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好きな日本の近代文学(明治時代~)を教えてください。
好きな日本の近代文学(明治時代~)を教えてください。 「よく読み返す。」 「学校の授業で習っただけだが忘れがたい。」 と理由は色々でしょうが、 好きな日本の近代文学を教えてくれませんか? 私は志賀直哉の「網走まで」です。 高等学校1年の国語Iの授業で読んだのですが、忘れがたい作品ですね。太宰治は難解すぎて---。
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まず、ただひとつお勧めするとしたら、私なら「三四郎」ですね。 ●夏目漱石、もちろん名作はたくさんありますが、「三四郎」はなかでもとても読みやすく、それでいて、誰にとってもなにか物悲しくなるほどのノスタルジーをさえ感じさせる異色の名作だと思います。 「三四郎」・・・帝大に入学するために熊本から上京した三四郎、ガス灯や市街電車、赤レンガに洋食などといった明治という活気に満ちた時代の東京で新しい生活がはじまります。 郷里の先輩である野々宮、高等学校教師の廣田、同級生の佐々木興次郎などと接することで新しいものの考え方もまた学んでいきます。 そんな三四郎は、ある日、すこし年上の美しい女性里見美禰子に出会います。彼女とはその後も度々出会うことになった三四郎、いつしか彼女へのはかない憧れを・・・、そんな純情な三四郎の心をまるで弄ぶかのような美禰子、でも美禰子もまた・・・。 この「三四郎」はストーリーも面白いですが、明治の頃の東京の風物や風俗がとても詳しく描き出されていますので、その面からも楽しめます、ぜひ読んでいただきたい一冊です。 あとはついでに「草枕」もお勧めでしょうかねえ。都会の喧騒といったものを忘れて、漱石と一緒に非人情と不人情の違いについてじっくりと考えてみるのもまたいいかもね。 ●大佛次郎、彼の作品も私個人としては大好きです。 「帰郷」・・・シンガポール、マラッカ海峡の夕日、そして静謐な京都の佇まい、その舞台のロケーションの対比がとても鮮やかに描かれていて、当時としてはモダンともいえるドラマの展開をひときわ鮮やかなものにしているように思います。 「霧笛」・・・。横浜の山手に住む英国人のもとで下男として働く捨吉、彼の目を通して描かれた当時の外国人と日本人の関係、日本人の気骨、そして、やはりここでも明治の頃の横浜がとてもリアルに描かれています。なかなか迫力のある作品ですよ。 ●志賀直哉、彼の作品ではなによりも文章の簡潔さを味わいたいものです。 「暗夜行路」や「城の崎にて」などはお勧めすべき定番ですが、私はあえて「小僧の神様」「たき火」などといった一連の短篇を楽しんでいただきたいと思います。 ●森 鴎外、「舞姫」なんかは有名ですし、事実、なかなか読み応えのある作品ですが、鴎外の作品に触れるなら、読みやすさといった面から「高瀬舟」などから入って行くのもいいかもしれません。 もちろんまだまだ、とても沢山ありますが、まずはこんなところで・・・。
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- KoL418
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こんばんは。 好きな近代文学といえば・・・ 既出ですが、宮沢賢治。「銀河鉄道の夜」が一番好きですね。 その中に、「何がしあわせかわかりません。ほんとうにどんなつらいことでも、それが正しい道を進む中でのできごとなら、峠の上りも下りもほんとうのさいわいに近づくひとあしずつですから。」----だいたいこんな感じの言葉があって・・・ 何か辛いことがあると、この言葉を思い出します。 梶井基次郎「檸檬」も好きです。意味はいまいちよくわからないんですが、色彩が鮮やかな感じがします。おはじきを口に含むシーンがすごく好きです。 質問者さんが難解だとおっしゃっている、太宰では「女生徒」と「駆け込み訴え」が好きです。 「女生徒」は、なんていうか・・・乙女です。太宰なのに、乙女。面白いですよ。(でも質問者さんが男性なら嫌いかも・・・) 「駆け込み訴え」は、あーユダとキリストってもしかしてこんな感じだったのかも??と思いました。どちらも短編なのですぐ読めます(^^) 最近は現代作家のものばかりで、近代小説はあまり読んでないです・・・久しぶりに読んでみようかなあと思いました。
お礼
太宰治に「女生徒」という名前の小説があるんですか? 初めて聞いた---。
- Nannette
- ベストアンサー率26% (1499/5697)
