行列の等式と成分(HC定理利用)
A=(a b c d)とする。A^2=Aとなるとき、a,b,c,dの満たすべき必要十分条件を求めよ。
行列Aについて、ハルミトン・ケーリーの定理から
A^2-(a+d)A+(ad-bc)E=O
すなわち、A^2=(a+d)A-(ad-bc)Eが成り立つ。
A^2=Aとなるとき (a+d)A-(ad-bc)E=A
ゆえに{1-(a+d)}A+(ad-bc)E=O
[1]a+d=1のとき (ad-bc)E=O
よってad-bc=0
[2]a+dnot=1のときA=(ad-bc/a+d-1)E
ゆえに,(ad-bc/1a+d-1)=とおくと A=kE
これをA^2=Aに代入して整理すると k(k-1)E=O
よってk(k-1)=0 ゆえにk=0,1
よってA=OまたはA=E
A=Oのとき a=b=c=d=0
このとき,a+d=0となり,a+dnot=1を満たす。
A=Eのとき a=d=1,b=c=0
このとき,a+d=2となり,a+dnot=1を満たす。
[1],[2]から a+d=1,ad-bc=0;またはa=b=c=d=0;またはa=d=1,b=c=0
教えてほしいところ
まず、僕の考え方を述べます。
A^2=Aのa,b,c,dの満たすべき必要十分条件を考えたい。
A^2=(a+d)A-(ad-bc)Eより、
A^2=A
⇔(a+d)A-(ad-bc)E=A
⇔{1-(a+d)}A+(ad-bc)E=O
よって、{1-(a+d)}A+(ad-bc)E=Oの満たすべきa,b,c,dの必要十分条件をもとめればよい。
k、s、tを実数、Eを単位行列とする。
正方行列Aに対して sA+tE=O⇔s=t=0またはA=kEより、
s=t=0,またはA=kEとなるような、a,b,c,dの必要十分条件をもとめればよい。
よって[1]a+d=1のとき (ad-bc)E=O
よってad-bc=0
[2]a+dnot=1のときA=(ad-bc/a+d-1)E
ゆえに,(ad-bc/1a+d-1)=とおくと A=kE
よって、a+dnot=1または、a+d=1、ad-bc=0と考えました。
そこで質問です。a+dnot=1のとき、 A=kEとあらわせるのでそれ以上a,b,c,dの関係式は必要ないんじゃないんですか???