求のみ)を行うことができる。 ☆民法570条、566条 商法の場合、〚不特定物、特定物両方〛 (1)買主は目的物を受け取った後、遅滞なく検査をすること。 (2)検査の結果、瑕疵や数量不足を発見した場合、直ちに売主に通知すること。 (3)直ちに発見できない瑕疵の場合は、6ヶ月以内に発見し、これを通知すること。 (4)これらの条件を満たさない場合は、売主の瑕疵担保責任を追及できない。 ☆商法526条 民法と商法では、内容が違うのです。 さて、前置きが長くなりましたが、ほとんどお分かりいただけたでしょうか。 では、判例の具体的な解説をさせていただきますね。 AはB社から放送を受信するための機械(不特定物)を購入した。 しかし、購入した機械は3ヶ月間、何度も故障し、当初の目的である放送を視聴、受信する目的が達成できなかった。 AはB社にもう壊れないよう、修理を求めたが、完全な修理はしてもらえなかった。 よって、AはB社に対し、放送機械の契約の解除を求め、また、損害賠償請求をした。 これに対してB社は、Aは何度も故障していることを知った上でしばらく使用を続けていたのだから、Aも契約に同意したとみなすことが出来るはず。なので、今から債務の完全履行(新しいものに取り換えるなど)や、契約の解除は出来ない、答えた。 不特定物の売買契約の場合、隠れた瑕疵が見つかった場合、Aは速やかにB社に通知する義務があった。 にも関わらず、Aはそれを知った上でしばらく放送機械を使い続けた。 商法により、すでにB社の不完全履行の責任を追及する余地はないはず。 にもかかわらず、原判決が債務不履行による契約解除を認めたのは一体なぜなのか? 法令に違背しているのではないのか? 不特定物の売買において、一度Aが放送機械の隠れた瑕疵を見つけ、その瑕疵を受領したからといって、その後また隠れた瑕疵を見つけた場合に、二度と債務の完全履行、あるいは契約解除請求、損害賠償請求が出来なくなるわけではない。 要するに、一度故障したけど、修理してくれるならいいや。とAは一度許して納得してしまったわけですよね。 でも実際は修理をしても、何度も故障する。 なので、もう一度改めて、商法にのっとってB社に債務の完全履行、あるいは契約解除請求、損害賠償請求を行ったわけです。 商法には、6ヶ月以内に発見し、通知すること。と記されていますが、6ヶ月以内に何度も隠れた瑕疵を見つけた場合、何度も発見し、通知してはいけない、なんて一言も書かれていないわけです。 Aは3ヶ月以内に何度も隠れた瑕疵を発見したため、商法にのっとって請求を行ったのです。 そして、B社はAに対し、放送機械を取り換えるなどして、債務を完全履行する。あるいは、損害賠償を受けるか、契約解除を許可しなければいけない、という結果となりました。 そういう判例ですね。 とっても長くなって、申し訳ありません。 なるべく細かく説明したいと思ったらこんな長文になってしまいました。 お時間あるときにでも、読んでみてください。

tenacity
質問者

お礼

ありがとうございました。 また、何卒よろしくお願いいたします。

tenacity
質問者

補足

恐れ入ります。 「債権者が瑕疵の存在を認識した上でこれを履行として認容し債務者に対しいわゆる瑕疵担保責任を問うなどの事情が存すれば格別、然らざる限り、債権者は受領後もなお、取替ないし追完の方法による完全な給付の請求をなす権利を有し、従ってまた、その不完全な給付が債務者の責に帰すべき事由に基づくときは、債務不履行の一場合として、損害賠償請求権および契約解除権をも有するものと解すべきである。」の (1)「債権者が瑕疵の存在を認識した上でこれを履行として認容し債務者に対しいわゆる瑕疵担保責任を問うなどの事情が存すれば格別、然らざる限り、」にある「格別、然らざる限り」とはどういう意味で、「債権者が瑕疵の存在を認識した上でこれを履行として認容し債務者に対しいわゆる瑕疵担保責任を問うなどの事情が存すれば格別、然らざる限り、」とはどういうことでしょうか。 (2)「債権者は受領後もなお、取替ないし追完の方法による完全な給付の請求をなす権利を有し、従ってまた、その不完全な給付が債務者の責に帰すべき事由に基づくときは、債務不履行の一場合として、損害賠償請求権および契約解除権をも有するものと解すべきである。」にある「取替ないし追完の方法による完全な給付の請求をなす権利を有し」とは、債務不履行についてのことでしょうか。 (3)「債権者は受領後もなお、取替ないし追完の方法による完全な給付の請求をなす権利を有し、従ってまた、その不完全な給付が債務者の責に帰すべき事由に基づくときは、債務不履行の一場合として、損害賠償請求権および契約解除権をも有するものと解すべきである。」にある「従ってまた、その不完全な給付が債務者の責に帰すべき事由に基づくときは、債務不履行の一場合として、損害賠償請求権および契約解除権をも有するものと解すべきである。」とは、債務不履行についてのことでしょうか

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