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日本円から中国元に効率よく両替する方法とは?
- 近々中国に行く予定なのですが、100万円を予定しているため、日本円から中国元に効率よく両替したいと考えています。
- 以前は日本円を一旦アメリカドルに両替してから元にした方が良いとのアドバイスを受け、中国銀行で両替したことがありますが、現在は円高のため、どの方法がベストか決めかねています。
- 現地で両替する方法と、日本でドルに両替してから現地で元に換える方法がありますが、手数料なども考慮すると、現地で両替した方が有利かもしれません。詳しい方のアドバイスをお待ちしています。
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「以前」とおっしゃるのがどれくらい前かにもよりますが、現時点では中国で両替するのに米ドルを経由する必要性は感じません。私自身ここ数年、年1回くらいのペースで中国に出かけていますが、日本円からでも十分納得できるレートで両替できています。 まずレート的な有利不利について、数字を出しながら検討してみたいと思います。 参考ページ[1]は中国銀行の両替レートです。「現匯買入價」が対顧客電信買レート(TTB)、「現鈔買入價」が現金買レート、「基準價」が公示仲値でしょう。 11月22日17時の時点で、日本円から人民元への両替は ・公示仲値 100円=6.8303元 ・現金買レート 100円→6.6491元 (公示仲値比 -2.65%) ・対顧客電信買レート 100円→6.7923元 (公示仲値比 -0.55%) と発表されています。一方米ドルから人民元への両替は ・公示仲値 100ドル=741.19元 ・現金買レート 100ドル→733.74元 (公示仲値比 -1.01%) ・対顧客電信買レート 100ドル→739.67元 (公示仲値比 -0.20%) です。 確かに米ドル現金からの両替の方が、日本円現金より目減りが少なくて済みます。しかしご指摘のように日本で米ドルに両替した際の目減りも足さなくてはなりません。日本の銀行での米ドル現金売レートは、公示仲値に1ドル当たり3円が上乗せが標準ですから2.76%ほど目減りがある計算になります。 日本円を直接中国で両替すれば目減りは2.65%、米ドルを経由して両替すれば3.77%(1.01%+2.76%)ですから、日本円をそのまま持ち込んだほうが有利と分かります(*1)。なお「日本円の両替額には1日あたりの上限があった」とのことですが、その上限は米ドルには適用されなかったのでしょうか。知る範囲でですがこの種の上限がもし存在する場合どの外貨にも適用されているようで、米ドルだけ除外する規定はまだ見たことがありません。 他の方法としては (1)現金でなくトラベラーズチェック(以下TC)で持ち込む (2)国際キャッシュカード(デビットカード含む)で引き出す (3)国際送金する などが考えられます。 まず(1)ですが現金の場合と同様に、円建てTC・米ドル建てTCの双方について目減りの計算を行います。TCの換金には(現金買レートでなく)対顧客電信買レートが適用されます。また処理期間分の金利として、中国銀行の場合0.75%が差し引かれます。日本の銀行でのTC発行手数料は通常1%です。合計すると目減りは0.55+0.75+1.00で2.30%です(*2)。現金よりわずかに有利な程度ですが、盗難や紛失に備えてTCにするのは一法でしょう。米ドル建てTCですと、日本でTCを組む際に1ドル当たり1円(0.92%)の為替手数料と1%の発行手数料を支払います。中国での換金は対顧客電信買レートで処理され0.20%の目減りです。これに処理期間分の金利0.75%も支払います。合計は2.87%ですので円建てTCより不利になります。 国際キャッシュカード類には多種のものがありますが、現時点でもっとも手数料が安いのはイーバンク銀行の「イーバンクマネーカード」です[2,3]。現地で引き出した人民元の額は「VISAインターナショナルが定めるレートに1.63%加算」したレートで日本円に換算され、イーバンク銀行の預金口座から引き落とされます。「VISAインターナショナルが定めるレート」ですがこれは前出の公示仲値と同一視して構いません。つまり手数料はそのまま1.63%と見積もることができ、日本円現金の両替より有利です。