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サブウーファーのインピーダンス
カーオーディオ用のサブウーファーをみますと、メーカー、デザイン、価格まで同じでありながら、インピーダンスが違う(2Ω&4Ω)だけで異なる形式名称を与えられて併売されているものがよくあります。何故そんな些細な違いだけで、メーカーは2機種揃える必要があるのですか?性能面で大した違いが無いなら2種類揃える必要は無いはずですし、逆に違いがあるなら同一価格で売られている理由が分かりません。そもそもアンプ側は2Ω時○○(W)、4Ω時○○(W)といった感じの表記がありますから、どちらのインピーダンスにも対応できるものが殆どだと思います。つまり、アンプを気遣ってインピーダンスを変えているのでもなさそうです。ご存知の方、宜しくお願いします。
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これはNo.1の方のご意見と内容的に同じ事なんですが… カーオーディオでは、最近でこそ2Ω対応のパワーアンプも数多く出てますが、昔から標準的なスピーカ規格としては4Ωが主流で、今でも4Ωまでしか対応していないパワーアンプは数多く使われています。 そして、「サブウーファを付けたい」と望むユーザーでは、車内スペース等々の問題で「1発仕様か2発仕様か」は大変悩み所でもあり、結局のところ両方ともにそこそこ需要があります。 このような市場の状態の中では、例えば「アンプは今の4Ω対応のままで、サブウーファを2発仕様に変えたい」という需要も決して少なくはありません。そうなると(アンプの買い換えや増設は無し)、スピーカ側の設定は、No.2の方がご説明のオームの法則により ・8Ωスピーカを並列配線 ・2Ωスピーカを直列配線 のどちらかしかありません。しかし、カーオーディオ用で8Ωのウーファは、非常に数が少ないという現実もあります。 そのため、2Ωの商品ラインナップがあるということは、メーカーにとってもユーザーにとっても、選択の自由度が上がってありがたい話…という面があります。 また、この論調で行けば、確かに「全部2Ωでもいいんじゃないのか?」という発想も出てくるところですが、前述の様に現在市場に流通しているアンプは、まだまだ4Ω対応のものが絶対数で主流ですし、「一発仕様」の需要も多いですから、市場流通では4Ωバージョンの方が需要が多く、メーカーとしても4Ωバージョンの方がどちらかといえば主力で、無くすわけにはいきません。 また、アンプバージョンアップ込みで2Ω対応アンプを買って貰えれば、4Ω並列2発仕様も選択できますから、ますます商品のバリエーションが増やせて販売促進できるというカラクリです。 ちなみに、2Ω版と4Ω版の価格については、少なくとも製造工程の上ではスピーカの中の「コイル部品」だけが仕様が違うという以外は、全く同一行程で製造できますので、コスト的に同じだから価格も同じ…と、単純に考えて差し支えないです。 厳密に言えば、4Ωコイルより2Ωコイルの方が単価は高いはずです。理由は、作るのがちょっと難しいからです。 しかし、工場の生産ラインでコイル組み立て時だけ部品を変えれば後は全く同じ…というシステムができていれば、「今日は4Ω何個、2Ω何個」という在庫量に合わせた生産変更が簡単にできるので、その分コストが下げられます。 よって、「なぜ2Ωも4Ωも価格が同じなんだ」という点については「本当は2Ωの方がちょっと高いけど、企業努力で価格を合わせております」というのが、ほぼ正解といえます。 それから、2Ωと4Ωの違いは、スピーカの仕様だけ見ていると些細な違い(数字のほんのちょっとの違い)と思われがちですが、電気的な目線で見ると、これもNo.2の方がご説明済みですが「4と2は、たった2の違いでしかない」ということではなく「電力が倍も違う」という結構大事な違いです。4Ωから2Ωに変わっただけで、理屈では電線類は太さを倍に、電源能力も倍にしないと対応できなくなるのです(実際の製品は、そのあたりもちゃんと見込んで設計してあるので、あんまり体感できませんが…)。 ですから、実際にシステムを組む場合、そのあたりをちゃんとわかっている技術者(カーオーディオ界にはあまり多くはないですが…)なら、2Ω対応のアンプでもなるべくならスピーカが4Ωになる組み合わせになるよう工夫します。スピーカにどれだけパワーをつぎ込むか…だけを考えるなら、2Ωの方が良いのは言うまでもないですが、実際には2Ω対応アンプでも、あえて余裕を持って4Ωで使う方が音質が向上し、ケーブル類も選択肢が増え、何よりアンプの製品寿命が大幅に伸びる等々、4Ω仕様とする方がユーザーにとっても有利な点が多いのです。 