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エレキギターでブラッシングしながらの演奏
- エレキギターで右手は常にブラッシングしながら、左手で単音弾きという奏法について御質問したいと思います。
- GARY MOOREのアルバム「SCARS」で「RECTIFY」というHRの曲があります。
- 実際にドへたなりにゆっくりと真似してみましたが、ビブラート部になると途端に右手の振りが自動的に止まってしまいます。こういった奏法を習得したい場合、効果的な練習法は無いものでしょうか?
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該当の奏法に関しては、オルタネイトピッキングを極めて忠実に守った奏法だと思います。これに関しては、特に小難しいことを試みている訳ではなく、基本に忠実に演奏しているものといえるでしょう。 とりあえず、オルタネイトピッキングとリズムトレーニングについて、基本に立ち返って基礎練習を綿密に積むのが大事かと思います。まずは、メトロノームを使ってリズムトレーニングを兼ねた基礎練習を土台にして、オルタネイトピッキングの動作を洗練していくのが良いでしょう。また、その際にはテンポを落として一挙手一投足に十分な注意を払える速さで(ただし動きが緩慢になるのに釣られてリズムがルーズになってはいけません)、注意深く動作などを確認しながら検証する機会を設けたりするのも良いでしょう。 なお、リズムについて意識する場合は、ただ漠然とタイミングを追うのではなく、繰り返される一定のパターンを意識して捉えるのが良いでしょう。その上では、リズムを小節の単位で捉えなおすことと、拍子記号について正確に捉え、リズムの単位と基本的な性格を把握することが大切だと思います。 とりあえずは、スケール練習など基本的な運指練習の際にも、メトロノームを活用してリズムトレーニングを併せて行うようにするのが良いでしょう。小節頭にクリックが鳴る設定ばかりではなく、2拍目や3拍目などでクリックが鳴るようにメトロノームのクリックを意識したりすると、より良いと思います。テンポを落とす際にも、メトロノームをテンポのガイドとして活用し、リズムパターンを崩さないように気をつけるのも良いでしょう。こうしたリズムトレーニングを綿密に積むことで、リズムに対する身のこなしを洗練することが大切だと思います。 また、リズムトレーニングに関しては、楽器を持っていない時でも、音楽を聴く時には身体を動かしてリズムに合わせるとか、歩く時などにも足の運びをリズミカルに一定の動作になるように気をつけてみるなども、一定の効果があると思います。 オルタネイトピッキングがうまくいかないケースでよくあるのは、空ピックがぎこちなくなる例だと思います。これについては、まずはリズムの譜割を見直して、ピッキングするところだけのピッキングパターンを見直し、その各ビートでのピッキング方向を固定するように意識して、あらかじめピッキング方向を決めて練習してみることから始めることをお勧めします。 まずは意識しやすいピッキングをするポイントにおいて、決まったピッキング方向を守ることからはじめるのがやりやすいでしょう。間にピッキングしない拍が挟まった二つの音符について、その両方をダウンで弾くとしたら、必然的に二つの音符の間にピックを上に戻す動作が必要になります。この時、慣れていないと、空ピックしてピックを上に戻さなきゃと意識しすぎるあまり、動きがぎこちなくなることも多いでしょう。逆にその動作を意識しすぎず、その次のピッキング方向はダウンと決めてそれだけに集中することで、動作が安定するということも多いと思います。慣れるまでは、どこに空ピックがあるということを強く意識するのではなく、どのタイミングのピッキングではピッキング方向はどっち、と決め打ちしておいて取り掛かる方が楽なことも多いでしょう。空ピックが苦手な場合は、そうした動作から慣れると良いと思います。 空ピックの動きに慣れてきたら、今度は空ピックで架空の存在しない弦をピッキングするつもりで、動作を意識してみるのが良いでしょう。空ピックは実際には弦をピッキングしないタイミングになりますが、そのタイミングにも拍は存在しています。その拍への意識が曖昧だったりすると、そのタイミングを端折ってつっこみすぎてしまうなど、リズムを不安定にしてしまうこともあります。空ピッキングはそのような拍について、動作によって注意を喚起できる利点があります。体の動きが慣れたら、空ピッキングをする際には架空の存在しない弦をピッキングしているつもりで、ピックを運ぶのが良いでしょう。 なお、ブラッシングに関しては実際に弦を弾く奏法であって、空ピックではありません。ただ、ブラッシングを多用することによって、空ピックのときの動作の感覚を掴もうとするのも一つのやり方ではあると思います。ブラッシングも休符部分で一定のビートを演出するという意味では、リズムキープの上で重要な動作です。 いずれにしても、ブラッシングや空ピックなどの音程にならないピッキング動作についても、リズムをキープする上で重要な時間を占める所作として、丁寧に意識を向けるのが良いでしょう。 なお、ギターを演奏する上で、リズムを意識する場合には、右手と左手を分離して独立したもののように捉えるのは良くありません。右手と左手のリズムを独立させようとがんばってしまうのは、努力の方向をまったく真逆の方向に誤っていると思います。両手のリズムを分離してバラバラにするのではなく、どちらもの動きを統一したリズムの上に成り立つものとして意識し、双方を密接に関連付けて捉えることを強くお勧めします。一つの楽曲を一つの楽器で演奏する以上、その中でそれぞれの手が描出するリズムは一つです。両手にあるリズムが一つのものとしてシンクロするように意識して練習するのが良いでしょう。 片方の手に意識が集中すると他方がおろそかになるというのは、リズムに関する意識が散漫で局所的にしか注意が向いていないせいだと思います。もっと巨視的にリズムを捉え、その中でリズムを構成する要素としてそれぞれの手の動きを見直し、関連しあう要素として一つのリズムの中でシンクロする動作になるように両手の動きを関連付けて捉え直すのが良いでしょう。その上では、右手の振りは一定のリズムを身体で表現するものとして意識し、左手の動きはその右手の振りで表されるリズムに合わせるように見直してみることをお勧めします。演奏を意識する上では、大きな枠から演奏内容を見つめなおしてみることも大切です。 だいぶ抽象的な内容が多くなりましたが、参考になれば。長々と乱文を失礼しました。
お礼
とても御丁寧な御回答、誠にありがとうございました。 御礼が遅れてしまい、誠に申し訳ございませんでした。