• ベストアンサー

カナダドルから日本円への両替

来月、カナダのトロントから友人が日本へ旅行に来るのですが、 両替をどこでするのが一番レートがいいかと相談をされています。 2000ドルほど換えたいらしいのですが、どの両替方法が一番よいでしょうか。 候補としては、 ・トロントの銀行で日本円へ両替  (カナダドル建てのTCにするとレートがいいらしいと聞きました) ・日本の銀行でカナダドルを日本円へ両替 ・クレジットカードを利用して日本のATMから引き出し アドバイスよろしくお願いします。

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
  • Umada
  • ベストアンサー率83% (1169/1405)
回答No.2

 トロントにお住まいで、 (A) カナダドル建てトラベラーズチェック(以下TC)を日本で換金 (B) 円建てTCを日本で換金 (C) カナダで日本円現金に両替 (D) カナダドル現金から日本で両替 (E) クレジットカードのキャッシング(Cash Advance) の5者の比較であれば、有利なのは(A)(B)(C)です。(E)は条件次第です。(D)の「カナダドル現金から日本で両替」は明らかに不利なので避けてください。 1. 為替用語説  外国為替取引での有利不利を論じるのは為替用語抜きにはできないので、まずはその説明におつき合い下さい。 ・銀行間レート 外国為替市場において文字通り金融機関間の取引に使われるレートで、新聞やテレビが「今日の東京外国為替市場、終値は1ドル(米ドル)=94円20銭でした」と報じているレートは断りのない限りこの「銀行間レート」です。一般の顧客はこのレートでの取引きはできず、必ずいくらかの手数料を上乗せして支払います。 ・公示仲値(TTM) 銀行間レートは常に変動しているため、両替や送金の基準レートとしてこれをそのまま使うと処理が煩雑になります。そこで各金融機関は銀行間レートを参照しながら「公示仲値」というレートを定め、その日の取引の基準レートとして用います。(1日に数回の改定を行う金融機関もあります)  公示仲値と銀行間レートは厳密には一致しませんが、為替取引の有利不利を考える上では同一視して差し支えありません。また公示仲値は各金融機関が独立に定めるため金融機関間で若干ばらつきがありますが、その差はあっても0.1%程度です。 ・対顧客電信売レート(TTS) 外貨現金のやり取りを伴わずに外貨を買う(銀行の立場からは「売る」)取引きで適用されるレートです。具体的には外貨建てTCの購入、外貨預金、外貨建て国際送金などが該当します。TTSは決まった幅の手数料(為替手数料)を公示仲値に上乗せすることで機械的に計算されます。 ・対顧客電信買レート(TTB) TTSの逆で、外貨現金のやり取りを伴わずに外貨を売る(銀行が買う)取引きで適用されるレートです。公示仲値から為替手数料を差し引くことでこれも機械的に計算されます。 ・外貨現金買いレート 金融機関にとって外貨現金を取扱うことは、発行国からの輸送コスト、運用に回せないことによる死蔵コスト、為替変動によるリスクの発生を意味します。そこで外貨現金のやり取りを伴う取引きには「外貨現金取扱手数料」を課して埋め合わせています。外貨現金取扱手数料は、流通量の少ない通貨、政策金利の高い通貨、為替変動の激しい通貨ほど高く設定されます。 ・クレジットカード会社が定める換算レート クレジットカードを国外で利用した場合の決済のため、クレジットカード会社も通貨間の換算レートを毎日定めます(*1)。本回答ではこのレートを「クレジットカード会社が定める換算レート」と呼ぶことにします。このレートも外国為替市場の銀行間レートを参照して設定され、基本的には同等の数字と考えて頂いて結構です。 2. 両替法の具体的な有利不利の比較  両替法の有利不利は、銀行間レート/公示仲値/クレジットカード会社が定める換算レートのいずれかを基準として(*2)、そこからの上乗せ分の大小を比較すれば分かります。 (A) カナダドル建てTCを日本で換金  参考ページ[1]はTD銀行の手数料一覧です。TCの発行手数料は現時点では1%と読み取れます。日本でのカナダドル(CAD)建てTCの換金レートですが、例えば三菱東京UFJ銀行ですと8月21日10時29分のレート[2]で、1 CAD→84円67銭です(*3)。