国際キャッシュカード類では他にシティバンク銀行や新生銀行のものが有名ですが、これらの銀行の国際キャッシュカードの手数料は軒並み3%を超えますので検討する必要はありません。 イーバンクマネーカードを含めて国際キャッシュカード類の短所は、一日の引出し額に制限があり百万円分の人民元となると何日かに分けて引き出さなくてはならないこと、回線不調やそのほかの理由で引出しができない場合があることです。資金を全て国際キャッシュカード類に頼るにはリスクがあります。 国際送金は小額の場合は不利ですが百万円単位であれば検討に値します。日本の銀行の国際送金の手数料は1回4千円ほどです。このほか国際送金では中継銀行や受取側銀行が手数料を差し引く場合もあります。 送金に用いる通貨は日本円でも米ドルでも選べます。円建て送金の場合は通貨換算に伴う目減りは日本円→人民元の1回で済みますが、リフティングチャージ(*3)と呼ばれる手数料が2,500円ほどかかります。中国に着金後日本円→人民元に振り替える際のレートは上記の対顧客電信買レートで、その目減りは0.55%ほどです。 米ドル建てで送金する場合はリフティングチャージはかかりませんが、日本円の資金を米ドルに振り替える際に1ドルあたり1円の手数料(為替手数料)を払うことになります。中国銀行に着金後、人民元に変換される際のレートは上記の対顧客電信買レートで、米ドルからなら目減りは0.20%ほどです。 100万円を送金したとして円建ての場合は6,500円+0.55%で12,000円ほど、米ドル建ての場合は4,000円+0.92%+0.20%(15,200円)ほどを負担することになります。目減りにすればそれぞれ1.2%、1.5%となります。 送金は中国銀行の東京支店も扱っているようです[4]。送金に関しての中国特有の事情にも詳しいでしょうし、中継銀行が入り込まないために中間で手数料を引かれる可能性も減ります。ご興味があれば一度相談されると良いと思います。 参考ページ [1] http://www.boc.cn/cn/common/whpj.html [2] http://www.ebank.co.jp/kojin/debit/index.html [3] http://www.ebank.co.jp/kojin/debit/usage_cashcard.html [4] http://www.boctokyo.co.jp/jp/service_a_02.html *1 「基準價」の設定自体が実態とかけ離れて円安(あるいはその逆)だったりすると目減りでの比較は成り立ちませんが、基準價で741.19÷6.6491の割り算をすると108円51銭となり、この時点の円-米ドルの銀行間レート(108円60銭ほど)とほぼ一致します。よって目減りでの比較で構わないと分かります。 *2 TCの場合、換金1回ごとに50元程度の手数料がかかることがあります。 *3 資金として持ち込む通貨と送金に用いる通貨が同一の場合にかかる特有の手数料です。その額は送金額の0.05%というのが一般的ですが、最低額の設定があるため送金額が少なくても2,500円ほど徴収されます。
補足
こんばんは! お礼が遅くなり、誠に申し訳ありません。 ご回答いただいているとは気づきませんでした。しかもこんなに詳しく・・。 大変参考になりました! 目からうろこです。 イーバンクマネーカードが良いとは全く知りませんでした。 新生銀行のカードは所有しており、昔は中国でよく引き出していました。 引き出しの手数料が無料ですので、なんて得なんだろうと思っていましたが、VISAのレート+「α」とは知りませんでした。 レートはどの国際キャッシュカードでも同じだと考えていましたが、違うのですね。 新生銀行のページにはαのことまで書かれているのでしょうか・・しかし、もう過ぎたことなので忘れます。 早速ですが、イーバンクマネーカードに申し込みました。 届くのが楽しみです。 ところで、「「VISAインターナショナルが定めるレート」ですがこれは前出の公示仲値と同一視して構いません。」というくだりが理解できていないのですが、こちらの説明での公示仲値というのは、中国銀行が定めている買いと売りの中間の値段、ということでしょうか。それとも、中国共通のレートでしょうか。 それが、どうしてVISAインターナショナルのレートと同じなのかがいまいち理解できていません。 中国で両替する場合、各銀行で手数料が違うので、少し頭が混乱しています。 返信が遅くなって大変恐縮ですが、よろしければ、再度アドバイスいただければ幸いです。 宜しくお願いします。