No.5のNannetteです。 お礼のお言葉有難うございました。 ええ、全部読みました、それも繰り返し・・・。私、気に入った作品は何度も読み返すクセがあるんです。漱石の「三四郎」などはことに好きで、もう何度読み返したことか・・・。 文中、「ストレイシープ(迷える子羊)」と美禰子がつぶやきます。 それが彼女にとってどういう意味を持つのか・・・、何度か読み返していると、最初は分らなかった美禰子の気持ちが突然分って、自分の心の中にも住む「美禰子」を見つけてとても共鳴したり・・・と。 男性の方だったら、青春期の男の子の希望と迷い、そんな、胸がうずくような気持ちに、さぞかし共鳴できると思います。 文学、もちろん至高の芸術作品ですから難解なものも多いし、なにしろ、作品によっては漢字の多さにもヘキエキすることは事実。でも、そんなことを感じていたなら、何時までたっても文学の良さに浸ることはできません。 だから私なんかは、とかく気楽に読めて、ストーリーの展開が面白く、理解し共鳴しやすい作品を選んで、読んで良かったなと思う・・・、それがなによりも大切なことだと思っています。その作品が気に入ったら、そこからさらにその作家の作品を読もうという意欲も涌きますしね。 志賀直哉の短篇の「たき火」、竹山道夫の「ビルマの竪琴」、こうした作品は教科書にも取り上げられていますし、壺井 栄の「二十四の瞳」とか伊藤左千夫の「野菊の墓」、前の方も取り上げていらっしゃいますが、これらはみんな、とても読みやすい作品でありながら芸術性も大変高いもの、それに、なによりも読んでいての感動がひとしお・・・・、ぜひこうした作品に広く親しむことからスタートして、読むことに慣れ、素直に理解できる感性を養いながら、奥深い文学の世界に、さらに少しずつ「歩」を進めて行って欲しいなと思います。
お礼
有難うございました。 「ビルマの竪琴」や「野菊の墓」は映画では見ましたが、原作は読んでいないので今度読んでみます。
こんにちは。 短編では、芥川龍之介の「蜜柑」と、山本周五郎の「人情裏長屋」です。 「蜜柑」は高校時代の現代国語の参考書に載っていたのですが。 感動して勉強どころじゃなくなってしまいました。 「人情裏長屋」は、ずっと昔、「ぶらり信兵衛道場破り」という時代劇を見て、個性的で面白いな、なんて思っていたのですが。 後になって山本周五郎原作のこの作品と知って、合点がいきました。 人を斬りまくって葵の御紋を見せて、一件落着なんて時代劇が大嫌いだった私にとって、斬り合いが一つも出てこないこの作品は、とても異彩を放ってました。 その他、江戸川乱歩のショートショートは、思わず頷くような話が多いです。 長編では、宮本輝先生の「錦繍」が好きです。
お礼
「蜜柑」は読んだ事ないなあ---。そんなに面白かったんですか?
夏目漱石の「こころ」と谷崎潤一郎の「鍵」です。普通の小説でありながら、ミステリー風味であるところにはまりました。以後も「ミステリー風味の普通の小説」を探しています。
お礼
両作品とも読んでおりそれなりに面白かったですが, 印象には残らなかったです。 成程そういう見方もありますか--?
- hyakkinman
- ベストアンサー率16% (738/4426)
★「友情」 友情の本当の意味を、考えさせられた書。 主人公の野島の複雑な心境にシンクロして、こちらまで複雑になりました。 ★「二十四の瞳」 泣けました…。 説明不要ですね。 ★「野菊の墓」 「朝から部屋へ入ったきり、なにもする気にならない…」 政夫と民子の気持ちがあまりに純粋で… せつない作品です。 三つとも、繰り返し読んでいます。 本が無くても、読み聞かせできるくらいに…
お礼
子供が読んでもいい本ですよね---。
- zerocatom
- ベストアンサー率20% (50/249)
こんばんは。 私も太宰治は苦手です。 読んでいて楽しくないし、途中で嫌になってきます。 と、言うわけで「人間失格」など、数回挑戦しましたが、一度も最後まで読みきれず、理解も出来ませんでした。 そういう意味では、開口健の「輝ける闇」も、全くダメでした。 もともと、文学好きというわけでもなく、最近は視力も衰え、本を見ることも、ほとんどなくなってしまいましたが、今までに読んだ中で好きなのは宮沢賢治です。 読んでいて普通に楽しく、とりようによっては何か人生観もふくんでいるような…。 特に好きな作品は、「やまなし」 清冽な谷川に住む沢蟹の話ですが、その蟹のすむ谷川同様の透明感というか穢れのなさ、みたいなものが作品全体から感じられます。 また「どんぐりと山猫」のラストで金色のどんぐりが普通のどんぐりに戻ってしまうところの何ともいえない寂しさも大好きです。 他の作家では芥川龍之介の「芋粥」が好きです。 ちょっと、現実離れした作品が好みみたいですがSF小説は好きではありません。
お礼
宮沢賢治ですか。「注文の多い料理店」は今でも印象に残っていますが---。 「芋粥」は僕も好きです。確か「今昔物語集」に良く似た話がありますよね。
お礼
名作が多いですね。全部読まれたんですか?