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モーツァルトはメロディ、ワーグナーはハーモニー?
「バッハはリズム、モーツァルトはメロディ、ワーグナーはハーモニー」 という言葉を聞いたことがあります。 J.S.バッハの楽曲のリズムが優れているのは分かりますが、モーツァルトとワーグナーについては(私が詳しくないため)分かりません。 モーツァルトは「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」や「怒りの日」のメロディは好きですが、抜群にメロディが優れているとは思いません。 ワーグナーについては、「トリスタンとイゾルデ」第一幕前奏曲のぞっとするような和音が凄く好きなので、ハーモニーが優れているのは何となく分かりますが……。 そこで、この二人のメロディ・ハーモニーが優れている楽曲を教えてください。
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- Tann3
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No.1です。 >礒山雅『J・S・バッハ』に書かれていました。 そうですか、礒山雅先生の本でしたか。失礼致しました。 この本、確認したら読んだことがありました。あらためて見てみると、上記の「バッハはリズム、モーツァルトはメロディ、ワーグナーはハーモニー」は、序章の「バッハに親しもう」に出ていましたね。バッハの面白さ、他の作曲家に比較した特徴を述べた部分です。 先生のバッハに対する博識と実践は私も大いに尊敬しています。上記の「バッハは・・・」も、碩学の礒山雅先生ですから、幅広い音楽体験から出たお言葉と思います。 でも、私の持っている各々の作曲家に対する捉え方とはちょっと違っているということです。 >バッハについてはジャズにも編曲されていますし、裏拍を感じさせる楽曲もたくさんあるので、リズミカルといって差し支えないのではないでしょうか。 これは演奏論、演奏方法に関するもので、バッハの曲固有のものという訳ではないように思います。 礒山雅先生の本にも書かれていますが、20世紀前半までの後期ロマン派を引きずった「ドルチェ、カンタービレ、エスプレシーヴォ」の演奏方法に対して、20世紀後半カール・リヒターやその後のピリオド楽器演奏家、グレン・グールドなどが、各声部の動きの粒立ちを明確に、きびきびと小気味良く演奏することで、バッハ本来の姿に迫るようになったという流れから、「リズミカル」という評価になったのだと思います。 モーツァルト、ワーグナーについては、礒山雅先生の本でも具体例には触れていませんね。私も、「これを聴けば分かる」といった代表的な模範事例が、すぐには思い浮かびません。
- Tann3
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>「バッハはリズム、モーツァルトはメロディ、ワーグナーはハーモニー」 出典は何でしょうか。あまり聞いたことがない・・・。 バッハは対位法での作曲が多いので、「リズム」と言っても何ら特殊なことはしていないと思います。世俗的な曲(無伴奏ヴァイオリンのパルティータ、無伴奏チェロ組曲、管弦楽組曲など)では、主にアルマンド、クーラント、サラバンド、メヌエット、ジーク、ガヴォットといった舞曲が中心ですので、それぞれの舞曲のリズムに従っているだけで、これまた特殊なことはしていないと思いますし。 モーツァルトは、確かに美しいメロディを多く書きましたが、イタリアオペラの作曲家のように空虚な「声をひけらかすためのメロディ」ではなく、音楽の心や、人間の感情、歌詞や場面に共感したメロディが多く、単に表面的にメロディが優れているというより、「音楽(の中身)が優れている」といった方が当たっていると思います。「モーツァルトはメロディ」というのは、モーツァルトに対する褒め言葉でも、その音楽を言い当てた言葉でもない気がします。 「ワーグナーはハーモニー」・・・。確かに、ヨーロッパ音楽の「機能和声」を徹底して追及し、その果てに「調性」を破壊する萌芽となる「トリスタン和音」を生み出した、という意味では「ハーモニー」が最も重要なファクターの作曲家であることは間違いないと思います。しかし、やはりそれだけではない・・・。音楽と演劇・美術などを統合した総合芸術指向(ムジークドラマ=楽劇)、人物・もの・感情・背景などを象徴するライトモティーフの活用、自分の楽劇を理想的に上演するための専用劇場の建設(バイロイト祝祭劇場)などなど。 今の日本は、「5分で分かる○○」とか、「わかりやすい△△」といった安直な「素人を分かった気にさせる」まがい物が横行する傾向があります。「バッハはリズム、モーツァルトはメロディ、ワーグナーはハーモニー」というのも、そんなものの一つではないでしょうか。 バッハにせよ、モーツァルトにせよ、ワーグナーにせよ、「○○を聴けば本質が分かる」などという単純で生易しいものではありません。とても一筋縄ではいきません。そもそも、あなたも含め、人間なんてそんな単純で底の浅いものではないでしょう。特に大作曲家と呼ばれるような作曲家は、懐が深く、いろいろな側面・趣向の作品を数多く書いていますし、同じ作品でもいろいろな演奏や解釈があり得て、一面的に受け取ることは困難、というよりそれは危険です。多角的・多面的・多様に演奏され受け入れられて、初めてその作曲家の多様な価値が見えてくるものだと思います。 人生何十年もあるので、あまりあせらず、じっくりとゆっくり聴いてみてください。聴くたびに、いろいろな新しい発見や、目からうろこが落ちることが立ち現われると思いますよ。
お礼
礒山雅『J・S・バッハ』に書かれていました。 詳しくは以下のページをご覧ください。 http://d.hatena.ne.jp/sessendo/20090104/p3 バッハについてはジャズにも編曲されていますし、裏拍を感じさせる楽曲もたくさんあるので、リズミカルといって差し支えないのではないでしょうか。 http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1340136948