まず一番大きな違いはスピーカーシステムとリスナーの距離ですね。
スタジオモニターなどではスピーカーとリスナーの距離は大きく取れないこともあり各ユニット間の距離はできるだけ近づけたほうが音像の定位を保つためには有利だということがあります。一方PAシステムなどではリスナーとの距離はかなり大きく取れますので、多少各ユニット間の距離が離れていてもそれによる音像の移動は無視できる範囲にすることができるでしょう。また、PA用のシステムなどでは各ユニットの能率をできるだけ高いものにするためにエンクロージャーにもフロントホーン型やツイーターにも大型のホーンを取り付けたものが多く使用される関係もありエンクロージャーの上にツイーターユニットという配置が多くみられますね。
音像の定位が最も良いのはフルレンジユニットですが、十分な再生帯域を得るのは難しいのでリスナーとの距離が取れない場合の次善策としてコアキシャルユニットを使用する場合もありますし、MTM仕様も周波数による音像の移動をできるだけ感じさせないために、中低域ユニットの間にツイーターを置くという配置にしているものがあるのです。
まぁ要はリスナーとの距離が近く音像定位や角周波数の位相の問題が顕著に出やすいモニターではできるだけ各ユニットを近くに配置したり中低域のユニットの間に高域ユニ十を挟むことによって疑似的に周波数による音像の移動(ツイーターの両側に同じ特性のユニットを置くことでそのユニットからの音はユニットの間の中央に音像があることになる。写真ような構成の場合はより音像の移動にシビアなツイーターを低域ユニットの中央に近づけ、ミッドレンジをややオフセットさせたものと考えられる)を防ぐという方法がとられているということです。一方PAではリスナーとの距離は十分とれますので、ユニット間の距離が1メートル程度離れていても問題にはなりにくいので、ユニット配置に関する制約はあまり大きくなくなるので、指向性や効率の観点から設計した結果が巨大な中低域用のエンクロージャの上に同じく巨大なホーン型のツイーターという形式になると考えられます。また、写真のような配置にすると、ミッドレンジやツイーターを挟んで左右対称な形状になるため、うまく設計しないとエンクロージャのバッフルボードが共振してしまう場合があります。一般的にユニットを取り付ける位置は対象にある位置や整数比で割り切れる位置を避けて取り付けるのはこの共振を嫌うためです。まぁ、これにはエンクロージャー内部でリブを立てるなどの方法で解決することができるのでそれらの方法をとる売位が多いのです。
お礼
回答ありがとうございます。 仮想同軸という名前の通りですね。スピーカー自体を大きな点としてみるということですか。ユニットが2つ幅をとると「ニアフィールド」では少々きついから、若干離れた距離で聴く「ミッドフィールド」と呼ばれるのですね。