沖縄科技大学院大が飛躍している理由

質問

10年前にできたばかりの沖縄科学技術大学院大（ ＯＩＳＴ ）ですが、昨年は初のノーベル賞受賞者を出しました。また、科学誌ネイチャーの発行元は１９年に、自然科学分野で質の高い論文の割合が高い研究機関ランキングを発表。ＯＩＳＴは、東京大（４０位）や京都大（６０位）を上回って国内最高の９位になったそうです。なぜこのような短期間でレベルが向上したのでしょうか

※OKWAVEより補足：「大学院」についての質問です。

回答No.1

moritaroh · ベストアンサー

＜OISTのステートメントより＞
先駆的な大学院大学である OISTは、科学の新たなフロンティアを開拓するため、分野の垣根を越えた研究を行っています。また、新世代の科学を率いるリーダーを育成し、沖縄にイノベーション拠点を形成する触媒の役割を果たします。

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この中で、重要な点は、『科学の新たなフロンティアを開拓するため、分野の垣根を越えた研究を行って』という部分です。

現在の日本の大学における科学技術分野においては、工学系・理学系など、長らく続いてきた縦割りの学部・学科制度が影響し、大学院などで分野を越えた研究がしにくい状況です。
しかし、現在、社会から求められている科学技術に関する研究は、単一のカテゴリーでは成果を出しにくく、そのため分野横断型の研究体制が望ましいのです。
OISTは設立の段階から分野を横断した研究課題を挙げているので、そのため特に国際的な研究実績をあげやすい、ということです。

もう一つは、沖縄という立地の特殊性です。

沖縄は日本ですが、アジアの各地域との交流も多いのが特徴。
よって国際的な人材が集まりやすいことが言えるでしょう。
また、国際学会に提出する論文の執筆など、科学技術分野でも、英語などの外国語は必須ですが、しかし、日本の大学受験において、理数系は語学が苦手…というか、語学を軽視する傾向があります。
ですが、そもそもOISTの教員で日本人は少数です。で、学生もまた、日本人はそれほど多くないと考えられます。
はじめからグローバルな人材で、グローバルな研究を、という視野で設立されている時点で、人文系に比べれば語学水準が低い日本の理数系学生、既存学部による学内政治などで足を引っ張り合う東大や京大よりははるかに自由でレベルが高いのでしょう。