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ミックスボイスの混ぜ方について
- 地声の高音域が比較的低く(安定するmid2G~G#でてほしいのにあと一歩)、カラオケでも歌いたいと思う曲が歌えなくて悔しく独学で本やサイトを見てミックスボイス習得目的のボイトレをすることにしました。
- 友達とカラオケに行って改善点を探そうと思い歌ってみたところ、「裏声鍛えすぎてて地声が張り上げられなくなってるよね。勝手に張り上げるとこで裏声にシフトしちゃってミックスできてないからそれじゃダメだよ。地声(たぶんチェスト)の練習をしな。」といわれました。
- ミックス(ミドル)ボイスを出すときって、切り替えの時は地声の高音ぎりぎりで切り替えるのと地声最高音に達する前に余裕を持たせてチェンジさせていくのか、どちらの方が良いのでしょう?たぶん今のまま行くと後者になりそうなのですがこれは習得の仕方として合ってるのでしょうか?
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「裏声鍛えすぎてて地声が張り上げられなくなってる」 まずひとつ言えるのは、この友人の評価は現在の状態を表現する言葉としては間違っていませんが、あくまで一過性の状態だと言う事です。 「勝手に張り上げるとこで~」は、「張り上げる(べき)とこで、勝手に裏声にシフトしちゃって」と言うことでしょうか、これも状態の表現としては必ずしも間違ってはいませんが、ミックスボイスを最短で習得するために今注力するべきは、「地声を鍛える」ことではなく、現在やっている「地声に見合うよう裏声を鍛える」と言うことと、もうひとつ「喚声点付近の通過を含んだ上昇、下降エクササイズ」を、小さな声量から徐々に大きな声量でも出来るようになる事です。 私もそうでしたが、実は質問者さんの今の状態と言うのは、元々の体の状態が次のようなパターンであった方のミックスボイストレーニングの経過において比較的よく見られる状態です。 ・地声が元々比較的低い ・地声はそれなりに声量がある ・反して裏声は声量が無く、地声と比べ極端に弱い 実は、こういう方は、地声が低いというよりも、裏声が全く鍛えられていないために、完全な地声だけで限界の高さまで出そうとして、最高音付近でいわゆる「プル」と言う状態になっている場合が多いです。このプルはドアなどに書いてあるPULL、引っ張るという意味ですね。 こうなると、地声の限界付近の高さの音では弱く歌うという事が出来ず、かなり張り上げる感じの発声になっているはずです。 個人差はありますが、このやり方ではどんなに頑張って発声練習しても高いD~Fあたりに壁を感じ、それ以上の高さの音を出すことは出来ません。体調により若干上下する程度です。 それが「自分は声が低い」と思い込む要因になっているのです。 本当は、多少個人差はあるものの、誰でも地声にはこのあたりに壁があり、完全な地声ではそれ以上は出せないのです。 ※もし壁を感じないとしたら、それはもうミックスボイスがほぼ完成しているという場合がほとんどではないでしょうか。 実はこのような状態の方が、ミックスボイスを習得するのは非常に難しいです。 いや、正確に言えば、難しいのではなく、今までの発声の感覚とミックスボイスを使う感覚があまりにも違うために、今までの感覚に引きずられてしまって、特に独学では無駄な時間を使ってしまうことが多いのです。 ある程度正しい知識を元にトレーニングを始められたとしても、途中の段階において声が一時的に出づらくなり、「本当にこれでいいのか?」と言う疑問や不安も出てきて、それがまたストレスになると言う事もあるかも知れません しかし、必ずミックスボイスは使えるようになります。 ですから、まずあなたが上記のパターンに当てはまる方であれば、ミックスボイスを習得するためには、自分を信じる事、そして忍耐が最も重要だということを理解してください。 精神論のようですが、少しずつでもいいから毎日無心で地道な反復練習を集中して続けるためには、こういった事がモチベーションの維持に欠かせないのです。 さて、トレーニング初期において裏声がほとんど鍛えられていない人の場合、裏声を鍛える事になりますが、多少鍛えて強く出せるようになったぐらいでは、まだまだ今までの地声の最高音部で張り上げていた声量には遠く及ばないでしょう。 そのため、これをそのまま地声につなげようとすると、ミックスどころか全くかみ合わず、無様にフリップ(ひっくり返り)する事になります。 ですから、それを避けて今までの地声と「鍛えた芯のある裏声(ヘッドボイス)」を、喉を力ませること無く、なおかつフリップせずにスムーズにつなげるためには、最初のうちはかなり抑えた声量、特に初期の段階ではほとんどささやき声レベルまで地声の声量を落とさなければならないでしょう。 喚声点を超えるあたりでは息も多めに使う必要があると思います。 ただそれでも構わないので、まずはその声量を落とした状態で地声から裏声、裏声から地声への上下を繰り返します。 リップロール、タングトリルは、比較的簡単に無駄な力みを排除しつつ、このような上下を行える、よいエクササイズです。 小さな声であれば、慣れればリップロール、タングトリルを使わず「フー」のような音でもこの地声⇔裏声のスムーズな転換は比較的楽にできるはずです。ただ、「こんな声量では歌うなんてとても考えられない」そう感じるかもしれません。 