回線の負荷分散は、大企業だったら、プロバイダに依存しないアドレスをAPNICかJPNICから取得して、複数のISPとBGP(border gateway protocol。インターネットの中継ルータ間で経路情報を交換するためのプロトコル)で接続すれば、複数のISPにトラフィックを振り分けることができます。
どちらかの回線orISPが死んでも残りに迂回しますし、設定によっては、通常時から、両方の回線に負荷を振り分けることができます。
回線障害時の自動迂回と負荷分散を行いたい場合は、基本的にはこのやりかたになります。
最近はよく知りませんが、BフレッツなどのFTTHではBGPでフルルートをもらうような運用はできないと思います。Ethernet専用線などの高価な回線を使うと思います。
そういう意味でも大企業向けです。
サーバの負荷分散は、ロードバランサーと呼ばれる専用の負荷分散装置をインターネットとサーバの間に置いて、複数のサーバが、インターネットからはあたかも1台であるかのようにみせつつ、複数のサーバで負荷を分散させることが多いです。
このとき、ロードバランサーは、各サーバの生死を監視していて、死んだサーバを負荷分散グループから自動的に除外する機能を持っているのが普通です。
また、クライアントとサーバ間のセッションを追跡し、クライアントとサーバの関係を維持するような仕掛けがあるので、ダイナミックにコンテンツを生成するようなWebアプリケーションでも対応することができます。
ラウンドロビンDNSでは、一般に、死んだサーバを除外することが自動的にはできないので、あまり障害対策にはなりません。
また、ダイナミックなWebアプリでセッションの追跡が必要な場合、つまり、アクセスするたびに、実際に接続するサーバが変わると困るようなWebアプリでは、ラウンドロビンDNSは使えないことがあります。
ただし、規模が小さくて、構成もFTTHを複数引き込んで各ISPから振り出されたIPアドレスを各サーバに割り当てるようなもので、しかもスタティックなコンテンツなのであれば、ラウンドロビンDNSで負荷分散はできるでしょう。
障害対策にはなりませんが。
お礼
非常にわかりやすい説明、ありがとうございます。 FTTHで固定IPを取得できるサービスはいくつもありますが、BGPを使えるのでしょうか。 ロードバランサーはサーバーの負荷分散/障害対応で、外部ネットワークの分散はできませんよね。 ラウンドロビンDNSは死んだサーバーを除外できないとなるとなかなか難しいですね。 www.microsoft.com/japan/windows2000/ server/solutions/critical2/ms2.pdf のような仕組みも見つけましたが、もう少し考えてみます。 ありがとうございました。