この点では、優秀な技術者ほど「アンプ(を含む車の電装系全般)を気遣う」ものなのです。 製品型式番号が違うのは、非常に単純な理由で、要は「2Ωと4Ωの製品を現場で間違えない様に」です。これは、どんな工業製品にも適用されるルールの一環でもあります。 ということで、ウダウダ書きすぎましたが ・4Ωアンプは、実際の市場全体では、まだまだ主流であること。 ・2Ω対応アンプでも、4Ω負荷で使う方が有利な点が多いこと。 ・そのような状況下では、2Ωと4Ωの両方の製品がある方が、セッティングの自由度が増して結果的によく売れる…と言えること。 が、両方が売られ続ける理由と言えると思います。 なお、上の2点目については、もし機会が有れば、「4Ω並列で2Ω負荷」と「2Ω直列の4Ω負荷」の2発仕様ウーファを同じアンプで聞き比べられるとよくわかると思います。パワーを上げていくと、普通は「4Ω並列で2Ω負荷」の方が先に音が割れてしまい、どちらも音が割れない範囲で使う限りは「2Ω直列の4Ω負荷」の方が音量が大きくなります。 ユーザーは仕方有りませんが、カーオーディオ技術者でも、そのことを知らない人は結構多いですねぇ。
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- himiko_1947
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オームの法則をご存知であれば単純に計算で出てくるのですが、 パワーアンプさえ、その低い方のインピーダンスに対応していれば、 計算上は、4Ωのスピーカより2Ωのスピーカには2倍の電力を供給することが出来ます。(実際は電源関係の能力が効いてくるので、単純に2倍にはならないようですが) 例えば スピーカの許容入力が30Wで4Ωのものと2Ωのものがあるとして、 アンプの出力が4Ω負荷時15W、2Ω負荷時30Wであれば 2Ωのスピーカの方が大きな電力を加える事が出来ます。 スピーカが4Ωしかない時、30Wの電力を加えるにはアンプは1クラス上のものを使わなくてはいけません。 インピーダンスの相違は電力に関わってくるので、重要な事です。 ただ、余り低いインピーダンスになると、接続電線や接触部分の抵抗が効いてくるので注意は必要ですが。 主旨からは外れますが、 家庭用で使用される場合は、必ず アンプの出力より大きな許容入力を持ったスピーカを使用してください。 40Wのアンプには40W以上の(許容入力)スピーカを。 スピーカのW数表示は、この電力まで入れても大丈夫ですと云う表示なので。 たまに誤解されている方がおられますので、念のため。
補足
ご回答有難うございます。 そうしますと、誰しも「2Ωの方が良いよね」ということになって、4Ω仕様の方は存在理由が無いのでは?と思ったのですが、この考え方は間違っていますか? 4Ωの負荷しか接続できないようなアンプが巷に溢れているのならともかく、殆どのアンプが2Ω、4Ωどちらの負荷でも接続可能ですよね?また、ユーザーは(特に大容量のサブウーファーを購入する人々の多くは)大出力を好む傾向がありますし、アンプの負荷は4Ωよりも2Ωの時の方が出力が大きく取れる、となれば、殆どの人は2Ωのスピーカーを買いたがるようになって、4Ωのスピーカーなどは廃機種となって市場から姿を消してもおかしくないと思うのですが・・・ それでも市販ウーファーのカタログなどを見ますと、同一メーカー、同一モデル(枝番号違い)が同一価格で2Ω仕様、4Ω仕様として存在しているのをよく見ます。 この点についてお教えいただければ幸甚に存じます。
カーオーディオに限らずインピーダンスが複数選べるのは自作する人間にとってはありがたいんです。1台に複数使いたい時にアンプでドライブできる組み合わせが増えますから。
お礼
しばし感動の余り動けなくなるほど完璧なご回答・・・ 誠にありがとうございます。 実は、現在地元の工房に依頼してオーディオを製作中なのですが、自分自身がまだまだ理論的かつ微妙な部分を理解していないこともあり、今回使うサブウーファーは市販のアンプ内蔵型を選択しました。 しかし、今後の拡張性も考慮して、ワンオフのボードの上にヒューズブロック、キャパシターなどとともに、なるべく太いワイヤーで電源系統を引っ張ってくるとか、しっかりしたRCAケーブルを使用するなどの工夫を施しております。 まずは、来週オーディオが仕上がったら、その状態で聞き込んでいって、将来的には是非本格的なサブウーファーを組み上げたく、今回の質問をさせていただいた次第です。 これより、ご回答いただいた内容を何度も読み返して理解を深めたいと思います。 お忙しい中、詳細なご回答を頂き、重ね重ね誠にありがとうございました。