まず、(1)にビデオカードは付いていないし
いずれも、たいしたスペックのPCでは無かったりします。
4機種すべて、共通して、液晶は1366x768という異常に狭いものです。
Windows98時代のビジネスモデルの液晶は1280x1024が普通でしたが
画素数で比較すると…
1,310,720
1,049,088
デジカメ風に言えば、1.3Mピクセルと1.0Mピクセルです。
横幅こそ広くなっているものの
ウェブサイトも書類も、縦長であることが多いので
1366x768は、用途によっては、15年前のPCと比べても、異常に狭いものなのです。
それが15.6インチの持ち歩けない巨大さなのですから
決してお薦めできるものではありません。
で、ビデオカードという言葉は、米国などのPC分野で一般的な言葉ですが
これは、大昔のPCは、グラフィック機能は拡張カードであることが普通だったためです。
それが、拡張カードとしてではなく、内蔵で装備されているなら、必然的に
ビデオカードやグラフィックカードとは呼びません。
ビデオカードはビデオキャプチャカードと混同されることがあるので
あまり日本では一般的ではありません。また当時はVGAカードとも呼ばれました。
現在のWindowsPCの先祖にあたるIBM PC/AT互換機では
ビデオカードには、当然ながらグラフィック機能を提供するためのVGAチップが載っていました。
やがて、それはSuperVGAチップとなり、VESAによるSVGAの定義が行われ
(SVGAカードという言葉は一般的に使われていない気がします)
Windows3系の時代には、GUIに特化したアクセラレーションが発達し
その果てに、高度な3D機能を備え、グラフィックプロセッサーユニット(GPU)と呼ばれるものが生まれました。
ですから、現在のNVIDIAやATIブランドのグラフィックコントローラーチップは
GPUと分類されています。
単なるグラフィックカードは、VGAやSVGAを超える独自の機能仕様を備え
VGAカードとは呼ばれなくなっています。
(現在XGAは誤用しかされておらず、SXGAなどは規格化されていない、個々の独自仕様です)
それらは、淘汰され、もはやPC用としてはintel,AMD,NVIDIAの三社が主流となっています。
Coreiシリーズでは、グラフィック機能をチップセットではなく
CPUに内蔵するようになり、また機能と性能の向上からCPU内蔵GPUと呼ばれるようになりました。
ですから、(1)はGPU搭載とも言いがたく、専用GPU搭載とか、独立GPU搭載とか
単純にNVIDA製GPU搭載PCと呼ぶことになります。
独立していることによって、チップセットやCPUの内蔵グラフィック機能のように
メインメモリーを共用するのではなく、専用のVRAMを持っています。これが2GB。
ですから、テクスチャーなどに大量のVRAMを活用する場面では
GPU性能だけでなく、メモリー効率とVRAMの速さで有利となります。
ただ、前述のように、液晶は1366x768に過ぎず
またIPS液晶などの付加価値の高いものでもありません。
NVIDIAのGPUが付いていると言っても、狭い画面ではグラフィックワーク用とは言えませんし
ノートPCの排熱性能を考えれば、GPGPU用に良いとも言えません。
いわば、ローエンドのゲーム用ノートPCで
中途半端な感のあるPCということになります。
もちろん、HDMI端子があるので、外付けモニターを活用することもできますし
フルHDのテレビ受像機があれば、それを転用できるかもしれません。
もし、同じ予算で、フルHDだけどCPU内蔵GPUのものと比較するなら
ノートPCはGPUの換装はできないので
GPUを優先して選び、後から、外付けモニターを買い足す考え方もできます。
逆に、グラフィック機能において、intel HD Graphics 4000で充分であれば
予算を、液晶のスペックを上げるほうに使うほうが良いでしょう。
ようするに、スペックが上か下ではなく
用途に向いているかどうかを考えるべきなんです。
大きなTV受像機ではフルHDがあたりまえで
タブレット端末やスマフォでもフルHDが一般化しています。
それらは、ノートPCよりも低価格で販売されています。
たとえばNexus7(2013)は3万円を切っていますが1920x1200(23Mピクセル)の画面を備えています。
多機能であるはずのノートPCを選びながら、より安い
タブレット端末よりも狭い画素数で作業をするとか、おかしな話です。
デスクトップPCをおろそかにし、1366x768の安いノートPCを大量に販売し続け
TV受像機やタブレット端末,スマフォのフルHD化に置いてけぼりにされたことが
パソコンの凋落を早めたんじゃないかという気もします。
だって、電子書籍を見比べても、タブレット端末に劣るのでは…
フルHDモデルが売れるようになっていかなければ
パソコンが廃れるのは早まるばかりだと思っています。