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咬合平面を揃えないと何が悪いのでしょうか?

いつもお世話になっております。 毎回ベテランの先生方が惜しみなく情報を教えてくださるのには感動しております。自分もそのような歯科医師になりたいと改めて思う今日この頃です。 またまた素朴な疑問なのですが、よく「咬合平面をそろえてから~」という記述を目にするのですが、これはどういう効果を期待して揃えているのでしょうか?また、これはいかなる場合でも必ず揃えないといけないものなのでしょうか? 例えば上顎が無歯顎で下顎臼歯が明らかに左右で咬合平面の高さが異なっていて、その臼歯部自体は蝕蝕や歯周病的に問題がないような場合で、デンチャースペースもそのままで上顎総義歯が作れそうな症例でも、下顎のどちらかの臼歯部を補綴により咬合平面を反対側とそろえないといけないのでしょうか?また下顎歯が天然歯の場合、被補綴歯の場合と分けて考えるべきでしょうか? 仮にこのような症例で下顎歯を全く触らないまま、これまた左右で臼歯部の高さが明らかに違う(5mmとか1cmとか)上顎総義歯を装着すると、咬合平面が揃った義歯を装着するのに比べてどういった障害が考えられるのでしょうか? 宜しくお願いいたします。

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  • michael-m
  • ベストアンサー率50% (2724/5433)
回答No.1

咬合平面の事に関しては補綴で習っているはずですので簡単に言えば、顎関節に変位と過負担を蓄積する事になるので、将来的に顎関節症を発生する可能性が大きいということです。 しかし、咬合関係の崩れた患者さんにいきなり正しい平面で作製した義歯を入れても、患者さんにとっては辛いだけで、逆の意味で関節に負担をかけることになります。 そこで、理想的には、まず下顎残存歯の咬合平面を作り、咀嚼用に現状のままで咀嚼運動を妨げない義歯を作製。また顎の位置を正常域に誘導する為の義歯やマウスピースを作製し、或いは矯正などで残存歯の位置の回復を図り、時間をかけて顎・咬合の位置を戻した後に最終的な義歯を作製するとすべきだと思います。 しかし、この殆どは自費になりますし、患者の理解を得ることは困難です。また、保険診療では健全歯に治療を施す事は認められていませんし、医療としてであっても患者の了解無しに治療を施す事は基本的に禁じられています。 幸に保険では半年後とに義歯の作製が認められているので、咬合調整と一部処置で下顎を調整し、僅かに変位を直す程度の義歯を作製。半年後に更に同じ事を進めていく事で、少しでも是正していくのが限度でしょう。(勿論、患者の了解を得れば理想に近い処置にします) これは個人的解釈ですが、 私は質問のような症例の場合、カイロプラクティックによる全身のバランス調整を先に行いながら義歯の作製を勧めています。 咬合関係が全身に及ぼす影響は周知の如くであり、咬合を正せば全身的症状の改善もあります。しかし、長期に渡り変位した状態を維持している場合、既にサブラクゼイション(頚椎位置異状による神経圧迫)や骨の変形が起きており、原因の一つである咬合関係の改善だけでは回復しませんし、全身のバランスが崩れたままでは咬合関係を正常域に戻すのは困難だからです。 理想だけを求めても困難ですし、理想を無視して現状だけを考えれば逆効果、症状の悪化を招いてしまいます。 与えられた範囲で理想を目指すのがベターだと、私は考えています。

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