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※ ChatGPTを利用し、要約された質問です(原文:【ネタバレあり】バーティカルリミットの設定について。)

バーティカルリミットの設定について

このQ&Aのポイント
  • バーティカルリミットの設定にはネタバレが含まれています。
  • ザイルの切断やアイガーの登頂など、物語の設定に疑問があります。
  • バーティカルリミットはエンターテイメントとして楽しむべきです。

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
  • drmuraberg
  • ベストアンサー率71% (847/1183)
回答No.1

クライミングや登山を素材にした小説や映画の大多数は、それに似た事実が過去に 有りそのレベルの人が居たことに、更に興味有る話しを添えて誇張したり抑制したりして 作られています。 それぞれがどのくらいの割合かは、見る人が自由に解釈すれば良いと思います。 さて、ザイルを切るのは極めて例外的なケースでしょう。事故の後、2人とも負傷して 動けない場合が多く、他方が軽症なら重傷者(死亡者)を取り敢えず固定して 次の方策を考えるからです。モラル的な自制心がそれを妨げるとも考えられます。 若い頃、カラビナ等をジャラジャラ下げ、中には何時もアーミ-ナイフが入っていました。 ナイフを見せ「いつでも切るぞ~」と冗談を言っても、切ったケースが話題になった ことは一度も有りませんでした。それほど希だったのでしょう。 人の能力は千差万別です。自他共に認める世界のトップレベル、3,4人のヨーロッパ 1流レベル、後1~2年でそこまで行けるかなと言う我ら雑魚レベルのグループ。 雑魚レベルでも、アイガー北壁通常ルートは1日で登らないと恥と言われていました。 3時頃ヘッドランプをつけザイル無しで下部を登り、昼前に危険地帯を過ぎ、 夕暮れ前に登り切る。皆な恥を掻きたくない訳で、雑魚以上のレベルでアイガー 北壁に行った人は居ませんでした。 トップの技量は文字通り超人的です、雑魚の能力を遥かに超えています。 そういうレベルの人が主人公なら何でも有りかな思ってしまいます。 2ランク程下のメンバーがマッターホルン北壁を登り、感想「怖かった~」に 皆で失笑したものです。 ただ昔の登攀は装備も悪く、訓練の機会が少ないことも有り難しかったと思います。 第一次大戦ではイタリアとオーストリアの山岳地帯、ドロミテ、で氷河内に陣地を作り 互いに山砲を据え付けて戦っています。手許の地図ではオーストリア側の氷河陣地は 205人の兵+士官が収容でき、3基の山砲と1台の機関銃座が見えます (Alpine Welt, 1925ミュンヘン)。向かい側の敵陣を雪崩等お構いなく無く砲撃した わけです。氷河が堅く雪も深い冬は休戦状態、春になると雪崩を見方に戦った様です。 この時代に、追われて500~600mの急峻な雪渓を滑落し、それでも怪我無く 逃げおおせた等の山岳兵神話が数多く生まれました。 戦争でも山頂を目指すのは、戦略的な意味の他に士気高揚の目的も有り、 特に不自然な話しでは無いと思います。 日本でも戦国時代に山頂の領有権を巡っての小競り合いは数多く有りました。 モンブランに登った際に、フランス山岳部隊の分隊と頂上尾根ですれ違いました。 ピストルだけの身軽で明るくボンジョールと挨拶してすれ違う隊長、自動小銃を 抱き込む様に持ち歯を食いしばり目だけで睨み付けすれ違う10名程の隊員。 隊員のアイゼンが氷に食い込むザックザックという軽快なリズム。かなりの練度と 見受けました。ちなみに「怖かった~」の憎めない彼は山岳兵の出身でした。 遠くから見て険しく見える山も壁も取り付いて見ると全く違って見えます。 マッターホルンは大きな岩がごろごろという感じで、壁に取り付いたと言う感じは 有りません。先日、ヨーロッパの名峰としてモンブランとマッターホルンがNHK ハイビジョン放送で有りましたが、壁を登ったとか凄かったとか言う記憶が 完全に抜け落ちているのです。ほこほこと登って、下りた谷がフェン現象で40℃ 以上の温度、ビールが凄く高くてもの凄く旨かったという記憶だけが鮮明です。 槍や穂高にしても「うゎ~小さい、ジャングルジムか~」と感じる人も有れば、 「いや~凄かった、さすが槍」と言う人も居るわけです。 つまり、どう感じるかは心象風景みたいなモノで、脚本・演出家が観客に訴える 様に誇張したとしても、それはそれで有りです。 山屋と釣りキチは法螺吹きが多いので脚本・演出家が騙されている可能性も 十分過ぎるほど有ります。 登場人物の誰かと一体化して素直に楽しむのが娯楽の王道です。 ランボーの撃つ弾は全て当たり、敵の弾はかすり傷にもならない。 リアルなら、多勢に無勢ランボーにもついに弾が当たり、エイドリア~ン と叫んで絶命する。ん~、でめたしでめたしですか? 質問者と同じ感じを持った事は有ります。 「氷壁」を読み出して、直ぐ白けてしまいました。設定が???なのです。 ザイルが切れたら、切れたザイルの一端は生還した人の側にも残るわけで、 その破断面を観察すれば岩角で切れたか鋭利な刃物で切られたかは 一目瞭然です。それなのに延々と続くお話し。 後日、この小説が日本の山で起こった実際の事故に基づくことを知り 驚きました。白けた私が悪うございましたm(_ _)mという気分です。 以上、雨の日曜日の長いツイッターでした。

miraise
質問者

お礼

丁寧なご回答ありがとうございます。 山登りカテに投稿しておいてなんですが、私のような知識だけの人ではなく、実際に山登りをされている方からの回答で感激しました。 ザイルを切ったケースは本当に少ないんですね。 私だったら、苦難をともにした仲間が滑落したら、 自分は生き残りたいという思いと、自分でザイルを切る重圧や 仲間と一緒に死ねたらいいという思いとで八方塞りになってパニックになりそうです。 実際に、仲間と一緒に死を選んだ山屋の方もいるのではないかと推察します。 トップの技量は本当にすごいんですね。 ただ、その技量を生に感じることができるだけの経験が残念ながら私の中にはないので、 下手したら、トップの登攀の様子を見るよりも、10mくらいの崖をノーロープで 登っている人を見るほうが臨場感を感じるかもしれません。 バーティカルリミットはようやく半分ほどまで観ました。 調子こいてる人が出てきたら「あ、この人この後死にそう、死亡フラグ立ったな」とか、 「あーこの人があとで絡んでくるんだろうな」とか、 作り手が、視聴者をどのようにいい意味で騙そう(予想を裏切ろう)としているか を推測しながら観ていました。 エンターテイメントはそれ相応の観方があるもので、 ノンフィクションのヒューマンドラマなどとは観方が違うのだなと思いました。 No1さんのご回答大変参考になりました。 丁寧なご回答をありがとうございました。

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