日本ってどうやってここが日本ってなっているかというと、他の国が「こっからここまでを日本と考えることを了承する」ってしているからですよね。
北方領土も日本は「ここは日本」って主張するが、ロシアは「ロシア」って主張しているわけで、他の外国もそこが日本とするかロシアとするか曖昧。
多くの国が「そこは日本」と了承すれば日本って言っても文句を言う人は少なくなるわけです。
台湾は中国から独立したとしているが、中国は独立したと認めておらず、国によって台湾を独立国家とみなすかの対応はまちまち。
つまり、国ってのは諸外国それぞれが了承して、はじめて国として主張できるわけです。
秘密結社にフリーメイソンってのがあります。
ここも全部の秘密結社をまとめているところは無い。
「あなたのところはフリーメイソンです」って相互に認め合うことでなりたっている。
P2は犯罪を犯したので、他のフリーメイソン団体から承認を取り消されたので、自分たちはフリーメイソンだって言い張っても、自称フリーメイソンであって、他からは認められておらず、フリーメイソンとしてはみなされないわけです。
キリスト教もそうです。
お互いがキリスト教だって了承することで、キリスト教ですって言っても文句が出ない。
ある教会の牧師が信者をレイプしたとき、他のキリスト教会は今までそこをキリスト教と認証していたのを取り消し、認めたにと宣言をした。
それくらいしかできない。
キリスト教かどうか決める権限を持っている機関が無いので、承認を取り消すことしかできない。
そしてローマカトリック教会は、自分たちの教義に異論を唱えたルターを破門した。
「お前はローマカトリック教徒ではない」と宣言した。これが破門。
ルターはどうしたかというとビリビリビリと破り捨てた。
すると、「だーかーらー あんたの考えはローマカトリックの考えじゃないんだってば はい 出て行ってね」って文章をもう一度渡すと、ビリビリビリ。
「異種だからここにいてもしょーがないでしょー よそで自分の考えをやれば?なんで違うところでやるの?」ってことで、結局 そかーとなり、自分の宗派を作ったんです。
「ローマカトリックの教義に異論を唱える宗派」 これがプロテスタントと呼ばれるわけですが、それでもキリスト教ではある。
ただしローマカトリックとは名乗れない。
ローマカトリックとは違う教義を持つカトリック教会という名称の団体も存在します。
ローマカトリック教会の組織の一員だと思ってカトリック教徒だと言い張っても、実際はプロテスタントに分類される。
ローマカトリックが認める組織にイエズス会とか、オプスデイとかあります。
彼らが犯罪をした場合は、ローマカトリックは彼らをローマカトリックとはみなさなくなる。
オプスデイもいろいろ問題を起こしているので認証をそのうち取り消されるかも。
認証を取り消されたとしても、キリスト教と名乗っても問題ない。
別の宗派を作ってキリスト教と名乗っても、キリスト教かどうか認定する機関が無い以上、「キリスト教会として登録させない」とか言われないわけです。
エホバの証人がよく「あそこはキリスト教じゃない」とか他の信者から言われますが、それは「俺は認めない」と承認しないという意味。
誰からも承認されなくてもキリスト教ですって言ってもいいわけです。
それは勝手。
「そんなんがキリスト教だと思われたら、こっちも誤解されて迷惑だから名乗るな」って言う自由もあるが、自分の宗派はキリスト教だって言う自由だってあるわけです。
で、マルタ島ってあるじゃないですか。
ほぼ100%住民はローマカトリック信者。
しかし、地元のカルチャーも根強く残るおもしろい島。
呪術を信じているので、奇蹟とかになると、もう住民たちは目の色変えちゃう。
ある人がマッサージをして腰の痛みを治したら、その人が使った油は聖なる油ってなっちゃって、その人が油をとった木は奇蹟の木になるんです。
そのうち話はちょっとずつ変わっていき、別の地域では木じゃなくて井戸になるんです。
どっちも奇蹟狙いで観光客がどっとやってくるそうです。
それに対してローマ・カトリック教会は口を挟むことはなく、「ごらんなさい 信仰が深いとこのような奇蹟がつぎつぎ起こるんですよ。ここの住民を見習いましょう 奇蹟が起こりました。我々の宗派は正しいことがこれで証明されました」となるんです。
おい! ですがそうなんです。
相乗り便乗ですが、どっちも損しないので、やめろってことはない。