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日本の皆様は「歩いても 歩いても」をいい映画だと思われますか

 日本語を勉強中の中国人です。以前こちらのカテゴリで美しい邦画について質問したことがあります。その時、「歩いても 歩いても」という邦画をすすめてくださいました。  昨夜、この映画を見ました。しかし、外国人の私に伝わってくるものが感じられませんでした。日本の方はやはりこれはいい映画だと思われますか。どのように鑑賞したらよろしいのでしょうか。よくわかりません。  また、質問文に不自然な表現がありましたら、それも教えていただければ幸いです。よろしくお願い致します。

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  • ベストアンサー
  • ucok
  • ベストアンサー率37% (4288/11421)
回答No.1

1mizuumiさん、お久しぶりです。以前に確か、「おくりびと」がお気に召さなかったんですよね。「おくりびと」を面白いと思わない人が「歩いても 歩いても」を面白いと思わないのは、よくわかります。両方とも地味な映画ですし、どちらかというと、“もう自分は若くはない”と思い始めている人が面白いと思うタイプの映画だからです。 さて、まず、「日本の方はやはりこれはいい映画だと思われますか」というご質問について。はい、それなりの評価を得ていますので、多くの日本人がこれをいい映画だと思っているようです。また、下記のような海外の映画データベースでもそれなりに高い評価を受けているので、いいと思うのは日本人だけではないと思います。 ちなみに私は、この映画をいいと思った日本人です。もしかしたら以前に薦めた者かもしれません。「日本人」という観点から言うと、私がこの映画で好きだったのは「自分がよく知っていた風景で、なくなりつつある風景がたくさん出てくる」という点です。例えば、あの祖父母の家は、30年前の首都圏にはたくさんありました。玄関や台所の造りといい、お庭といい、いたんだタイルに至るまで。それが近年、税金対策でどんどん取り壊されています。たぶん多くの日本人がああいう風景を観て「ああ、こんなにステキだったんだよなあ。もっと大事にしておけばよかった」と思ったに違いありません。まさに、あの映画のテーマである「いつも、ちょっと間に合わない」という感覚ですよね。 ただ、おそらく日本人でなくても「ああいうお爺さん、いたなあ」とか、「親戚に一人は、あの姉夫婦みたいな人たちがいるよね」とか「子供の頃にいとこと、こんなふうに遊んだな」という思い出があると思うんです。そしてそういう思い出が自分の中から引き出され、その愛おしさに気づかされるような映画ではあると思うんです。だから海外でもそれなりの人気があるのだと思います。 とはいえ、日本でも爆発的に売れた映画ではありませんし、これといったクライマックスがないので、面白いと思わない人がいても当然でしょう。10年くらい経ってからまた観てみると、面白さが伝わってくるかもしれませんよ。

参考URL:
http://www.imdb.com/title/tt1087578/
1mizuumi
質問者

お礼

 ucokさん、ご無沙汰しております。「おくりびと」に続け、今回またご親切に解説していただき誠にありがとうございます。この映画の背景にあるものはいろいろわかりました。大変参考になりました。まだよくわからないところがありますが、もう一度教えていただけないでしょうか。

1mizuumi
質問者

補足

1. >それが近年、税金対策でどんどん取り壊されています。  それはどういうことなのか、もう少し教えていただけないでしょうか。 2. >まさに、あの映画のテーマである「いつも、ちょっと間に合わない」という感覚ですよね。  「いつも、ちょっと間に合わない」ということはまだよく理解できていません。私は最後に感じた映画のテーマは「子養わんと欲すれど親待たず(やしなわんとほっすれどおやまたず)」 (子がその親に孝養を尽くそうとする頃には、親は既に亡くなっている)です。的外れでしょうか。

その他の回答 (1)

  • ucok
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回答No.2

補足を拝見しました。 1.理由を「税金対策」と言いきってしまうとオーバーですが、こと、日本の近代住宅は、数十年で取り壊すのが一般的です。これは、メンテナンスにお金や手間暇をかけるよりは、近代的な家に建て直したほうが、なにかと快適で合理的だから、という理由ももちろんあります。しかし、もうひとつ大きな理由が相続税です。 まず、子供ができたのをきっかけに家を建てる日本人は少なくありません。おそらく、あの医者を引退したお爺さんも、そうだったのでしょう。家の古さから言ってそう思います。しかし、家を建てた夫婦が年とって亡くなった場合、その家を子供が相続しようとすると、莫大な相続税がかかります。そこで、たいていの人は、ボロ家を相続して相続税を丸ごと税務署に持っていかれるよりは、ボロ家は壊して賃貸マンションにでも建て替えて、大家となって賃貸料をもらい、そのもらったお金で相続税を払おう、というふうに考えます。そういうこともあって、昭和後期まであった家や畑は、今、ほとんど見られませんし、昭和中期には都心の住宅でも当たり前にあった庭というものが、今の都市部の住宅にはほとんどないのです。 でも、今の日本しか知らない世代や、近年になって外国から来た方々には、ああいう風景も知ってほしいなと、少し年とりつつある日本人なら思うのではないかという気がします。また、その若者や外国人の周りで同じようなことが繰り返されているとしたら、今一度、考えてほしいと思うのではないでしょうか。私はそうです。 2.映画の解釈は人それぞれでいいと思いますが、私も1mizuumiさんの解釈に賛成です。「いつも、ちょっと間に合わない」は映画の中で良多が言うセリフなのですが、予告編やポスターにも使われていて、映画のキーワードとなっています。おそらくは1mizuumiさんの解釈をそのままセリフに投影したものでしょう。 ただ、こうしてご質問をきっかけに、改めてこの映画について考えてみると、親孝行のことに限らず、いろいろなものが、「ちょっと間に合」っていなかったのだなと感じます。例えば、いとこと遊んだとか、おじいちゃんから、ちょっとした言葉をかけてもらったとか、そんなことを、人は噛みしめる間もなく、すごい勢いで人生を駆け抜けていったりします。で、ふと立ち止まって、そういう出来事の素晴らしさに気づいたとき、もうその風景はすっかり過去のものになっていたりするんですよね。で、まあ、良多くらいの年になると「ああ、あの瞬間をもっと大事にしておけばよかったなあ」なんて思うわけです。 でも、思ったところで、やっぱりその瞬間には「めんどくさいなあ」とか「うるさいなあ」とか「緊張して疲れるなあ」なんて思ったりするわけなんですよね。是枝監督のこれまでの作品を思い返してみても思うに、この映画は、べつに、親孝行を急きたてているとかいうわけではなく、誰もが抱くこの「間に合わなかったなあ」という感傷的な気持ちを、なんといいますか、映画を通じて抱きしめてくれているんだと思うんですよね。「歩いても歩いても間に合いたい相手は、一歩先を言っていて追いつかない。だけど、それでいいじゃない」みたいな感じかな、と思っています。 余談ですが、この映画は、監督が、亡くなったご両親を思って作った映画だそうで、セリフやシーンの多くは実際に起きたことをかなり忠実に再現しているのだそうです。

1mizuumi
質問者

お礼

 再びありがとうございます。相続税のことは初めて知りました。勉強になりました。映画のテーマについて啓発的な説明をしてくださり、大変助かりました。もう少し成長すれば、この映画をもう一度見たいです。本当にありがとうございました。映画の特典も見ました。せりふに力を入れた俳優と関係者に感心します。

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