この日の三菱東京UFJ銀行のカナダドルのTTMは1 CAD=87円40銭なので(*4)、そこから2円73銭(3.1%)の目減りがあると分かります。TC発行手数料の1%と合算すれば、全体では4.1%の目減りと分かります。 (B) 円建てTCを日本で換金  参考ページ[3]はTD銀行のレートです。"Non-Cash Transactions"とあるので、TTS/TTBに当たる数字と分かります。8月20日の数字では1.1986 CAD→100円(TTS)、100円→1.1298 CAD(TTB)です。TTMは記されていませんが足して2で割れば1.1627 CAD=100円です。よってカナダドル→日本円(TC)の片道で2.8%の目減りがあると分かります。これにTC発行手数料1%が加算されますので、手数料は3.8%と分かります。 (C) カナダで日本円現金に両替  TD銀行のサイトで現金両替レートを見つけられなかったので、今度はRoyal Bankで見つけてきました[4]。8月20日東部時間21時の数字で100円→1.1132 CAD、1.2025CAD→100円です。足して2で割って1.15785 CAD=100円、ここからの目減りは3.9%と求められます。  参考までにですが、カナダでも西部(具体的にはバンクーバーとその近郊)となると、1%程度の少ない目減りで両替してくれる両替商が少なからず存在します(例えば[5])。日本との往来が盛んな土地で、両替商にとって日本円の「回転」がよいからでしょう。もしバンクーバーに寄ることがあるならご検討ください。 (D) カナダドル現金から日本で両替  これは絶対に避けるべき方法です。数字で示しましょう。  再び参考ページ[2]を見て頂くと、8月21日のカナダドル現金買いレート(CASH BUY)として1 CAD→77円80銭が掲載されています。TTM(87円40銭)からの目減りは9円60銭と求められます。これは割合にすれば11.0%にもなるので損であることは一目瞭然です。  ただし日本の銀行の名誉のために言っておくならば、これは銀行がボッタクリをしているからではなく、カナダドルは取扱量が少なく手数料を高めに設定せざるを得ないからです。 (E) クレジットカードのキャッシング(Cash Advance)  これについてはあまり知見を持っていないのですが調べてみました。例えば参考ページ[6]は一例で、香港上海銀行(HSBC)のクレジットカードの規程です。日本円→カナダドルの換算は、用語説明の項で述べたように「クレジットカード会社が定める換算レート」でなされ、これは公示仲値や銀行間レートと同等です。ただしこのままではクレジットカード会社に手数料収入がないので、国外利用に伴う手数料として2.5%を加算すると記されています(*5)。また、利息は年利で12.9%、利用手数料は1回4 CADともあります。  キャッシング利用から40日で支払(返却)を済ませたとすると利息分が1.4%です。利用手数料の4 CADは、2,000 CAD分を一度に引き出したとして0.2%に相当します。これに換算レートの上乗せ分2.5%を加算すると4.1%です。  これですと(A)~(C)とあまり変わりありませんが、手数料設定はクレジットカードによって異なり、例えば利率が30%にも及ぶカードも存在します。もしキャッシングの利用をお考えなら、クレジットカードの手数料規程はぜひ熟読ください。  またキャッシングの場合、利用限度額が小さくて必要な旅費の全額を引き出せない、ATMが外国発行のクレジットカードに対応していないといったトラブルもあり得ます。そのクレジットカードが明らかに低手数料でキャッシングできるならともかく、(A)~(C)の手数料と有意な差がないのであれば、(A)~(C)によった方がよいと思います。 3. まとめ (1) カナダドルから日本円への両替で有利な方法は (A) カナダドル建てTCを日本で換金 (B) 円建てTCを日本で換金 (C) カナダで日本円現金に両替 です。この3つの間では目減りに大差はありません。 (2) クレジットカードによるキャッシング(Cash Advance)は条件次第で(A)~(C)と同等ですが、全額をこれに頼るのには不安が残ります。 (3) カナダドル現金を日本で両替するのは最も不利です。これは絶対に避けてください。 参考ページ [1] http://www.tdcanadatrust.com/accounts/fees.jsp#travel [2] http://www.bk.mufg.jp/gdocs/kinri/list_j/kinri/kawase.html [3] http://www.tdcommercialbanking.com/fx/rates/index.jsp [4] http://www.royalbank.ca/rates/cashrates.html [5] http://www.vbce.ca/index.cfm?fuseaction=Major_Currencies [6] http://www.hsbc.ca/1/2/en/personal/credit-cards/rates 【補足】「どちらの国で両替すべきか」の考え方  「カナダの銀行では日本円を沢山持ちたくない(為替リスク)ので沢山くれます。」というNo. 1の回答の説明は一見もっともらしいのですが、実は誤りです。正しくは「カナダの銀行では日本円は、為替リスクや死蔵コスト運搬コストの回収のため、なるべく高く売ろうと(少なく渡そうと)します」です。カナダの銀行は日本円をなるべく高く売ろうとし、一方で日本の銀行はカナダドルをなるべく安く買おうとします。よってこの観点からは日本・カナダのいずれで両替すべきかの結論は導けません。  反例を挙げてみます。日本円からタイバーツへの両替をNo. 1の回答の論法で考えると ・日本の銀行はタイバーツを持ちたくないので、たくさんくれる ・タイの銀行は日本円を持ちたくないので、レートは悪くなる で、「日本で両替した方がよい」という結論が導かれてしまいます。しかし実際にそんなことをしたら大損します。(日本での目減り10%以上、タイでの目減り1.5%)  正しい観点は「その通貨の国際的な通用度」であり、両替を行なうべき国は「国際的通用度が相対的に低い通貨の国」です(*6)。日本円とカナダドルならカナダドルの方が通用度が低いので、カナダで両替すべきという結論になります。日本円と米ドルなら日本で、日本円と韓国ウォンなら韓国で、ユーロとチェココルナならチェコで、といった具合です。 *1 クレジットカード会社のデータ処理センターが、世界規模で一括設定するので、カード利用国によって為替レートが異なることはない。 *2 この三者は厳密に一致するわけではないが、公示仲値/クレジットカード会社が定める換算レートとも銀行間レートを参照してそれに近い値に設定されているため、必然三者とも近い値に収束する。 *3 参考ページ[2]のA/S欄がTCの買い取りレート。TTBより若干安い値になっているが、その差は処理期間分の金利である。 *4 TTMとして明記はされていないが、TTSとTTBを足して2で割れば求められる。 *5 日本発行のクレジットカードを使い海外でキャッシングした場合、換算レートへの一定割合の上乗せはなく、利息と1回当たりの利用手数料のみの加算で計算される。 *6 双方とも国際的通用度が低い通貨同士の交換(例えば韓国ウォン⇔ハンガリーフォリント)の場合は、通用度の高い通貨にいったん交換する「二重両替」が有利になり得る。

tomosakura
質問者

お礼

すごいです。詳しい説明ありがとうございました。 途中で挫折しそうになりましたが、 とても分かりやすく説明していただいたので、最後まで理解できました。 為替って面白いですね。勉強になりました。 回答を締め切らなくてよかったです。

その他の回答 (1)

回答No.1

カナダで日本円に交換してください。 カナダの銀行では日本円を沢山持ちたくない(為替リスク)ので沢山くれます。 日本では、カナダドルを沢山持ちたくない(為替リスク)のでカナダドルの保有が少なくレートは悪くなります。 クレジットでお金をおろすと5%の手数料に日本国内(?アメリカ)の為替レートになります。 日々の為替変動を気にしないようにするには、クレジットカードで買い物をしてください。

tomosakura
質問者

お礼

なるほど。 クレジットでお金をおろすとそんなに手数料が取られるんですね。 ありがとうございます。

関連するQ&A

専門家に質問してみよう