しかしここから、同じエクササイズをしながら少しずつ声量を大きくしていこうとすると、やはりだんだんとフリップし易くなってきます。 そこでフリップするのをなんとか抑えようとすると、どんなに喉の力を抜いてリラックスしようとしても、どうしても若干喉の一部にやや力が入ることを感じると思います。 実はこれが、これまでほとんど使われていなかった(であろう)、ミックスボイスを使うためにピンポイントで鍛えるべき筋肉なのです。 しかし、これらの筋肉が充分に鍛えられる前に大きな声量で喚声点を超えようとすると、フリップを抑えるために余計な部分にまで力が入り、なんとかフリップせずにその高さの音は出せたとしても、とても歌には使えない、伸びも張りも無い音になってしまいます。 あるいは、フリップを抑えて高音域に入るために、かなり声量を抑えた気の抜けたような歌い方をしなければならず、全く気持ちよく歌えない。どうしても、以前どおり高音を張り上げて歌いたくなる、またはどんな風に声を出すべきかが全く見えてこない…。 これが、私が推測する現在の質問者さんの状態ではないかと思っています。もし全くはずれていたらすみません。 ここで2つ目の質問への答えですが、最終的には地声とミックスボイスの明確な切り替え点は、声を出す意識の上でも、声を聴く側にとっても無くなってしまうべきであり、最終的にはただ普通に声を張りながら高くしていっても自然に地声からミックスボイスに移行するのが理想です。 ただ、それが出来るようになる前の途中経過の段階として、前述のプルの状態に入ってしまわないよう、声を張らないと出せない完全な地声で出せる限界の音よりも少し手前から、意識的にヘッドボイスを混ぜるような感じで発声している状態になるかと思います。 つまり、質問者さんの言う後者の習得方法で、おおむね合っています。 これは私の個人的な見解ですが、上記に当てはまる状態の人がミックスボイスのトレーニングをする場合は、しばらく「歌」そのものの練習を休んででも、まずミックスボイスをそれなりの声量で歌えるレベルにまで仕上げる、それだけに集中してもよいのではないかと思っています。 本気で毎日少しずつでも集中してトレーニングすれば、焦らずとも半年以内にかなり形になります。早ければ3ヶ月、声が出しやすくなるなど、変化を感じるだけならもっと早いです。 人によっては、「ミックスボイスを使うために喉に力を入れる必要なんて全くない、ミックスボイスを習得するために喉の筋力を鍛えるなんてナンセンスだ」と言います。 しかし人間、訓練によって何か体が変化し、鍛えられるとしたら「筋肉」とそれを使いこなす「神経」(力の加減やタイミング制御)しか無いわけです。 訓練前と訓練後の肉体の違いで最も大きなものはやはり、筋肉(筋力、しなやかさ、相互のバランスなど)の違いです。それ以外の要素として脂肪や健康状態などもあるでしょうが。 そう考えると、発声トレーニングをある程度継続的に行うことの重要性が見えてくると思います。 例えばスポーツジムなどで体を鍛えるのに、2週間に1度、丸一日ハードなトレーニングをして、残りの13日間は休む、そのようなトレーニングは短期間で筋肉を鍛える目的としては非常に非効率的です。 ミックスボイスを習得するための発声練習も完全に同じとは行かないまでも、近いことが言えるわけです。 もちろん最終的には、歌う時の喉周りと言うのは出来る限りリラックスした状態で、最小限の力だけが使われるべきです。 しかし、人間の体と言うのは、それまでの使い方によってかなりその状態に個人差があり、たとえ目指す場所は同じでも、そこへ辿りつく道のりは人によって全く違うものである場合もあると言う事を理解してください。 実は、このミックスボイスを使うために必要な筋肉が、最初から比較的鍛えられている人と言うのも、結構いるのです。 ダウンタウンの浜田さんが小室哲哉さんプロデュースで歌ったとき、小室さんは当時のHEYHEYHEY!の中で「浜田さんはX JAPANのTOSHIさんと同じぐらいの高い声が出せる」と言っていました。 これは、浜田さんがそれまで特にボーカルの専門的な訓練などしていない事からすると驚くべき事ですが、彼の普段の喋り方を聞けばその理由は想像がつきます。 浜田さんは普段から、一部のテンションの高い関西人特有の、普段の会話の中で非常に高い音を使う喋り方をしていますよね。 例えば「オマエなにゆーてんねん!」の「ゆー」が裏声、いやもうほとんど自然にミックスボイスの発声になっています。 これが実は、そのまま彼にとってのミックスボイスの訓練になっていたのです。 何しろ、毎日かなりの量をあの喋り方で話しているわけですから、トレーニング量としては相当なものですよね。 ですから、歌の上手い下手はともかく、声域に関しては最初からずば抜けていたわけです。 このように、ミックスボイスへ至る道は人それぞれ、あまり現在の状況や周囲の言動に惑わされず、そのまま毎日、少しずつでもトレーニングを続けて欲しいと思います。
お礼
丁寧な回答ありがとうございます。 疑問になっていたことをわかりやすくたくさん書いてくださり感謝しています。是非ともこの先の練習の参考にさせていただいています。浜田さんの例を出してくださりましたが、高い声を普段の会話などで出してますね。もしかして若干高めの裏声混じりの会話をしていれば普段からミドルボイスの習得に必要な筋肉が鍛えられるんでしょうかね?色々試行錯誤してやってみます!