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昭和の写真集で肖像権について考える
- 昭和の写真集で一般人の肖像権についてはどうなるのか疑問です。
- 肖像権には期限はあるのか、スナップ写真と報道写真の違いは何か、一般人の撮影許可なしで写真集を販売しても肖像権侵害にならないのか、気になります。
- この質問では、昭和の写真集を通じて肖像権について考えます。
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著作権と違って肖像権という物が法律で決められているわけではありません。 以下は文化庁の説明です。 《 報道などの場面で「肖像権」ということばがよく使われますが,この権利は「著作権」とは全く別のものです。また,「著作権」については「著作権法」という法律がありますが,「肖像権」という権利を定めた法律は存在せず,憲法や民法の一般的な規定に基づいて訴訟が行われていますので,「肖像権」は,かつての「日照権」などと同じように,判例の蓄積によって確立されつつある権利であると言えるでしょう。 特別の法律がないために,「何が肖像権侵害になるのか」とか「肖像権侵害にならない例外的な場合」などといったものは,すべて裁判所の判断次第であるということになります。 また,「著作者の権利」の中に「著作者人格権」と「著作権(財産権)」があるように,「肖像権」についても「人格権的な側面」と「財産権的な側面」があるようです。 例えば,有名人の場合は,常に注目されたり報道されたりしているわけですから,肖像権の問題は多くの場合「財産権的な側面」が強調されています。 これまでの判例を見ても,芸能人の肖像権について,「芸能人の場合には,通常,その氏名・肖像が広く社会に公開されることを希望あるいは意欲しているのが一般的である」として「人格権的な側面」がある程度否定される一方で,「芸能人は,顧客吸引力のもつ経済的な利益ないし価値を排他的に支配する権利を有する」とか「俳優等は,自ら勝ち得た名声の故に,自己の氏名や肖像を対価を得て第三者に専属的に利用させうる利益を有している」として,「財産的な権利」が認められています。 逆に,有名人以外の人々の場合は,通常はその肖像は高い経済的価値を持たないため,多くの場合「人格権的な側面」が強調されています。 例えば,「個人の私生活上の自由のひとつとして,何人も,その承諾なしに,みだりに,その容貌・姿態を撮影されない自由を有する」という最高裁の判断があり,「プライバシー」と同様の権利が認められています。 いずれにせよ,他人の肖像を撮影したり利用したりする場合には,事前に本人の了解を得ておくべきでしょう。》 http://chosakuken.bunka.go.jp/naruhodo/answer.asp?Q_ID=0000493 「肖像権の保護」 その写真によって個人の姿態容貌や私生活をあばかれたという告発がその写真に写されている人からあって、判事がそれを納得したならば販売や公開の差し止めができるかもしれないのですが。例えばその人物だけをクローズアップしてどういうキャプションを付けたかとか。その写真の大きさとか、写真全体の中でどれくらいの割合を占めているかとか、使われ方とかそういう判断になると思われます。 1の答 民事でも時効はあります。損害賠償請求は3年以内です。撮られた本人がその発表されているのを知ることができなかったと認められればその事実を知ってから3年ということ。また行為から20年経つとその間本人が気付かなかったとしても請求権は無くなります。 http://www.h7.dion.ne.jp/~ootake/keiyaku/songai.htm 2.その違いの定義には関係無く、写された人がそれによってどのような被害をこうむったかが判断の基準になると思われます。 3.写された人が芸能人であった場合、財産権の侵害になります。無名人であった場合は写された人がそれによってどのような精神的苦痛や損害を受けたかによるでしょう。
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昭和でも撮影時には新聞社のカメラマンと言う身分を明かした上で撮っているはず。それを承知で被写体になっているので、肖像権の使用について同意していると見なせます。 また広場など誰でも立ち入ることが公共スペース、お祭りなど写真撮影が十分想定されるイベントなどでの撮影で、「一般群衆」「その他大勢」として写り込んでいる場合は肖像権の保護の対象にならない、というだけで、報道写真=肖像権が無い…わけではありません。祭りの御神輿全体を撮るなら問題ないが、特定の担ぎ手だけをアップで撮る場合は肖像権が絡んできます。身分を明かした上で撮影するか、やむなく突発的に撮影した場合は事後でも何らかの形で承諾を得る必要があります。 もし祭りの群衆全員の肖像権使用許諾が必要になったら、事実上、新聞・テレビニュースで報道できなくなりますよね。観光ポスターも作れない。また逃亡中の重大犯罪の容疑者の顔写真も本人の許諾が必要になったら、指名手配や市民への注意喚起で問題が出ます。それでは困るので肖像権がいつでも保護されるわけでは無いのです。もちろん報道には責任も伴いますから法律以前に自主的なルールもあります。 (1)肖像権だけ考えてもダメで、撮影したカメラマンの著作権や、撮影を企画した新聞社の権利、遺族の心情もあり、権利関係者すべてへの配慮が必要。 (2)上記説明のように同じものと考えることが出来るし、報道と言う目的の社会性から違うとも言える。ケースバイケース。 (3)上記説明のように侵害になる可能性がある。
お礼
回答ありがとうございます。 >昭和でも撮影時には新聞社のカメラマンと言う身分を明かした上で撮っているはず。 うーん、でも何十人もの一般の人が写りこんでいて、全員から許可を得るのは難しいのではと思います。 たとえば祇園祭の写真などでは、山鉾の関係者の許可は得ているでしょうが 見物人までの撮影許可を得ているとはとうてい思えません。 見物人は群衆ということで肖像権は不要であると判断されたのかもしれませんね。 最近、御祭りを見に出かけたらテレビ局の人が取材をしていました。 後日テレビを見ると小さく私や友人の姿も写っていました。 しかし、撮影許可は求められていません。 (別に肖像権侵害だなどとは思いません。) ただこういう写真集が発売されているということは、私的にはうれしいことではありました。 肖像権が厳しくなって、優れたスナップ写真の写真集にはもうお目にかかれないだろうと思っていましたので。
お礼
回答ありがとうございます。 肖像権は法律で定められているわけではないのですね。 肖像権の「人格権的な側面」と「財産権的な側面」も大変参考になりました。 >その写真の大きさとか、写真全体の中でどれくらいの割合を占めているかとか、使われ方とかそういう判断になると思われます。 なるほど、そうなんですね。 表情まで写っている人については撮影許可は得たのかもしれません。 (写真集にして販売する許可まで得るのは難しいように思えますが) >また行為から20年経つとその間本人が気付かなかったとしても請求権は無くなります。 写真は昭和50年くらいまでのものでした。 なるほど新聞社は20年が経過しているので、発行にふみきったのでしょう。 素晴らしいスナップ写真集はまだまだ期待できそうだと感じました。